Search This Blog

Tuesday

古びた黄金色を纏った文様の集合体 / Antique Brass Motief with Festoon

歳月を経た金属の深い表情が愉しめる、フランスのアンティーク・モチーフ。












風格たっぷりの真鍮モチーフは、古代から愛されてきた文様で溢れています。

上部で下を向いている花は釣鐘草。

中央部でクロスしているのは生命の象徴、アカンサス。

そして緩やかに弧を描いているのは、ギリシア由来のモチーフ、フェストゥーン 。

フェストゥーンとは花綱とも訳される装飾文様の一種で、祭り/festaのための花縄や草葉などをつないで上からつるす飾りに由来する伝統ある文様。

このような凝った金属のモチーフは、家具のアクセントに取り付けられたリ、インテリアのポイントとして壁や柱などに配されてきました。

インテリアとしてお部屋に飾っても素敵ですが、ずっしりと持ち重りがしますので、読みかけの本を開いておくウェイトとしてお使いいただいてもよろしいかもしれません。

ヨーロッパで愛されてきた歴史ある意匠を、どうぞお手元でお愉しみください。



◆France
◆推定製造年代:c.19世紀後半
◆素材:真鍮
◆サイズ:幅約3.5 奥行き約1 高さ約18.5cm
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、多少の汚れや錆びや変色などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*上部に2か所、下部に1か所、取り付け用の穴があいています。取り付け金具は付属しません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承のうえ、お求めください。


アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。


http://toddlowrey.com/?pid=116518973

Todd Lowrey Antiques
by d+A



Monday

中欧を旅してきた知恵と力のペンタゴン / Antique Glass Pocket Watch Display Pentagonal Vitrine Box

優美なフォルムのなかに、力強さを感じさせる五角形のヴィトリーンボックス。














このようにべべルドガラス(面取りガラス)を真鍮フレームで組み合わせた小箱は、主として19世紀フランスでよく作られました。

基本的には直方体で、ジュエリーボックスとしての用途が多く、富裕層のレディたちの化粧台を飾っていた美しい小箱。

ただ、今回ご紹介するのはジュエリーボックスでも直方体でもなく、「五角形の懐中時計用ヴィトリーンボックス」です。

ガラス張りの箱の中央には、懐中時計を掛けるための丸いプレートが配され、上部にはフックがついています。つまり、当時の紳士の必需品、懐中時計を仕舞い、そのまま室内用の置時計へと変化させる美しい装置なのです。

ヴィトリーン(vitrine もしくは vitreen)というのは美術骨董品を入れるためのガラス張りの入れ物のこと。語源はラテン語の「ガラス(Vitrum)」から。英語の「vitreous」は「ガラスの」「透明な」という意味を持ちます。この言葉はポルトガルを通じて、日本には「ビードロ」として入ってきました。一般的なガラスの入れ物をそう呼ぶことはあまりなく、価値あるものを飾るにふさわしい収納をヴィトリーンとよびます。


そして、五角形にも隠された意味があります。

東洋では五行(水・木・火・土・金)を表し、終わることのない循環を描いており、邪気の入り込む隙をなくした魔除けの象徴。そして西洋では五芒星を象徴し、古代から崇められ、人という生命の象徴=健康の象徴とされ、やはり魔除けとして貴ばれてきた意匠。知恵と力の象徴として、古代ギリシャ・ピタゴラスの一派がシンボルマークとしたこともあったようです。その後中世ヨーロッパでも、六芒星とともに魔術の文様として広く使われてきました。

アメリカの国防総省が「ペンタゴン」とよばれる元となったのは、その五角形の建築物に在ることはあまりにも有名です。なぜ五角形かは都市伝説の様に諸説ありますが、知恵と力、そして魔除けの象徴である五角形であることに、なんらかの作為を感じる人々は多いことでしょう。


実は、このヴィトリーン・ボックスを手に入れたのはプラハ。

多くのアンティーク小物のなか、周囲の物とはあきらかに異なる輝きを纏っていました。

ひき込まれて眺めまわしていると、ハンチングをかぶった店主のおやじさんいわく・・・

「古いものだよ。19世紀。チェコではない、オーストリアのだね。いいものだから、まけないよ。」

そんなことを言っていたようです。

「言っていたよう」というのは、おやじさんが話していたのはチェコ語。当方はチェコ語は全く分からず、意思疎通に苦労していたところ、みかねた通りすがりの女性が通訳として入り、おやじさんの主張を理解することができました。


19世紀にフランスで流行したガラスの小箱は、隣国オーストリアにも波及し、やがてオーストリアでも作られるように。そして何らかの理由で、そのまたお隣のチェコにこのヴィトリーンは運ばれてきたのかもしれません。


現代日本では、なかなか懐中時計を愛用されるご仁は少ないかと思われます。

もちろん、本来の用途にお使いいただくのは大歓迎ですが、例えば大切なペンダントヘッドなどをディスプレイしてみてはいかがでしょう。


画像ではプラハのおやじさんに敬意を表し、チェコの名産、モルダバイトのペンダント・ヘッドをご参考までにディスプレイしてみました。1450万年前の隕石によって生まれた清冽な色をもつ結晶体は、五角形の透明な箱に仕舞われるとき、不思議な力を手に入れたようにみえてきます。

