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Thursday

南イタリアで生まれた仕掛け箱/ Antique Sorrento Ware Puzzle Box

 イタリアアンティーク、ソレントウェアのパズルボックス。





















南イタリアの古い町、ソレント。


対岸にヴェスヴィオ山とナポリを臨む半島に位置する海沿いにあり、古くからリゾート地として有名な町。そして、手刺繍や陶芸、カメオなど様々な伝統工芸品でも有名な町でもあります。


その中のひとつに、木工芸があります。様々な木をはめ込む象嵌細工(嵌め木細工)を駆使した木製品は「ソレント・ウェア/Sorrento Ware」とよばれ、ソレントの名産品として15世紀頃から現代まで多くの製品を生み出してきました。


お土産物として発達した理由のひとつとして「グランド・ツアー」があげられます。それは17世紀半ばから19世紀にかけて、主として英国の裕福な貴族や上流階級の子弟が、教育の仕上げとして行ったヨーロッパ大陸の周遊旅行のこと。一般的なルートは英国(ロンドン)を出発し、ドーバー海峡を渡ってフランス、スイス、イタリアへと南下するものでした。パリで社交術を体験し、アルプスで自然の雄大さに触れ、イタリアで歴史と芸術に触れる。旅の終盤にお土産物としてイタリアの特産品を手に入れることは、とてもこのまれたことだったのに違いありません。



今回ご紹介するのは、そのグランド・ツアーで好まれたであろうお土産物の代表格、ソレント・ウェアの「パズルボックス=仕掛け箱」となります。



本を並べて重ねたようなデザインで、材は構造体がパイン、仕上げ材はメインがオリーブ。蓋部分には二人の女性が象嵌細工によって表現されています。


このような箱の定番モチーフは花や鳥、神話の登場人物、そしてイタリアの市井の人々が好まれましたので、今回の箱のモチーフは「イタリアの働く女性たち」・・・といったところかと思います。正面の本の背もたれには「Sorrento」「Souvenir」の文字をみることができます。このタイプは様々な大きさがありますが、今回ご紹介する箱はやや大きめで、重量約1kg弱と、堂々とした佇まいを持しております。



また、初めに申し上げておきますが、鍵は一応付属しているものの、鍵箱の内部のバネが弱く、一度施錠しても、外れる方向に箱を強く振ると、解錠してしまいます。そっと置いておくぶんには施錠出来ますので、古い品物の特性としてどうか了承ください。





それでは施錠されていた場合の、鍵穴の見つけ方をご説明いたしましょう。



①正面下部の本の背表紙を向かって向かって左に少しスライドさせます。

②向かって右下の、本の小口部分を手前にスライドさせ、すべて外します。(この奥も隠しスペースとしてお使いいただけます)

③正面下部の本の背表紙を向かって右にぐっとスライドさせます。

④正面中心部の「Ⅴ」背表紙が下に落ちます。

⑤鍵穴が出現します。



日本人の私たちから見れば「箱根の寄木細工の仕掛け箱(からくり箱・秘密箱)」をみているような気持になります。箱根の仕掛け箱が作られだしたのが1894年とされていますので、ソレントウェアとはかかわりがないと思いますが、同じく木製小物を生業としていた町として、似たようなものを作りだした・・・ということかもしれません。



内部のスペースは古い生地が貼られており、少々傷みはございますが、味わいの範疇かと思いますので、このままのご紹介とさせていただきます。作られた時代は古く、19世紀後半ヴィクトリア時代と推測いたします。



鍵を開けたまま小箱としてお使いいただく場合でも、下部の隠しスペースがございますので、ちょっとした秘密を入れておくことが可能。想い出の手紙や写真などを潜ませておくのはいかがでしょうか。



表情豊かなオリーブウッドの杢目と、凝ったデザインをもつソレントウェアのパズルボックス。

どんな人がグランドツアーのお土産物として持ち帰った来たのだろう・・・と想像を膨らませながら、艶やかな手触りをお愉しみいただければ幸いです。



◆Italy

◆推定製造年代:c.1880-1900年代頃

◆素材:木、布

◆サイズ:幅約23cm 奥行約12.8cm 高さ約11.2cm 

◆サイズ(内寸):20.3×9.4cm 深さ約4.6cm

◆重量:981g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、補修跡、材の欠け、反り、生地の傷みなどがみられます。

