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Friday

リボンで束ねた葦が意味するもの / Antique Silver Handle Shoe Horn Birmingham 1910

 英国アンティーク、銀のハンドルをもつシューホーン(靴べら)。















こぶりながら美しいハンドルをもつ古いシューホーンを手に入れました。



ハンドル部分にはホールマークが刻印されており、バーミンガムの錨、ライオンパサント、一番右のデイトレターは矩形のシールドに小文字の「l」。これらは1910年バーミンガムのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。

一番左の「C & N」はメーカーズマークで、「Crisford & Norris」というシルバースミスのマークです。1896年バーミンガムにて創業、カードケースやシューホーン、ボタンフックやナプキンリングなどのシルバー小物を製造していました。活動は1978年までとなります。



実際に靴と足を添わせるヘラの部分はスチールにメッキで、付け根部分に「ENGLISH MAKE」「STEEL」の刻印が見えます。100年以上が経ってメッキの剥がれや小傷などがございますが、まだまだご使用いただくに十分かと思います。



英国の古い物でシューホーンはしばしばみかけるアイテムのひとつ。

多くは真鍮の物、そして一部はこのようにハンドル部分だけ銀(スターリングシルバー)で、ヘラ部分はスチールにメッキというものが多いようです。このようなフォルムですと全てシルバーで、というのは当時強度的に問題があったのかもしれません。


特徴はやはりハンドル部分の装飾。

くるりとエッジを廻った細い線を、数か所束ねるように紐が掛けられた意匠は「Ribbon & Reed /リボン&リード」と呼ばれるものです。

「Reed」は「葦」ですので、葦束をリボンで束ねたデザインとなります。リボン&リードはヨーロッパを中心に古くから見られる意匠で、家具の脚や金物など様々な物に使われてきました。

ヨーロッパにおいて葦はその弱さを人間性の一面とみる一方で、「葦が矢となる」ということわざがあるように、実際にその茎の特性から矢として使用されるなど、弱さと同時に強かな存在とされてきました。その葦を束ねることにより、より強さを象徴しているデザインなのではないかと思います。


全長は約18cm弱で、シューホーンとしてはやや小さめ。玄関のカウンターに置いたり、収納内部におさめたり、使い回ししやすいサイズ感だと思います。


ひんやりとしたハンドルを握りしめる度に、リボン&リードの意匠に込められた人々の想いが伝わってくるような英国アンティークの佳品。

貴方のおそばにいつまでも置いていただきたい一品です。



◆England

◆Birmingham

◆推定製造年代:c.1910年

◆素材:スターリングシルバー、スチール

◆サイズ:幅約3.2cm 長さ約17.8cm

◆重量:52g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、凹み、錆びや変色、へら部分には塗装の剥がれ等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

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by d+A


重なって護りあう入れ子の卵 / Antique Wooden Nesting Egg

 英国アンティーク、入れ子の卵。















木製の入れ子細工といえば、ロシアの人形マトリョーシカが有名ですが、世界には人形のフォルムでなくても、様々な形をした入れ子細工をみることができます。


今回ご紹介するのもそのうちのひとつ。


まず目に入るのは、少し大きめの鶏の卵のフォルム。材は目の詰まった明るめの木肌をもつボックスウッドです。中央からネジ式で開閉できるようになていて、開けるとやや小さめの卵が現れます。それを開けるとまた卵、それを開けるとまた卵・・・。全て開ければ最後は豆粒ほどの卵が出てきておしまい。計5個の卵となります。



手に入れたのは英国の大きなアンティークフェア、工具類を扱っている親父殿のストール。

ドライバーや定規などのハードなアイテムのなかに、木製の卵がポツンと置かれていました。思わず手に取ると、親父殿はちらりとこちらを見て、「開けてみて!」の手振りをしてくれました。ああ、そうかと開けだして、ひとつ、ふたつ・・・。まだあるの!と、思わず笑いながら開けている私たちを、親父殿はどこか嬉しそうに見ておりました。


この卵の機能性としたら、まさにそこ。開けて愉しむ。ただそれだけです。


もちろん、触って手に嬉しい艶やかなボックスウッドの手触り、開け終わったときの到達感。頑張って並べてみたときの達成感(卵なので置くとくるくる動いて安定しません)もおまけについて参ります。


親爺殿の言葉と、私の経験から、作られた年代はおそらく今世紀初め頃と思われます。


子供はもちろん、大人たちも愉しみと共に開け閉めしてきた木製の入れ子卵。

英語では「Nesting Egg」といいますが、まさに巣のなかに抱え込む様に、お互いを護るように、重なってきた卵たち。


どうぞ貴方も、手触りと共にお愉しみください。




◆England

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:木(ボックスウッド)

◆サイズ:一番大きい卵の高さ約6.3cm /一番小さい卵の高さ約1.7cm

◆総重量:43g

◆在庫数:1セットのみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色やヒビ、材の欠け等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*一部開閉が硬く、閉まりきらない卵がございます。

*卵は自立しません。立てて撮影したものは、塩を盛った上に卵を立てました。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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by d+A


