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Friday

一滴を量る / Antique Minim Glass Measure in Case

 英国アンティーク、レザーケース入りグラスメジャー。
















英国のアンティークマーケットで手に入れた、小さな小さなグラスメジャー。

レザー仕上げの円筒ケースに入れられており、レザーケースには「MINIM MEASURE」の文字が刻まれています。



「MINIM/ミニム」とは「微小なもの」の意味ですが、液量の最小単位でもあります。1ミニムとは=1/60ドラム(dram)。体積の1ドラムは液体の計量に用いられ、液量オンスの8分の1と定義されており、英国では1ドラムは「3.551 632 812 5ミリリットル」となります。つまり1ミニムとは0.0583...(以下略)ミリリットルほど、ということになります。



また、高さ僅か5cmほどのグラスメジャーには、目盛りの数字と「DROPS/ドロップス」の文字が刻まれています。

ドロップとは体積のおおよその単位であり、スポイト等から 1滴として分配される量を指します。表面張力もありますので、すべての液体が同じ量とは限らないのですが、大体1ドロップは0.05ミリリットルくらい。先ほどの1ミニム(約0.0583ml)と微妙な誤差がありますが、この容器で測る以上、誤差範囲なのではないかと思われ、ほぼミニムとドロップは同義で使われていたのではないかと思います。


製造されたのは恐らくヴィクトリア後期からエドワーディアンの頃、1900年代頃と推測いたします。




使われていたのは主として調剤薬局。ヴィクトリア時代の薬局のイメージは現在のものとはかなり異なります。もちろん私も見たことはないのですけども・・・ある資料の様子からお伝えいたしましょう。


まずは大きなカウンターがあり、カウンター奥の大きな棚には数多くの硝子瓶が整然と並んでいます。カウンターには秤、ビーカー、鉢とスリコギなどがあり、カウンター前には客が待つための椅子などが設えられています。この時代の薬局は、現代の薬局とは全く異なる機能をもっていました。客に渡す薬は、医師の処方箋をみながら薬剤師によって全て「その場で」調合され、液体は個別の小さなガラス瓶に、粉末はその場で紙包されて渡されていたのです。

英国アンティークの定番の一つ、ガラス瓶はこんな時に使用されていたので、数多く見ることが出来ます。そしてその時必要な「液体を量るグラスビーカー」として、今回ご紹介するようなグラスメジャーは必需品だったと思われます。

小さいとはいえ、レザーケースに仕舞われた手彫りのグラスメジャーは、それなりの高級品だったのではないでしょうか。



わずかな一滴を量るための、小さな小さなグラスメジャー。

由来を知るほどに、かかわってきた人々の真摯な想いが伝わってくるようです。


貴方のコレクションにいかがでしょうか。




◆England

◆推定製造年代:c.1900年代頃

◆素材:ガラス、レザー、他

◆ケースサイズ:直径約2.8cm 高さ約5.6cm

◆本体サイズ:直径約1.8cm 高さ約5cm

◆在庫数:1点のみ

◆ケース込総重量:19g



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、擦れや変色等がみられます。

*メジャーカップにヒビやワレはみられません。

*ケースには特に金具はついていませんが、摩擦でしっかりと閉まります。

*(とはいえ逆さにして思い切り振れば開いてしまうかもしれませんが)

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A