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Friday

奇妙で可憐な赤い本 / Antique Book "ODD" by Amy Le Feuvre

 英国アンティーク、古い本。
















真っ赤な装丁が目を惹く古い本。パイプオルガンを弾く女性と寄り添う可憐な少女のイラストが印象的です。


タイトルは「ODD」。「奇妙な」「おかしな」「妙な」もしくは「奇数」という意味の英語ですが、どう訳せばよいのでしょうか。



作者は「Amy Le Feuvre/エイミー・ル・フーヴル」。本名「Amelia Sophia Le Feuvre/アメリア・ソフィア・ル・フーヴル」は1861年ロンドン、ブラックヒースに生まれた女性作家。祖父が牧師の家に生まれ、子供向けや短編の宗教小説を主に執筆し、65冊以上の本を出版しました。


この「ODD」は初版が1900年ですが現在も出版されており、アマゾンなどで手に入れることが出来ます。ちなみに今回ご紹介している本はその第六版であり、出版元は以下の通り。


LONDON

THE RELIGIOUS TRACT SOCIETY

4 BOUVERIE STREET AND 65 St. PAULS CHURCHYARD


「THE RELIGIOUS TRACT SOCIETY」とは、1799年に設立された英国の福音派キリスト教組織のこと。19世紀には慈善活動や宗教的出版物などを手掛けていましたが、19世紀末には宗教文学の需要の減少などの理由により縮小。1932年には新しく「The Lutterworth Press/ラターワース・プレス」が設立され、教会の出版物はすべてその管理下におかれることとなります。


この出版社の活動と、1900年初版から第六版ということを考えれば、おそらく作られたのは1910-1930年代頃と推測いたします。



19世紀後半の英国の少女の物語を描いた1冊は、印象的な装丁と共に100年近くの時を過ごしてきました。


更なる歳月を貴方のお手元で過ごさせていただければ、と思いますが、いかがでしょうか。


◆England

◆推定製造年代:c.1910-1930年代頃

◆素材:紙

◆サイズ:約13×18.9cm 厚み約2.8cm

◆重量:348g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、染み、傷みや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A


日がな一日顕微鏡を眺めつつ / Antique Victorian Mahogany Box for Microscope Slide

 英国アンティーク、顕微鏡用スライド(プレパラート)用木箱。


















英国南部の町にある、一階の暖炉がいつも燃えているアンティークセンター。


迷路のような部屋を抜けてたどり着いた一番奥の小部屋には、観測機器やコンパス、顕微鏡や地球儀など私たちの大好物が詰まった部屋となっていました。


品物1点1点も素敵ですが、その部屋にいるだけで幸福を感じるような空間。大喜びで(手が届く範囲のものを)いくつか手に入れたのですが、今回そのうちのひとつをご紹介いたしましょう。


マホガニーの無垢材を組み合わせて作った平たい木箱。上部の蓋をスライドさせると、中には細かい溝が切られた側板で仕切られた部屋がふたつ。どうやら、小さな平たい物を立てて収納できるようになっているようです。



そう、これは顕微鏡のスライド(プレパラート)用ケースです。


まず、「プレパラート/Praparat」とはドイツ語で、観察対象(試料)を検鏡可能な状態に処理したものをいいます。つまりガラスだけではプレパラートとは呼びません。そして英国ではプレパラートのことは単に「slide/スライド」とよびます。


英国において顕微鏡用のスライドは1839年以降、ほぼ3×1もしくは3×1.5インチとなっており(特別なものは除く)現在でもこれは変わらないようです。ちなみに現在日本で一般的に手に入るスライド(プレパラート)は7.6×2.6cmですが、これはもともと3×1インチからきています。(3インチ=7.62cm 1インチ=2.54cm)

また、今回は参考までに在庫の携帯用顕微鏡とスライドを一緒に撮影しましたが、このスライドは特別に小さなもののため、この木箱では立てることが出来ませんでした。



このスライド用ボックスの仕切りは、ちょうどこの3×1インチのスライドが収納できるようにつくられています。ただ、かなり古いため木が反ってきており、ひょっとして数か所は狭い場所があるかもしれません。その際はどうかご容赦ください。


材は前述のとおり、緑の黄金と呼ばれた木材、マホガニー。マホガニーならではのゴールドを秘めた杢目が浮き出ている箇所もあり、杢目の深みを鑑賞するお愉しみもございます。作られた時代は古く、ヴィクトリア時代半ばから後半と推測いたします。


かつてどんな紳士がこの木箱を使っていたのでしょうか。沢山の試料を集め分析し、スライドに仕立ててコレクションする。日がな一日、顕微鏡を眺めることに悦びを覚えるタイプだったのかもしれません。


そんな風に顕微鏡やプレパラートを愛するコレクターの方にはもちろん、文具や工具用の入れ物としても最適。試しに写真では定規を入れてみました。厚紙や板で仕切りを立て、小物を収納するのもよろしいかもしれません。