亀に乗ったピクシーが時をご案内 / Antique Egg Timer with Pixie on Turtle

 英国アンティーク、砂時計。
















私たちが古くから使ってきた砂時計。


起源については古代エジプト、古代ギリシャ、ローマとも中国ともいわれていますが定かではありません。大航海時代に地球一周をしたマゼラン(1480-1521)が、18個の砂時計を船に積みナビゲーションに使用したとの記録があるとか。


そんな砂時計は、英語では様々な呼び方があります。


Hourglass

Sandglass

Sand Timer

Sand Clock


そして Egg Timer。



今回ご紹介する砂時計は、英国の小さなアンティークマーケットで、品の良いご高齢のマダムから買い付けたひとしな。

他にも木箱や紙箱を中心に色々とまとめて買ったのですが、値札がないため、最後は私たちもマダムも一体幾らか分からなくなってしまう・・・というマーケットあるあるが起こっておりました。


シンプルな木製で、表面には以下の言葉があります。


When oi be run

Yer egg be dun



「oi」は発音そのままのスペルで英国で稀に使われる表現で「I」のこと。

「Yer」は俗語もしくは方言で「You」のこと。

「egg be dun」の「dun」は「焦げ茶色の/(塩漬けすることによって)保存の準備をする」というような意味がありますので、ここではゆで卵にする、という意味と思ってよろしいかと思います。つまり、「私が走れば あなたの卵が茹で上がる」・・・というような意味かと推測いたします。


そのようなことから、この品時計は「Egg Timer/エッグタイマー」としてご紹介いたします。文言の下には妖精ピクシーが亀にのっているイラストがみられ、懸命に走っている(?)様を連想させてくれます。




このエッグタイマーの時間は約3分15秒。


木に取り付けられたガラス部分をひっくり返せば、カウントダウンの始まりです。

よろしければ動画で操作状況をご確認ください。





ちなみに沸騰したお湯に入れるところからカウントした場合、3分から4分でとろとろ半熟卵ができます。水からゆでる場合は異なりますし、大きさや火力によって異なりますので目安としてください。


英国で定番の、エッグスタンドに立てて上部をナイフでカットし、トーストをつけて頂く卵はトロトロでなくてはいけませんので、それを作るのにちょうど良い砂時計といえるでしょう。



貴方のキッチンのお供に。

もちろん、デスクトップに置いてぼんやり砂が落ちる様子を眺めてみるのもよろしいかと思います。


いずれにしても、亀に乗ったピクシーがお供させていただきます。



◆England

◆推定製造年代:c.1930-1950年代頃

◆素材:木、ガラス、砂

◆サイズ:幅約8.7cm 奥行き約4.9cm 高さ約10cm

◆重量:73g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*砂時計のガラス部分は取り外しが可能です。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


ロンドンの出版業の中心地から来た大聖堂 / Antique Engraving with Frame

 額装された英国アンティーク版画。














英国のアンティークフェアで手に入れた、フレーミングされた版画。



二つの美しい尖塔をもつ建造物が、繊細に表現されています。

タイトルは「N.E.View of Chichester Cathedral」。


「Chichester Cathedral/チチェスター大聖堂」とは、ブリテン島の南岸の町、チチェスターにある大聖堂のこと。1015年に建立された歴史ある大聖堂で、19世紀にはターナーの絵に描かれたことでも知られている美しい姿が特徴です。これはその大聖堂の「N.E.View=北東側」の外観となります。



さて、版画の由来を調べてみましょう。

画の下にはタイトル以外に以下の文字がみられます。


Drawn & Eng.d by J.Storer

Published May.1.1814 by Sherwood Neely & Jones Paternoster Row.



まず、発行は当時ロンドン「Paternoster Row/パターノスター・ロウ」にあった「Sherwood Neely & Jones」。

パターノスター・ロウ=パターノスター通りは現存していませんが、第二次大戦前までロンドン中心部、セントポール寺院の傍にありました。ロンドン出版業の中心地であり、通りの名前は本の取引と同義語とされたほどだったといいます。第二次大戦で荒廃し、通りは現在その辺りにあるパターノスタースクエアに置き換えられました。



そして「J.Storer」とは「James Sargant Storer/ジェームズ・サーガント・ストーラー(1771~1853) 」のこと。英国の製図工および版画の彫刻師であり、地形や古代建築に関する作品を制作してきた人物です。彼の作品のひとつ、1814年発刊の"History and Antiquities of the Cathedral Churches of Great Britain"のなかの1頁が今回ご紹介する「N.E.View of Chichester Cathedral」となります。


おそらく後年、本が傷んでしまったなどの理由でページをばらして、フレーミングしたのではないかと思われます。


時代はジョージアン、ロンドンの出版業の中心地。

そこから生まれた本の1頁を、1000年を超える歴史をもつ大聖堂の姿と共に貴方の書斎に飾ってみる。


深い思索のお供に、またとない壁面装飾となると思うのですが、いかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代(プリント):c.1814年

◆素材:紙、ガラス、他

◆サイズ(外寸):幅約18.3cm 高さ約23.3cm 厚み(吊り金具以外)約1.5cm

◆重量:318g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や傷み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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