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最後のインド皇帝にして善良な王の始まりの時 / Antique CORONATION Cup of George VI

1937年、ジョージ6世戴冠記念マグカップ。














ジョージ6世、ご存知でしょうか。

ヴィクトリア女王のひ孫にあたり、一度は兄のエドワードが王となりましたが、彼がアメリカ人女性ウォリス・シンプソンとの結婚を望み、退位したことから思いがけず王位を継ぐことになった人物です。

2010年の映画「英国王のスピーチ」の主役、というとお分かりになるかたも多いかもしれません。

軍人として第一次大戦に従軍し、王としては第二次大戦を経験したジョージ6世。
困難な時期を大変な立場で過ごした彼は、誠実な人柄で、「善良王」として人々から愛されたといいます。


今回ご紹介するコロネーション・アイテムは、そんあジョージ6世の戴冠記念マグカップです。


正面には王冠を掲げたオーバル(飾りは月桂樹の葉とチュードルローズ)にジョージ6世の横顔がおさまり、
戴冠式が行われた「May 12 1937/1937年5月12日」の文字が美しくレイアウトされています。

背面にも文字がみられます。
「FID DEF IND IMP」
これはラテン語で「REX FIDEI : DEFENSOR : INDIA : IMPERATOR」。
英語にすると「 Defender of the Faith, Emperor of India」となり、日本語では「信仰の擁護者、インド皇帝」となります。


ちなみに、1947年インドは英国から独立したため、ジョージ6世は最後のインド皇帝となりました。
そのため、この文言が使われたのはジョージ6世が最後ということになります。

この頃はまだそれを知る者はなく、その文言は王冠を掲げたチュードルローズ(イングランド)、アザミ(スコットランド)、シャムロック(アイルランド)と合わせられ大英帝国を象徴するデザインとなっています。



底面には以下の文字がみられます。

IDEAL
SEMI PORCELAIN
C & Co_
MADE IN ENGLAND


「SEMI PORCELAIN」は「半磁器」のこと。
たとえば焼成温度は磁器が1250-1350度、陶器が1100度以下なのに対し、
半磁器は1200-1250度くらいといわれています。

また、同じ白色でも、磁器がなめらかで輝くような白に対し、陶器はややざらつく土を感じさせる白、
そして半磁器は粒子がやや粗い磁器のような印象といえるでしょう。

製造メーカーはイングランドのIDEAL Potteryですが、この窯元の詳細は不明。
同時期に色々なデザインのコロネーション・セミポーセリンを生産しています。



歴史の1頁が記された80年以上前のマグカップ。

半磁器の柔らかい白色で造られたコロネーション・カップは
品格がありながらもどこか人の手の温もりが感じられます。

おそばに置いて、英国王室の歴史に想いを馳せてみるのはいかがでしょうか。



◆England
◆IDEAL Pottery
◆推定製造年代:c.1937年
◆素材:半磁器
◆サイズ:底面直径約8.2cm 持手含む総幅約10.5cm 高さ約7.9cm
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*カケやヒビはございませんが、口に小さな凹みがございます。
*凹みの手触りはやわらかで色が乗っており、釉薬もかかっていますので生産時からのものと思われます。
*他に生産時からと思われるスポッツ等がみられます。
*底面にわずかに汚れがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*80年以上経った半磁器ですので、お取り扱いにはご注意ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques
by d+A