石がお好きなかたはお好みのパワーストーンを飾ってもよいかもしれません。


中欧を旅してきた知恵と力のペンタゴンに、あなたの大切なものを仕舞ってください。





◆Austria(Prague買付)
◆推定製造年代:c.1870~90年頃
◆素材:真鍮・ガラス・他
◆サイズ:幅約8.7 奥行き約4.5 高さ約12cm(内部プレート布張り部分 直径約3.8cm)
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*五角形の懐中時計用ヴィトリーン・ボックスのみの販売です。画像の備品は付属しません。
*古いお品物ですので、多少の汚れや小傷、布の劣化などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*脚は若干の歪みがみられます。
*背面下、ガラスの面取りの合わせ目にわずかに欠けがみられます。
*上記ご了承のうえ、お求めください。


アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。


http://toddlowrey.com/?pid=116440885


Todd Lowrey Antiques
by d+A




Friday

護り続ける意匠、使い続ける意味 / Antique Desk Set

レターラックにレターオープナーと拡大鏡がセットされたデスクセット。













オープナーと拡大鏡の持ち手は陶器。柔らかな乳白色で作られており、持ちやすいように凹凸のパターンがつけられています。


パターンのモチーフはジャコビアン風のフラワーモチーフ。英国らしさが感じられる意匠です。


実はこのセット、オープナーと拡大鏡はヴィクトリア時代の古い物なのですが、レターラックの木の部分は後年に作り直されたものとなっています。

ただ、レターラックの中央に嵌めこまれた陶器の飾りは、オープナーと拡大鏡のお揃いの古い物。

おそらく、なんらかの理由でもともとあったラックが壊れてしまい、惜しく思った持ち主が作り直させたのではないでしょうか。

きっと、バラバラにしてしまうにはしのびない、大切なものだったのでしょう。


陶器の持ち手はずっしりと、そしてひんやりとしつつもすぐに手になじみ、思いがけない使いやすさを感じさせてくれます。木の台座はしっかりと安定し、オープナーと拡大鏡を支えています。

使いたいときにさっととれる利便性をもちながら、デスク回りに置いておけば、それだけで絵になる存在として眼を愉しませてくれます。
歴史と想いが込められた、英国アンティークのデスクセット。
こだわりのひと品を、貴方の傍らでいつまでも使い続けていただきたいと願っています。


◆England
◆推定製造年代:レターオープナー及び拡大鏡・1890年代 レターラック・1930年代
◆素材:レターラック・木及び陶器 / レターオープナー及び拡大鏡・金属、陶器、ガラス
◆サイズ:レターラック幅約25.7 奥行き約13 高さ約12.6cm / レターオープナー長さ約24cm / 拡大鏡長さ約21.8cm)
◆在庫数:1セットのみ


【NOTE】
*レターラック、レターオープナー、拡大鏡、3点で1セットのお品物です。
*古いお品物ですので、多少の汚れや小傷などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承のうえ、お求めください。


アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。


http://toddlowrey.com/?pid=116373987

Todd Lowrey Antiques
by d+A



Monday

幸運の鳥が舞う湖畔の街のブックスタンド/Antique Book Stand "Lugano"

可憐ながらも巧みな筆致で絵付けされた、オリーブ材のブックスタンド。















まず目に飛び込んでくるのは、二羽のツバメと一輪の花。
そして"Lugano"という筆記体の文字。

Lugano/ルガーノとは、スイス南部、イタリア語圏にある街のこと。
ルガーノ湖のほとりにある、美しく歴史ある街は、スイス第3の経済・金融の中心地でもあります。





1905-1910年頃のルガーノ
セルゲイ・プロクジン=ゴルスキーによる初期のカラー写真

















このブックスタンドは英国買い付けではありますが、どうやら製造されたのは1900年頃のスイス、ルガーノ。交通網の発達した時代となり、多くの人々が旅行を楽しみ始めた頃のお土産品と思われます。


ただ、お土産物とはいえ、つくりはしっかりとしています。

濃淡が現れ、しっとりとした艶のある材はオリーブでしょう。スイスのなかでも最もイタリアに近く、地中海にも近いルガーノではよく使われた材だったのかもしれません。

そんなルガーノでつくられた、左右の側板が折りたためる携帯式のブックスタンド。
旅のお土産品としては最適といえるでしょう。


中央に描かれた可憐な花は、ヨーロッパアルプスが原産の「ビオラ・カルカラータ/Viola calcarata」と思われます。ビオラの花言葉は信頼、誠実、そして少女の恋。そして、二か所に描かれたツバメは、幸せの象徴としてヨーロッパではとても愛されているモチーフです。

エドワーディアンの英国紳士が故郷で待つ、大切な人のために求めた特別な一品だったのではないでしょうか。


これからは、貴方の大切な本のために。

幸運の鳥と誠実な恋の花が施された、美しい木の指定席を用意してみてはいかがでしょうか。




◆Switzerland
◆推定製造年代:c.1900年頃
◆素材:木材(おそらくオリーブ)
◆サイズ:幅約23.5 奥行き約7.5 高さ約8.8cm(折り畳み時高さ約1.8cm)
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、多少の汚れや小傷などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承のうえ、お求めください。


アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



http://toddlowrey.com/?pid=116205030


Todd Lowrey Antiques
by d+A