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メートル法への移行は完了しない / Vintage Brass Weight set of 7

 英国ヴィンテージ、ウェイト7点セット。


















英国のアンティークセンターで手にいれた、ウェイト7点セットのご紹介です。


ウェイト系はなかなか好みで、重いのにも関わらず行くたびに手に入れてしまうのですが、今回の物も十分に重いです(苦笑)。


一番大きな1000gだけ少し色味が異なり疑問に思ったのですが、押されているシールドにクロス、そしてクラウンの刻印が500gのものにもついていましたので、少なくとも1000gと500gはセットものであると思われます。


7つのウェイトは少しづつ刻印も違うので、重さ、サイズと共に以下にまとめてみました。



1000g 直径約5cm 高さ約7.7cm シールドにクロス、クラウンの刻印  1kg(Kはだいぶ傷ついている)の刻印

500g 直径約4cm 高さ約6cm シールドにクロス、クラウンの刻印  500gの刻印 1972の刻印

200g 直径約3.3cm 高さ約4.5cm 200 GRAMMES の刻印  サイドに円弧のような刻印

100g 直径約2.5cm 高さ約3.5cm 100 GRAMMES の刻印  サイドに円弧のような刻印

50g 直径約2cm 高さ約3cm  50 GRAMMES の刻印

20g 直径約1.4cm 高さ約2cm  20 GRAM の刻印  C.T の刻印

10g 直径約1.1cm 高さ約1.6cm  10 GRAM の刻印  MとRがつながったような刻印



私はタニタのデジタルスケールを使用していますが、ほぼ全てぴったりの重さ。「ほぼ」というのは、置いてすぐは少し数値が動いて、例えば1001から1000の間で変わりつつ、最後は1000に納まる・・・といった感じでした。(タニタのスケールも絶対では無いのかもしれませんね)



ちなみにグラムの複数形ってあるのかな、と思って調べました。厳密には1g=1gram 以外は複数形、grammsを使用するのが正解。そしてアメリカ英語では「grams」、英国の英語では「gramms」。その理屈でいえば、このウェイトの刻印は全て「GRAMMES」であるはずですが、20gからは「GRAM」となっていますので、当時から適当だったのかもしれません。


少し話がそれましたが、注目したいのは500gについている「1972の刻印」。これは作られた時期を表していると思います。


英国では長らく度量衡はポンドなどの「帝国単位」が使われてきましたが、1970年代から1990年代にかけてメートル法への法的な移行を部分的に完了したとされています。

この「部分的に完了」の意味が微妙でよくわからないのですが(部分的なら完了ではないのでは?)、現在ではメートル、グラム単位は法的に認められてはいるものの、とにかく現在でも英国では帝国単位は堂々と使われており、EU離脱にともない、全て帝国単位に戻そうではないか、という動きもあるようです。


とりあえず1970年代には、政府はメートル、グラムといった単位を普及させようと努力をしていた・・・ということのようですので、おそらくこのウェイトはその頃に作られたものではないでしょうか。


ちなみに200gと100gにある円弧のような刻印、20gと10gにある、C.T の刻印、及びMとRがつながったような刻印については詳細は分かりませんでした。





きちんとしているようで、どこか適当で頑固な英国をまざまざと感じさせてくれる7つセットのウェイト。十分に造形的美しさを誇り、そしてこの形と重さは、様々な作業を助けてくれる力を持っていることは間違いありません。


英国の歴史あるヴィンテージツールを是非お手元でお役立てください。




◆England

◆推定製造年代:c.1970年代頃

◆素材:真鍮

◆サイズ:本文参照

◆総重量:1880g

◆在庫数:1セットのみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A


暖炉の脇の働き者 / Antique Victorian Coal Scuttle

 英国アンティーク、ヴィクトリア時代のコールスカットル。


















英国のマーケットで手に入れたコールスカットルのご紹介です。


「コールスカットル/Coal Scuttle」とは室内用の石炭入れのことで、コールバスケットとも呼ばれます。暖炉が暮らしの中心にあった英国では、古くから実用として使われてきました。基本的にはバケツ型で取手があり、片側が注ぎ口のようになっており、もう片側が持ち手になっていて、細かな破片でも傾けながら落とせるようになっているのが原則です。


