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Saturday

神の御心こそ我が財産 / Antique Wooden Plate by J.Oldfield "GOD PROVIDENCE HOUSE" Chester

 英国アンティーク、木彫プレート。














英国のアンティークマーケットで手に入れた木彫プレート。


素朴な風合いをもつ薄い板ながらも、建造物が立体的に表現されており、味わい深い仕上がりとなっています。


背面には変色した紙に魅力的なフォントで説明書きがありましたので、簡単ではございますがご説明させていただきます。



GOD PROVIDENCE HOUSE


This building is in Watergate Street, and was

originally erected in 1652. The  front as appears is a

modern restration. but the work was carried out in exact

conformity with the old design. It is generelly supposed

the inscription: "God's Providence is mine inheritance"

whitch gives the house its name was added after the

plague whitch ravaged the city in the seventeenth

century, and it is said that this house was the only

dwelling in Chester. whitch the plague passed over.

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Polish with Beeswax and Turpentine only.

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Carved by J. OLDFIELD

St.WERBURGH. MOUNT, CHESTER





神の摂理の家(神の御心の家)


この建物はウォーターゲートストリートにあり、オリジナルは1652年に建てられました。

正面は近年修復したものですが、古いデザインを的確に継承したものです。17世紀、町が荒廃した後に残った唯一の住居であったことから銘文「神の御心(摂理)こそ我が財産」が刻まれたと考えられています。

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ビーズワックスとテレピン油のみで仕上げられています。

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「J. OLDFIELD」による彫刻。

チェスター St.WERBURGH. MOUNT




イングランドの古都チェスターでは、1647年から1648年にかけて市内で 2,000人が死亡したペストの大流行がありました。

この家はその難を免れた唯一の家であったとされています。

ただ、建てられたのは1652年ですので、敷地内にあった前の建物の所有者が疫病を免れたということか、その建物の一部を使用したとした説などが考えられています。


彫刻したとされる「J. OLDFIELD」は詳細は不明ですが、ヴィクトリア時代の画家で「John Edwin Oldfield(c.1825-1854)」という人物がいますので、ひょっとしてその画家の作もしれません。


参考:ブリティッシュミュージアム John Edwin Oldfieldの頁

https://www.britishmuseum.org/collection/term/BIOG40582




最後の「St.WERBURGH. MOUNT」とは、1873-1874年頃にチェスターの15-27 St Werburgh Streetに建てられたショッピング施設の名称。

大聖堂に面し、ハーフティンバーで作られた5つの建物がつながった構造で、かつては二階は突き出た回廊があり、特徴的な外観を持っています。現在でも多くのショップが入って営業しており、指定グレードII指定建造物として英国国家遺産リストに記録されています。



つまり、この木彫パネルは「GOD PROVIDENCE HOUSE」の記念品として、「St.WERBURGH. MOUNT」で販売されていたもの、という事かと思います。

正確な製造年が記されているわけではありませんが、由来や説明書きの雰囲気から19世紀後半、1880年から1900年頃のものと推測いたします。

「J. OLDFIELD」が「John Edwin Oldfield」とすると、1854年頃に亡くなっていますが、画家が1点づつ木彫していたとも思えませんので、彼の作品をもとに誰かが製作していたのかな、と思います。


ちなみに「GOD PROVIDENCE HOUSE」も、チェスター中心部「9 Watergate Street and 11-11A Watergate Row」に現存し、グレードII指定建造物として英国の国家遺産リストに記録されています。


背面上部には買い付け当時から細い釘が2本打ってあります。私の方でそこに焦げ茶色の蝋引き紐を掛け、簡単に吊るせるようにいたしました。釘は曲がっており、それほど強固なものではないのですが、板の重さは64gと軽いため、今のところ掛けることが出来ます。このままご使用になる場合は、お手数ですがご自身でご確認の上、吊り下げてください。



かつてヨーロッパを恐怖に陥れたペストの流行。

その歴史を刻んだ、古都チェスターの美しい建物を古びた木彫刻で鑑賞するのはいかがでしょう。


油彩や版画とはまたひと味違う、味わい深いアート作品をご堪能ください。



◆England

◆推定製造年代:c.1880-1900年代頃

◆素材:木、金属

◆サイズ:幅約9.8cm 高さ約22.2cm 厚み約0.5cm

◆在庫数:1点のみ

◆重量:64g



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、釘の錆び等みられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A