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Saturday

繁栄のヴィクトリア時代・英国皇太子の結婚25周年を祝う /Antique Victorian Pressed Glass Coronation Plate

1888年製作、後のエドワード7世の結婚25周年を祝った記念プレート。















エドワード7世(1841-1910)が皇太子時代、1863年にデンマーク王女アレクサンドラと結婚。


今回ご紹介するのは、その結婚25周年記念である1888年に製作されたコロネーション・プレートです。

偉大な母、ヴィクトリア女王亡き後、難しい舵取りを余儀なくされたエドワード7世。
彼の時代はエドワーディアンとよばれ、最後の古き良き時代とも呼ばれています。

そんな彼が長い皇太子時代を過ごしたのは、英国が繁栄を極めていたヴィクトリア時代。
次の時代への更なる期待をこめて、皇太子の結婚25周年はさぞお祭り騒ぎだったのではないでしょうか。

両側に小さな取っ手がついた珍しいフォルムのプレートは、特別な印象をもってみる者の心をつかみます。よくみれば周囲のフリルには1か所ごとに小さな花のようにビーズ加工があしらわれ、レース細工のような繊細な表情をみせてくれています。

周囲には細工の美しいガラスビーズで、以下の文字が描かれています。

THE SILVER WEDDING OF THE PRINCE & PRINCESS OF WALES
1863 1888

そして、中央にはプリンス・オブ・ウェールズの象徴である「黄金のコロネットに配された白い3枚のダチョウの羽根」が、モットーである「私は仕える(Ich dien)」とともに配されています。


130年近い歳月を経てきたものとは思えないほど、良い状態のプレスドガラスプレート。

大英帝国の爛熟期、当時の繁栄が感じられるような、ストーリーのある一品です。


◆England
◆製造年代:1888年
◆素材:ガラス
◆サイズ:直径約11.5cm(取手以外)幅約17cm(取手含む) 高さ約2.8cm
◆重量:約127g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷やざらつきがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*ヒビやチップはございません。年代からすれば、とてもよいコンディションだと思います。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

http://toddlowrey.com/?pid=126728205


Todd Lowrey Antiques
by d+A


世紀末の退廃を帯びた中欧の機能美 /Antique Bilateral Postal Scale from Czechoslovakia

優雅なフォルムをみせる双極アーム式郵便測り。














英国で手に入れた、古い古い郵便測り。


英国をはじめとするヨーロッパのポスタル・スケール、もしくはレタースケール(郵便測り)は、ばね式やPendulumとよばれる振り子式のものなど数種みられますが、今回ご紹介する測りはBilateral/バイラテラルとよばれる双極アームのもの。

Bilateral/バイラテラルとは「両側のある」「左右両側の」の意味。

その名の通り、左右両側のアームが可動し、それぞれについた目盛りでより幅広い重さを読むことが出来ます。

下側の目盛りは0から1/2オンスまで。
上側の目盛りは1/2オンスから4オンスまで。

上下の守備範囲がきちんと分担され、機能がそのまま形となった、なんとも心地よいフォルムをみせています。実際のスケールとしては正確な計測は難しそうですが(単位がオンスですし)、デスクに置いて手慰みに揺らしてみるのもまた一興かと思います。

出色はベースのラシカルなパターンと、受け皿の花のような透かし彫り。
全体の丸みを帯びたフォルムと共に、機能性の中にも優雅さを感じさせます。

上部の台に重みをかければ、左右のアームがゆらり、ふわりと持ち上がり、なんとも軽やかな動きを目にすることができる、優れもの。背面の支持柱には以下の文字がみられます。

OEST P 1766
UNG.P. 16742
D.R.P. 112860.121631

調べてみると、一行目の「OEST.P. 1766.」とは「Oesterreichisches Patent= Austrian patent」の意味。これは、チェコスロバキア、テプリツェにある「Balduin Heller's Sohne」という会社が、1899年にオーストリアへ出願、1900年に許可を経たパテントナンバー。

また二行目の「UNG.P. 16742」とは「Hungarian patent」、三行目の「D.R.P. 112860.121631」とはドイツのパテントナンバー。刻まれた大陸3国のパテントは1899-1900年頃であり、この秤が1900年頃の物であることが推測されます。


そう、これはチェコスロバキアの会社がデザイン・製作し、ヨーロッパ各国へ販売してた郵便測りでした。

英国でも多くの測りが製造されていたでしょうから、チェコスロバキアから来た測りは、ちょっと珍しい物だったかもしれません。

世紀末にアールヌーヴォーが花開いた地でデザインされた、機能性のなかにもどこかエレガントな空気を纏う郵便測り。

そのフォルムと動きを愛でる時、心の奥のどこかかから中欧の風がふいてくるような気がします。

◆Czechoslovakia/England買い付け
◆推定製造年代:c.1900年代
◆素材:金属
◆サイズ:幅約9.5cm 奥行き約6.8cm 高さ約15.2cm
◆重量:約156g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*正確な計測用にはおすすめできません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

http://toddlowrey.com/?pid=126728060

Todd Lowrey Antiques
by d+A





Monday

周囲の世界を歪めて取り込む球形のバックグラウンド / Antique Regency Style Giltwood Convex Table Mirror

リージェンシースタイルの英国アンティーク、珍しい自立式のコンベックスミラー。














コンベックスミラーとは凸面鏡のこと。


その歴史は古く、少なくとも15世紀にはヨーロッパにおいて使用されていました。

印象的なインテリアとしても効果的に使用され、たとえばマントルピースの上などに掛けられることもよくあったようです。

独特のな映り方をするせいでしょうか、コンベックスミラーにはいろいろな名前で呼ばれています。

Fish Eye Mirror「魚眼ミラー」。
Banker's Eye「銀行家の眼」。
そしてフランスでは”oeil de sorciere”「魔女の眼」。


また、リージェンシー(Regency)スタイルとは、ジョージ4世の摂政(Regent)時代、および在位時代の建築や家具の様式のこと。時代としては1811-1830年頃、19世紀前半となります。

