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Friday

遥かなるカメラへの追憶 / Antique Photo Frame as Film Plate Holder

 英国アンティーク、カメラのフィルムホルダーを利用したフォトフレーム。























大判カメラ用のフィルムホルダー、ご覧になったことがあるでしょうか。現代は樹脂製のものがメインのようですが、かつては贅沢な木材が使われていました。


今回はそのフィルムホルダーを利用したフォトフレームのご紹介です。


英国のアンティークマーケットで手に入れたホルダーはとても丁寧な造り。片側には①、反対側には②の表示がはめ込まれており、両面使うことができるダブルタイプだったことがわかります。フレームは額縁のような留つぎで、金物は鈍く金色に光る真鍮、美しい杢目はおそらくマホガニー材であると思われます。


端部の金物を少し押しながら引き出せば、写真をおさめたガラス面が現れます。木製のカバー部分がスライドしながら曲がるような構造であるため、少し曲げながら後ろに回せば、ちょうど写真立てとしてよい具合に自立いたします。



実はこの利用方法は、何年か前に、英国のアンティークフェアでこのようにして販売されていたものを見たのが始まり。

ディーラーのおじさまが「古いカメラのフィルムホルダーだよ!」といいながら、するりとカバーをスライドさせ、「写真立てになるよ」と、自慢げに見せてくれたのを覚えています。


もともとはガラスは入っておらず、カットされたフィルムをはめ込んで使用するものなのですが、そこにうまくガラスをはめ込み、写真立てとして利用できるよう工夫されていました。もう使用することがないフィルムホルダーの持ち主が、美しいホルダーをなんとか再利用したい、と思って知恵を絞ったのではないでしょうか。


それ以来、同構造のフィルムホルダーを手に入れた時には、自分でサイズを測りガラスを入れ、古い絵ハガキなどを入れて骨董市などでご紹介してきました。ウェブショップでご紹介するのは二回目となります。


操作状況を動画といたしました。よろしければご確認ください。










大切な写真をいれて、カバーをかぶせて仕舞っておき、たまに飾ってみる、なんていうこともよいかもしれません。

デスクトップに飾れば、その上品な質感と意匠でなんとも格調高い雰囲気を演出してくれることでしょう。


スマホやPCでデジタルな画像ばかりをみる日々ではありますが、こんな写真立てにはリアルな「写真」を入れたくなる・・・。


古いカメラへの追憶を形にしたような、英国アンティークです。




◆England
◆推定製造年代:c.1900年代
◆素材:木(おそらくマホガニー)・真鍮・他
◆サイズ外寸:幅約21.8cm 厚み約2cm 高さ約15.5cm(立てた時の幅約23cm 奥行き約13cm程度)
◆ガラス面見えがかりサイズ(中に入れられる写真の大きさ):16×11.5cm(スライドする度合いによって向かって右側が蓋に隠れます)
◆現在入れているポストカードのサイズ:14×9cm
◆重量:354g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*基本的に表裏はり同じ構造ですが、多少周囲の凹凸が異なります。きれいに見えるほう②面の側で設定してあります。
*現在古い英国のポストカードを入れてあります。このポストカードを入れたままお届けいたします。
*厚さ調整のためにボール紙を、背景として黒い紙を追加してあります。
*中を入れ替える時は、2か所ある止め金具を外せば、ぱかっと開きますので、ガラスエッジに注意しながら差し替えてください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。





Todd Lowrey Antiques
by d+A



お触れ役は何を叫ぶ/ Vintage Royal Doulton Figure "TOWN CRIER"

 ロイヤルドルトン社製、タウンクライヤーのフィギュア。















英国のアンティークフェアで手に入れた、高さ10cm強のフィギュア。伝統的な衣装に身を包み、ベルを振りながらなにやら叫んでいる様子がいきいきと表現されています。



底面には以下の文字が見られます。



Hand made and hand decorated

MADE IN ENGLAND


ROYAL DOULTON

HN3261

TOWN CRIER


DESIGNED BY

Peggy Dairts


1952 ROYAL DOULTON



タイトルの「TOWN CRIER/タウンクライヤー」とは、街頭で情報を伝達する役割を担う人のこと。ベルを鳴らして人々の注意を惹きつけ、公式の公告やニュースを読み上げます。日本語では「お触れ役」などと訳されます


古代ローマよりそのような役割の人がいたとされ、特に人々の識字率が低い時代においては大変重要な役回りでした。


現代においても伝統的な衣装に身を包んだクライヤーが現れることもあります。18世紀以来の伝統とされる手の込んだ衣装を身に付けていることが多く、赤と金色の上着、白系のブリーチズ、黒いブーツに三角帽子といった出で立ちが基本。


例えば英国では英国王室に王子が誕生した時に、まさにそのいで立ちのタウンクライヤーがバッキンガム宮殿の前で叫んでいた様子がニュースになっていました(公式かどうかは不明)。



フィギュア製作は1815年設立のRoyal Doulton/ロイヤルドルトン。


創業者はジョン・ドルトン/John Doultonのほか、マーサ・ジョーンズ/Martha Jonesとジョン・ワッツ/John Wattsの3人でしたが、1853年に社名は「Doulton」となります。