確かな材と浪漫溢れるストーリーを感じる、英国アンティークの逸品です。



◆England

◆推定製造年代:c.1860-1890年代頃

◆素材:マホガニー材

◆サイズ(外寸):幅約35cm 奥行き約20.2cm 高さ約3.5cm

◆サイズ(内寸):「約7×33.7cm 深さ2.6cm」が2部屋

◆重量:576g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、割れや反り、アタリや変色等がみられます。

*2枚ある蓋のうち1枚は割れた物を補修してあります。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


シティ・オブ・ロンドンのディップペン / Antique Wooden Dip Pen by W.BROWN & Co's LONDON

 英国アンティーク、木軸のディップペン。













英国の大きなアンティークフェア。


何度も訪れているそのフェアで、必ず立ち寄るストールがあります。


上品な白髪のお爺様と、仲良さそうなお婆様がやっているアンティーク筆記具のお店です。今回はそこで手に入れた、渋く歴史あるディップペン(つけペン)をご紹介いたしましょう。


やや明るめの色の木軸に取り付けられたペン先・・といってよいのかどうか、木軸にカシめた金属部分には、以下もの文字が刻まれています。



W.BROWN & Co's

OFFICE PEN

40&41 OLD BROAD ST

LONDON



「OLD BROAD STREET/オールドブロードストリート」とはロンドン、シティに今もある通りの名前。イングランド銀行の裏手からリバプールストリート駅方面に、ロンドンウォールを突き抜けていく細い通りです。現在は40、41番地は既になく、このあたりかな、と思われる場所は、再開発された大きなビルが建っています。場所はロンドンウォールの内側、中心地よりにあり、かなり昔から金融街として栄えていた場所であろうと思います。


「W.BROWN & Co's」についての情報はほとんどありません。

ただ、1866年の「THE LONDON GAZETTE」(英国政府による公式な政府公報であり、日本国で言う官報)の10月号に名前をみつけることができました。オールドブロードストリート40番地に、本や文房具の取り扱い業者として掲載されています。おそらく、シティのビジネスマンの御用達であったのではないでしょうか。


果たしていつまでその場所で商売を続けられたのかは不明ですが、様子からして新しくても1900年代頃なのではないかと推測し、推定製造年代は1860-1900年代頃とさせていただきました。



ペン先は非常に綺麗で、ほとんど使っていないように見えます。私の方でも試し書きは遠慮させていただきました。

ただ、木軸はインクの染みや使い込んだ様子があります。ペン先のみ替えられるタイプではないので、ペン先が潰れたら木軸を残して金属部分はまるごと取り換える、というような使い方だったのかもしれません。

推測ではありますが、そのようなサービスを店頭で行っていたのではないでしょうか。



新しく付け替えたペン先と長く使い込んだ木軸をもつディップペン。

なにかの理由でその後使うことはなくなり、ずっとそのまま仕舞われていたであろう、古い古い筆記具。

かつてのシティのビジネスマンの仕事道具を、貴方の手の中でご鑑賞ください。




◆England

◆推定製造年代:c.1860-1900年代頃

◆素材:木、金属

◆サイズ:全長約16.5cm 軸最大直径約0.6cm

◆重量:3g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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by d+A


お気に入りのコーナーを仕立てる / Antique Folding Pierced Caved Corner Shelf

 英国アンティーク、折りたたみ式コーナーシェルフ。





















英国のマーケットで手に入れた小さなコーナーシェルフ。目を惹くのは、素朴ながらも存在感のあるピアスド・カーヴドが施されていること。



「ピアスド・カーヴ/Pierced Cave」とは、透かし彫りの事をいいます。それも、フラットな透かし彫りではなく、浮き彫りと組み合わされた立体的な透かし彫り。



使われている材は断定はできませんが、パイン系よりは緻密でオークよりは軽く、マホガニーやウォールナットほど杢目が詰んでいないため、可能性としてはメイプル(楓)かと思います。

オークほどの歴史はありませんが、メイプル材も英国アンティーク家具では使われており、キッチンシェルフやこぶりのチェストなどでみつけることができます。

そう考えながら見てみれば、背板の中央の透かし彫りは、メイプルの葉のようにも見えてきます。組み合わされた意匠はヨーロッパ伝統のモチーフ、アカンサスでしょう。左右対称の図柄は小さいながらも貫禄たっぷりに空間を彩ってくれます。


小さなコーナーシェルフはカウンターなどのコーナーはもちろん、壁に掛けてご使用いただくことも可能。模様替えなどで使わない時は、おりたたんで仕舞っておける便利な機能もございます。


ちょっと置けば、そこが貴方の特別な空間になる英国アンティークの小家具。文字通り「お気に入りのコーナー」を仕立ててみてはいかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:木

◆サイズ(正面から見た時):幅約19.3cm 高さ約28.2cm(+吊り金具約1.2cm)

◆重量:236g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、木の節による凹みや補修跡等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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by d+A