華やかなヴィクトリア様式の前段としてのスタイルで、家具においてはクラシック・リバイバルの要素が強く古代ギリシア、ローマの意匠を強く意識した、重厚で品格のあるデザインが主体でした。

今回ご紹介するコンベックスミラーは、英国の古い街にあるアンティーク・センターで買い付けたもの。製作は1930年代頃と思われます。

アンティークとしてはやや年代は浅いですが、重厚で品格のあるデザインはまさにリージェンシースタイルであり、古き良き時代をイメージして造られたものであるといえます。

以前、当店にて同じスタイルの直径約42cmのコンベックスミラーを取り扱ったことがございますが、このミラーはその縮小版ともいえるもの。

周囲のフレームは木のベースに、石膏で象ったディテール、そして金彩を施した伝統的な手法。ミラーの周囲は黒く、エボナイズド(黒檀風の仕上げ)されており、ミラーに映る世界をより怪しく引きてているよう。

さらに周囲にはリーフパターン、球形のデコレーションが施されており、リージェンシースタイルの品格溢れる佇まいを引き立てています。



また、もうひとつの特徴は自立式であるということ。

折り畳み式の脚をぱかりと開いて、サイドボードやテーブルに立てることができます。
開いた部分は蛇皮風の型押しの紙で雰囲気たっぷり。


多くのコンベックスミラーは壁掛けタイプですので、このような自立式は珍しいといえます。壁に物を掛けずらい場所や、気軽にコンベックスミラーを愉しみたいスペースに、ちょっと置くのに最適。

季節のディスプレイのバックグラウンドとして飾れば、周囲の景色を歪んで取り込む、他では見ないような効果的な演出がお愉しみいただけます。


人間の眼を超えた、不思議な世界。
映しだされたものは現実なのか、架空なのか。

是非ご自身の眼でお確かめください。

◆England
◆推定製造年代:1930年代
◆素材:木、石膏、ガラス、紙、他
◆サイズ:直径約25.6 厚み約3.8cm 自立した時の奥行き約12cm
◆重量:約833g
◆在庫数:1枚のみ

【NOTE】
*背面は木に塗装仕上げとなっており、一部に剥げがみられます。
*自立用の脚を出した部分は、型押しの紙仕上げです。一部に剥げがみられます。
*吊り金具はついておりません。
*ミラーには、若干の錆や曇りがみられます。ガラス内面(裏側に蒸着させた銀等からの錆やくもり)のものですので、除去することはできません。
*フレームには若干のアタリ、汚れ、塗装の剥げ、材の離れなどがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*古いお品物ですので、上記のような事象がみられますが、全体としてはとても雰囲気ある素敵なお品物だと思います。ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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凝縮された英国伝統家具の美 /Antique Miniature Tripod Table

完璧なフォルムをもつ、英国アンティークのミニチュア・テーブル。











イングランドの古都で、美しいテーブルを手に入れました。
バランスとしてはティー・テーブルでしょうか。

丸い天板、足元は3本脚のトリポッド。しなやかに曲がるカーブは、クィーンアン様式を祖とする英国伝統家具の優雅さをしっかりと受け継いでいます。支柱は挽き物で中心の擬宝珠が豊かさの象徴、種子をイメージさせます。

材は恐らくビーチ材。

円形の天板には、周囲にぐるりと二重の金属象嵌が施されています。
違う色の木を埋め込むタイプの木象嵌はよくみられる装飾ですが、金属象嵌は違う材を組み合わせるため、手間暇がよりかかる高級仕上げそれだけに、柔らかな木の質感ときらりと硬質な金属の質感が互いに引き立てあう、ドラマティックな効果を生み出します。

そして、何よりも驚くのは、このテーブルが高さ約13cmほどの小ささだということ。

実用とは程遠い、こんな小さなテーブルに、それだけの手間暇をかけたのは、どんな理由があったのでしょうか。隅々まで本格派のミニチュア家具は、家具職人が試作したプロトタイプだったのかもしれません。


アンティーク家具好きだけれども、家の広さには限界がある・・・。
美しい英国伝統家具のフォルムをひたすら愛でたい・・・。

そんな方におすすめの、本棚にも飾れる本格的英国アンティーク・テーブル。
所有するだけで嬉しくなるような、稀有なひとしなです。

◆England
◆推定製造年代:c.1930年代
◆素材:木(恐らくビーチ)・金属(真鍮)
◆サイズ:直径約12.4cm 高さ約13.5cm
◆重量:約127g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。


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