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Friday

滑らかな手触りは時と技の結晶 / Antique Brass & Boxwood Caliper by J.Rabone & Sons Birmingham England

 英国アンティーク、真鍮とボックスウッドのノギス。


















英国のアンティークセンターで見つけた、天然木と真鍮のコンビネーションが秀逸なノギスをご紹介します。


ノギスとは、対象物を外側から挟んだり、内側に当てるなどして、厚さや径などを測る測定器具の日本での呼称で、英語では、Vernier Caliper/バーニアキャリパー 、もしくは、単に Caliper/キャリパー と呼ばれています。


「ノギス」という言い方は、「ノニウス(単に厚さを測るだけだった道具に目盛をつけて機能を進化させたポルトガルの数学者ペドロ・ヌネスのラテン語表記 Petrus Nonius/ペトルス・ノニウス)」 が転訛して、日本では「ノギス」と呼ばれるようになったといわれています。


そして、ノニウスの測定器具に、フランスの数学者 Pierre Vernier/ピエール・ヴェルニエ(バーニア)が、副尺を考案してさらに精度を高めたものを発明したことから、英語表記ではこの種の測定器具を、Vernier Scale/バーニアスケール、あるいは Vernier Caliper/バーニアキャリパー と呼ぶようになりました。

同種の測定器具には、ダイヤルキャリパー/Dial Caliper、デジタルキャリパー/Digital Caliper、あるいは マイクロメーター/Micrometer Caliper/Spinning Caliper など多くの種類があって、それぞれの特徴ごとに幅広い表現となっています。

また、単に キャリパー/Caliper となると、外パス/Outside Caliper、内パス/Inside Caliper、片パス/Hermaphrodite Caliper、さらにディバイダ―/Divider Caliper など、日本の「ノギス」の範疇に含まれないものもあります。



今回のノギスは、木製の直定規にノギスの機能が付加されたもので、ノギスの機能は主に対象物の外側のみを測ることができる単純なものとなっています。



注目すべきは、その製作精度と品質。木製の定規に合わせて真鍮製のスライド定規やエンドキャップが組み合わされているのですが、それらはどこまでも繊細で、長年経っても殆ど狂いはなく、指の腹で触ってみても天然木と金属パーツのコンビネーションとは思えぬほど、寸分の狂いやズレもなくフラットに仕上がっております。

その天然木は、ボックスウッド/Boxwood と呼ばれるツゲの仲間で、緻密な杢目と安定性から、伸縮しにくく折れにくい材料として、古くからチェスの駒や定規類によく使われています。

真鍮の定規がボックスウッドに彫られた溝の中を移動するのですが、何度動かしてもその動きに変化はなく、少しきつめに動く様は信頼性の証しといえます。また、真鍮部分に凸部があり、そこに指を引っ掛けて動かすのですが、その凸部はかなりすり減って平らになっており、さぞ長い間使われてきたことを伺わせます。


インチの目盛りなどは定規の両面に表示されており、オモテ面は1インチ及び1/8インチ、ウラ面は1/8インチ及び1/16毎に目盛りが刻まれており、真鍮定規にはさらに細かい1/32インチの目盛りが刻まれています。



側面には「J Rabone & Sons  MAKERS」の文字、そしてモデルナンバーを示す「№1460」の文字が確認できます。


「J Rabone & Sons」とは、イングランドの老舗ツール・メーカー。歴史は古く、1784年に Michael Rabone が定規などのツールの製造会社をバーミンガムで設立したのが始まりとされています。以来、定規の他、巻き尺や水平器、温度計などを製造し、他社へも製品を供給していました。

19世紀には多くのパテントを取得、イングランドでも屈指のメーカーとなっていきます。

このころの屋号は「John Rabone & Sons」。1943年に法人化しますが、1963年に Rabone社はシェフィールドの James Chesterman and Co と合併し、その後の表記は「Rabone Chesterman」となります。その後1990年にアメリカのツール・定規メーカー「Stanley/スタンレー」に買収されますが、一部の事業はまだ続いているとの情報もあり明確な現状はわかりませんでした。


長い年月を経て使い込まれ、細かい傷や多少の汚れなどがみられますが、反りもなく、まだまだ現役としてご使用いただけるとても良いお品物と思います。


あらゆる面で現代では成しえない、英国のクラフトマンシップが凝縮された伝統ツール。

是非お手元で、その品質をお確かめください。




◆England

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:真鍮・木

◆サイズ:約11.4×2.7cm 厚み約0.4cm

◆在庫数:1点のみ

◆重量:30g




【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。

*引っかける凸部がほぼ平らなため、スライドさせるには両手で操作したほうが良いと思います。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A


