英国ヴィンテージ、ジェレミー・フィッシャーのフィギュア。
睡蓮の葉の上に胡坐をかいたカエルさん。
釣りの支度をして、サンドイッチを食べるのは、「Beatrix Potter/ビアトリクス・ポター」による「The Tale of Mr. Jeremy Fisher/ジェレミー・フィッシャーどんのおはなし」の主人公です。
1902年「The Tale of Peter Rabbit/ピーターラビットのおはなし」を発表して評判となった以降、次々と動物のおはなしを発表してきたビアトリクス・ポター。この「ジェレミー・フィッシャーどんのおはなし」も1906年以降ずっと読み継がれてきたおはなしとなっています。
おはなしは少し長いので、一部分をご紹介いたします。
・・・ある雨が降る日、夕食のメインディッシュとしてを釣りに行く事を思いたったジェレミー。そして5匹以上釣れたら友人のカメハメハ・カメ議長(カメでサラダ菜しか食べない)とアイザック・ニュートン卿(イモリ)を呼ぶ事にします。
雨合羽と長靴を身に着け、釣竿と魚篭を持って睡蓮の葉のボートを池に漕ぎ出しましたが、1時間経っても魚は釣れません。退屈してきたジェレミーは草の生えている所で雨宿りをしながら弁当のサンドイッチを食べました・・・。
このフィギュアはまさにそのシーンを再現しています。
底面には以下の文字がみられます。
ROYAL ALBERT
ENGLAND
Jeremy Fisher
Beatrix Potter
E.WARNE & CO.1950
1989 ROYAL ALBERT LTD
1989年、ロイヤルアルバートによる作品、ということですが、実は同型のジェレミー・フィッシャーのフィギュアは、1950年頃からの「BESWICK/ベズウィック」のものがオリジナルのようです。少し絵付けの状態が異なり、初期のものは足の模様がストライプではなくドットとなっているなど多少の違いが見られます。また「E.WARNE & CO.」とはビアトリクス・ポターを作品を出版していた出版社なので、版権元を表記していると思います。そしてこのジェレミーのもともとのデザインは20世紀を代表する動物フィギュア作家「Arthur Gredington/アーサー・グレディントン(1903-1971)」によるもの。
彼は王立美術大学で学んだ後、1939年にベズウィックに初代専属モデラーとして着任しました。ジェレミー・フィッシャーのフィギュアは、初期のビアトリクス・ポター人形シリーズの一部として製作されました。
そして1969年からはベズウィックはロイヤルドルトンの傘下となりましたので、このジェレミーフィギュアは同型でロイヤルドルトンのものも存在します。
ちなみにロイヤル・アルバートは1869年創業、1904年に「ロイヤル」の称号を得て、王室御用達としてハンドペイントの多くの素晴らしい製品を作りましたが、1972年にはロイヤルドルトンに買収されます。ブランドは残りましたが、2002年には英国での製造を止めて、工場をインドネシアへ移転。さらに2015年よりウェッジウッド、ロイヤルドルトンと共にWWRDグループホールディングスの一員となりましたが、ブランドとしての販売は続いています。
はじめはベスウィックで、次はロイヤルドルトン、そしてさらにロイヤル・アルバート・・・と、英国陶器産業の歴史をたどるようにブランド名が変わりますが、製造され続けたジェレミーのフィギュアは、それだけ人気があった、ということなのではないでしょうか。
池のそばに住むお洒落なカエルのジェレミー・フィッシャー氏。
カメやイモリのお友達と楽しく暮らす様子は何とも微笑ましく、英国カントリーサイドの素晴らしさを伝えてくれます。
カエル好きな方はもちろん、釣り好きな方にもおすすめの、英国ヴィンテージの傑作フィギュアです。
◆England
◆Royal Albert
◆推定製造年代:c.1989-1990年代頃
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約6.3cm 奥行約6.2cm 高さ約7.6cm
◆重量:90g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですが、欠けやヒビは見当たりません。
*底面にわずかに汚れがございます。詳細は画像にてご確認ください。
*箱は付属しません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A