*説明文にもございますが、鍵は施錠しても解錠してしまうことがあります。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A


王の金貨を量る/ Antique Brass Rocker Sovereign Scale with Case

 英国アンティーク、箱入りソブリン・スケール。

















ソブリン金貨。



英国において1816年の貨幣法により新しい本位金貨が制定され、(新しい)ソブリンとして1817年から鋳造されました。鋳造開始は1817年。ちなみにハーフソブリンも同じ時期に発行され始めました。もともとのソブリン金貨は1489年ヘンリー7世の時代に発行された約24カラットの金貨(1604年を最後に鋳造打ち切り)であるため、一般的に1817年からのソブリン金貨は(new/新しい)をつけて呼ぶことが多いです。



この(新しい)ソブリン金貨が日常の国内流通通貨として使われたのは1917年まで。第一次世界大戦の勃発により英国は金本位制を停止し、(新しい)ソブリン金貨は流通貨幣としての役割を終えました。ただ、その後もプルーフコイン(収集用の硬貨)として発行されており、例えば1989年に発行された「ソブリン金貨500年記念金貨」などがあります。



ちなみに「Sovereign/ソブリン」の名前の由来は「Sovereign」に「主権者、元首、君主、国王」の意味があるから。言葉自体の起源は古フランス語で「人の上に立つ者」とされています。初めのソブリン金貨の発行を命じたのがハンリー7世であり、金貨には彼の肖像が刻まれたことからそう呼ばれるようになりました。



1489年ヘンリー7世の時代に発行されたもともとのソブリン金貨は純度が高く貴重すぎるため、実用というよりは報奨金や贈り物として使われていました。一方で、1817年以降の(新しい)ソブリン金貨は、その均一性=1ポンド(£1)相当の金、すなわち7.322グラムの22カラット金が正確に使われており、金貨自体の重量は正確に7.98805グラムで、7.9379グラムを下回らない限り、英国の法律で法定通貨とみなされました。また額面は記載されておらず「Sovereign」と記されている金貨は1ソブリン、と当たり前にみなされるほど徹底され認知されていました。


重量、純度、価値の一貫性により、ソブリン金貨は世界貿易や国際決済において最も好まれる金貨の一つへと急速に発展。大英帝国の発展とともに世界中に広がり、世界貿易に影響を与える主要な公式通貨の一つとしての地位を確立したのです。






前段が長くなりました。


今回ご紹介するのは、そのソブリン金貨を量るための、小さなスケール(秤)です。


お品物をみてみましょう。オリジナルの紙箱を開ければ、真鍮でできた小さなスケールが現れます。丸いスロットは2つ、大きいほうがソブリン金貨用、小さいほうがハーフソブリン金貨用。

重りの部分にはクラウンの刻印と「BUSH'D」「HARRISON」の文字がみられます。ベース部分には「BIRM M(最後のMは小さい文字)」。これはおそらくバーミンガムの「HARRISON/ハリソン」社(もしくは工房)が作った、という意味かと思います。ハリソン社の詳細と「BUSH'D」の意味はわかりませんでした。





実は当店では以前「Guinea/ギニー」「Half Guinea/ハーフギニー」「7 Shillings piece/7シリング」「Sovereign/ソブリン」「Half Sovereign/ハーフソブリン」を量るためのスケールをご紹介したことがありました。それはそれらが混在していた1817-1853年くらいの品物でした。



今回のお品物は、ソブリンとハーフソブリンのみを測るスケールです。作られた年代は、ソブリン金貨が作られた1817年から貨幣として役割を終えるまで、1917年までと推測いたします。とはいっても100年間と長く、おそらくギニーを量る必要性が少なくなった19世紀中期~後期、ミッドヴィクトリアンから世紀の変わり目あたりまで、と考えてよいと思います。