キャンドルの為の小さな家具 / Antique Brass Candle Reflector, Miniature Table

 英国アンティーク ミニチュアテーブルのキャンドルリフレクター。












英国のアンティーク市場で時折みかける小さなテーブル状の物。材は大抵が真鍮で、まれにシルバーの高級品もあります。


1本の支柱で天板を支え、天板が倒れて収納に便利な「Tilt Top Table」は英国アンティーク家具の定番のひとつ。本物の家具でそのようなものがあるので、てっきりそのミニチュア版かと思っていました。


ミニチュア家具は大好物。先般の買い付けでも何点かのミニチュアテーブルを手に入れたのですが、その際にディーラーから「これはキャンドル・リフレクター・・・まあミニチュアテーブルでもあるけど」との言葉が。それでやっと、本来の目的を知ることが出来ました。


キャンドルリフレクターとは、キャンドルの火の後ろにおいて、光を反射させるもののこと。弱いキャンドルの明かりを、少しでも強くするためのもののことです。



今まで不思議に思っていた、多くのミニチュアテーブルが、本来のテーブルの姿のように、天板を水平にしたときにきちんと水平にはならないこと。(なるものあります)

天板を立てて置いてる時の方が、おさまりがいいような気がすること。その理由は、天板を立てて置いている時の機能のほうが優先だったから。


でも、だからといって、単に天板を立てた状態で固定された物でいいじゃないか、とならないのが嬉しいところ。本物の家具の「Tilt Top Table」になぞらえ、天板を水平にすれば小さなテーブルになる、可愛いじゃないか、キャンドルを使わない時は飾っておけばいいしね・・・・。そんなノリのアイテムなような気がします。



今回ご紹介するキャンドルリフレクター=ミニチュアテーブルは、オーバル(楕円)天板をもつ小さな物。トリポッド(三本足)に支えられ、凝ったデザインの挽物風の支柱に支えられています。

天板は水平にするとわずかに水平ではございませんが、一見して明らかに傾いている、というほどでもなく、十分ミニチュアテーブルとしてご鑑賞いただける範囲かと思います。



小さなオーバルテーブルを模したキャンドルリフレクター。本来の用途のように、その前でキャンドルを灯してみるのもよし。もちろんミニチュアテーブルとして愛でてみるものよし。


鈍い金色をしたアンティークアイテムは、英国のかつての習慣を思いがけず身近なものに感じさせてくれることでしょう。



◆England

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:真鍮

◆サイズ:天板楕円約5.2×8.5cm 高さ(天板を水平にしたとき)約8.4cm/高さ(天板を直立にしたとき)約12.2cm

◆重量:92g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、天板エッジには凹みがみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*きちんと自立しますが、天板はわずかに水平ではございません。

*天板は立てた状態でも安定しています。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


旅程の句読点/ Antique Brass Door Knocker Man with a Bindle

 英国アンティーク、真鍮製ドアノッカー。
















帽子を被り、荷物を背負って歩くひょろりとした男。


肩に掛けた棒の先に荷物を引っ掛けて背負っており、旅人か放浪者、もしくは行商人といったところでしょうか。それほど身なりは悪くないし、行商人だともっと荷物が多そうなので、旅人かな、とも思います。


旅人が家を訪れて、ドアノッカーを鳴らす。そんなシーンを思い浮かべれば、ドアノッカーのモチーフが旅人であるのも自然なような気がします。



どこからか訪れる旅人へ。

そしてまたどこかに旅立つ人たちへ。


彼らの旅程に句読点を打つように、トントン、と鳴るドアノッカーの音が聴こえてくるようです。


機能性、モチーフ、そして音。全てがどこか懐かしい、英国アンティークのドアノッカーはいかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:真鍮

◆サイズ:高さ約10.8cm 幅約7cm 厚み約2.5cm

◆在庫数:1点のみ

◆重量:122g



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


永遠の追跡劇 / Antique Pincushion Case Cat Chasing Mouse around a Shoe

 英国アンティーク、靴型のピンクッション入れ。

















英国のアンティークマーケットで手に入れた、小さな靴。


ややハイカットのウィングチップの踵あたりには猫が沿うように身を潜めており、少し先にいる鼠へ狙いを定めております。


恐らくもともとはピンクッション(針差し)に使われていたものと思われます。靴の中にはそこそこの空間がありますので、そこに綿等を詰めて、上を端切れで覆ってぎゅっと端部を入れ込めば、ピンクッションの出来上がりとなります。



針仕事をなさらない方には、ペン立てやハンコ入れにもよろしいかもしれません。一般的な長さ約14.5cmのボールペンを立ててみましたのでご参考になさってください。重さは158gとずっしりとしておりますので、安定感もございます。



猫と鼠、永遠の追跡劇を切り取ったワンシーンを、貴方のデスクトップでお楽しみ下さい。




◆England

◆推定製造年代:c.1900年代頃

◆素材:金属

◆サイズ:約10.5×5cm 高さ約4.5cm

◆在庫数:1点のみ

◆重量:158g



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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by d+A