はじめはストーン・ウェアを生産する小さな工場でしたが、2代目のHenry Doulton/ヘンリー・ドルトンの代に蒸気機関を取り入れるなど積極的に事業を拡大、大成功をおさめます。


その後1882年にスタッフォードシャー、ストークオントレントのBurslem/バースレムを生産拠点と定め、ここが現在も続くロイヤル・ドルトンの本社となっています。またヘンリー・ドルトンは陶磁器業界で初となる「ナイト」の称号を与えられ、1901年にはエドワード7世から王室御用達の栄誉を受け、ここで「ロイヤル・ドルトン」と名乗ることを許されたのです。


ロイヤルドルトンの特徴は、滑らかな肌のボーン・チャイナと、意匠の芸術性。


実際に使われる食器はもちろん、装飾的でコレクタブルな食器、人形などのフィギュアも美しく完成度の高いものが多く、さすが世界的に有名な、英国を代表する陶磁器メーカーであるといえるでしょう。




そして、サインの主である「Peggy Davies。」

「Margaret Peggy Davies /マーガレット・ペギー・デイヴィス」はロイヤルドルトンのなかでも特に優れたフィギュアモデラーの一人とされます。彼女はロイヤル・ドルトンのバースレム工場のごく近くで生まれ、1939年からロイヤル・ドルトンでの職を得ます。第二次大戦中は看護婦として働くも、戦争が終わると自宅に工房を持ち、ロイヤルドルトンと契約します。1945年には最初のモデル「HN1976 Easter Day」が発売。可愛らしい女性のフィギュアでした。中世から現代までのあらゆる時代のフィギュアを製作、1999年で亡くなるまで多くの作品を遺しました。


マーガレット・ペギー・デイヴィスによるタウンクライヤーのオリジナルフィギュアは1952年に発売されたものでしたが、今回ご紹介するものはその復刻ミニチュア版。


オリジナルの大きさは不明ですが、おそらくそれなりに大きかったのでしょう。今まで人気があったフィギュアを、コレクターが集めやすく、飾りやすく、そしてお手頃価格にするためにミニチュア版として発売したのではないでしょうか。


ミニチュア版ということで、高さは約10cmあまり。こぶりではありますが、彼女によるデザイン、そしてロイヤルドルトンによる堂々たる造形は失われておりません。18世紀の雰囲気そのままに、ベルを振るクライヤーは、どんなニュースを伝えようとしているのでしょうか。


耳をすませば小さなクライヤーが叫ぶ "Hear ye!" "Oyez!"の声が聞こえてくるような、ロイヤルドルトンの佳品をお届けいたします。



◆England

◆推定製造年代:c.1989-1992年

◆素材:陶器

◆サイズ:高さ約10.7cm 

◆重量:91g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*底面に多少の汚れはございますが、ひびや欠けはなく、とてもよい状態です。

*箱は付属しません。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A


眼で見る以上のものを見る/ Antique Brass Microscope with Wood Box

 英国アンティーク、木箱入り顕微鏡。




















顕微鏡。


現代では電子顕微鏡を始め走査型プローブ顕微鏡、蛍光顕微鏡、超解像顕微鏡等々、一般人にはその原理を説明されてもさっぱりわからない素晴らしい機能のものが沢山ありますが、基本となる光学という考え方は、古代ギリシアで水を通したものの見え方を観察しだした頃から始まったといわれています。


顕微鏡の原型が出来たのは16世紀後半。オランダの眼鏡職人だったヤンセン親子が2枚のレンズを組み合わせて、物が大きく見えることを発見。複式顕微鏡の始まりです。その後の発展は前述のとおり。研究者たちの微細な物を観察することへの熱意には、ただ感服するばかりです。


そんな歴史を持つ顕微鏡ですが、今回ご紹介するのは侘びた木箱に納められた、比較的小型でシンプルなひとしなです。


顕微鏡本体の鏡筒部分は真鍮製で、鈍い光を放っています。アームやベース、脚部分は黒仕上げで、ネジやミラーの留め具が金色となっており、程よいアクセントとなっています。


研究者用というよりは、比較的簡易なものであるため、学生用か家庭用と思われます。それでも、植物や虫などの観察には十分役立ったでしょうし、操作もしやすく、十二分に役立ってきたことは想像に難くありません。


現代においてみれば、真鍮の輝きと侘びた木箱が風情溢れ、古い実験器具としての魅力をふんだんに感じさせてくれます。


好奇心を満足させてくれる基本的な実験器具。

眼で見る以上のものを見せてくれる英国アンティークを、ぜひ貴方のコレクションに加えてください。



◆England

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:真鍮、鉄、ガラス、他

◆箱サイズ:約20.6×10 高さ約7.5cm

◆顕微鏡サイズ:幅約6.2cm 奥行き約7.8cm 高さ約18.4~20.6cm程度

◆総重量:877g/顕微鏡本体のみ613g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*鏡には少し曇りがみられます。

*実際に覗いてみると、鏡を調整すれば視野は明るくなり、対象物をみることができます。

*古いものですので、微細な観察用にお求めいただくことはお勧めいたしません。

*プレパラートは付属しません。

*木箱には蓋部分にわずかにワレがございますが、それほど気になる状況でもないと思いますので、このままのご紹介とさせていただきます。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A