7.98805グラムのソブリン金貨が手元にもしあれば実際に量ってみたいところですが、とても手に入れられないので、手持ちの英国硬貨と日本の硬貨をすべて乗せてみましたが、あいにくひとつも嵌まり、なおかつバランスがとれることはありませんでした。(それはそうですよね)


しいて言えば、英国の2ペンス硬貨を1ソブリンの場所に引っかけるように、やや外側に置く(2ペンスのほうが大きいのでスロットには入りません)と、なんとかバランスをとることができました。2ペンス硬貨の正式な重量は7.12g。7.98805gのソブリンより少し軽いので、そのような置き方でバランスが取れたと思われます。なお、大きさはソブリン金貨のスロットには日本の5円玉がわずかに小さくも嵌めることができました。ソブリン金貨は、日本の5円玉くらいの大きさ、と言ってよいかと思います。





世界に価値を認められた硬貨であれば、偽造は避けられないことであったことでしょう。それ故に、商売人たちは信頼のおける小さなスケールを携帯し、本物かどうかを見極めていた。取引におけるひとつの大切な儀式であった、ということかと思います。




19世紀、大英帝国の発展とともに世界に普及したソブリン金貨。その確かな足跡を伝える小さなスケールが、今ここに在ります。



計測機器好きな方はもちろん、英国の歴史好きの方にもぜひおすすめな、英国アンティークの逸品です。



◆England

◆推定製造年代:c.19世紀中期~後期

◆素材:真鍮(箱は紙)

◆箱サイズ:幅約10.1cm 奥行約2.7cm 厚み約2.1cm

◆本体サイズ:幅約9.7cm 奥行約2.2cm 厚み約1.7cm

◆箱含む総重量:58g

◆本体重量:45g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色等がみられます。

*箱には傷みがみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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by d+A


北欧の大地を感じる銀の杖 / Antique Silver Crook Handle Walking Stick

 スウェーデンアンティーク、銀の持ち手のウォーキングステッキ。


















英国のアンティークマーケットで手に入れた、持ち手がシルバーのウォーキングステッキ。


がっしりどっしりとした印象を持ちつつも、持ち手の端部のデザイン的なあしらいがどこかお洒落な印象で、ひとめみて、英国のものではないだろうな、と思いました。調べてみれば、刻印から、スウェーデンのものであることがわかりました。



まずはシルバーの刻印。「S」の文字と、3つのモチーフが組みあわされた刻印が押されています。スウェーデンにおいては銀品位800以上で「六角形の枠にS」の刻印が、1901年からは「3つの王冠」のホールマークが使用されています。スウェーデンではシルバー925もありますが、一般的なのはシルバー830。刻印が少々乱れてはおりますが、一番右側の文字は「830S」かと思われます。


時代としては20世紀初頭、「3つの王冠」が使われだした1901年から、せいぜい1930年代頃までのものと推測いたします。



シルバーの持ち手には根元に使い部分と先端部分に繊細なカーヴィングが施されており、品の良いポイントとなっています。モチーフは花と細線で、時を経たシルバーに趣ある陰影を添えているようです。



木製のシャフトは黒く塗られており、材質は不明。力をかけてもほとんどしなりませんので、かなり硬い木なのではないかと思います。シャフトと持ち手、石突の組み合わせはしっかりとしており、今のところは緩みもございません。スウェーデンはヨーロッパではポーランド、ロシア、カザフスタンに次ぐ銀生産国となっており、昔から多くの銀製品を生み出してきた歴史があります。



雄大な自然を背景に秀逸な感覚で生み出されてきたシルバーウェア。その歴史の一端を確かに感じる武骨で美しい1本を、これからの貴方の相棒としてお傍に置いてみてはいかがでしょうか。



◆スウェーデン

◆推定製造年代:c.1901-1930年代

◆素材:シルバー830 、木、金属

◆サイズ:全長約89cm 持ち手幅約13cm

◆重量:535g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、凹みや変色がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*とてもしっかりしています。体重をかけてもほとんどしなりません。

*しっかりと大きく、全体重量535gと、ステッキとしては重いです。

*実際にご使用の際には、滑り止めの為のゴムキャップをつけることをお勧めいたします。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。






アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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