電気やガスがなかった時代からは少なくなったとはいえ、現代でも暖炉をもつ家が多い英国では、とてもよくみかけるアイテム。特にアンティークやヴィンテージのコールスカットルは、インテリアのディスプレイ用としても重宝されています。



今回のコールスカットルは、そのなかでも少し珍しいフォルムをしています。原則の機能は護られつつ、本体の高さがとても低い。つまり、平たい感じに仕上がっており、私としては初めて見るバランスをしていました。

そのせいか少しお洒落で、使い込んだ金属の表面も味わい深く、重いのを承知で手に入れてしました。だいぶ変色していますが、材は真鍮、もしくは銅と思われ、作られたのはヴィクトリア時代後期と推測いたします。


ご参考までに一般的な日本の新聞(日経)を四つ折りにしたものを入れてみました。リビングでマガジンラックとしてご使用いただくのもよろしいかもしれません。

他には植物の鉢をいれたり、ドライフラワーをアレンジしたり・・・もちろん石炭入れにもご使用いただけます。


古びた金属の輝きをもつアンティークアイテムはインテリアの雰囲気づくりに最適。
貴方らしい空間づくりにお役立てください。



◆England
◆推定製造年代:c.1880-1900年代頃
◆素材:金属(真鍮もしくは銅)
◆サイズ:ベース部分の直径約28cm 高さ本体高さ約17cm 取手を立てた時の高さ約28.5cm
◆重量:約1.85kg
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、全体に歪みや小傷、塗料のトビ、よごれ、錆びなどがみられます。
*取手は注意深く立てれば自立しますが、揺らせば倒れます。
*詳細は画像をご覧ください。
*コールスカットル1点の販売です。画像の小物、植物等は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A





小さなロココを銀でどうぞ / Antique Silver Handle Magnifying Glass Birminghum 1905

 英国アンティーク、シルバーハンドルの拡大鏡。















使い始めてみるともう手放せないツールのひとつ、拡大鏡。

それがアンティークの、しかも銀製品であることは、美しさと機能性そしてクオリティのすべてを満足させるひとつの究極であることは間違いありません。


今回ご紹介する拡大鏡は、こぶりながらも凝った持ち手が特徴的なひとしな。左右非対称の文様がロココ風な印象で、周囲に配されたビーズ状のアクセントや、端部につけられた釣鐘草モチーフが可憐さを添えています。



さて、英国アンティーク・シルバーにはホールマークを読み解く愉しみがつきものですが、この拡大鏡にも、持ち手の中央部あたりに数個のホールマークをみることができます。


イカリのマーク、ライオンパサント、そしてシールドに小文字の「f」。これはバーミンガムのアセイオフィスで1905年に認可を受けたスターリングシルバーであることを表しています。


メーカーズマークは「I.S.G」。これはバーミンガムにおいては「I.S.Greenberg & Co. (Israel Sigmund Greenberg/イスラエル・シグムンド・グリーンバーグ)」のマークです。

創立者のイスラエル・シグムンド・グリーンバーグ(c.1845-1926)は、ロシアでユダヤ人の両親のもとに生まれました。1870年には英国に帰化し、1881年までにはバーミンガムに居を構え、1884年にはロンドンでもシルバーマークを取得しています。宝石商、銀細工師、時計製造・輸入業者、地金・金地金販売業者として幅広く事業を行い、彼が1926年に亡くなったのちは三人の息子が継いでいったようです。


ヴィクトリアン後期からエドワーディアンにかけて活躍したシルバースミスによる細工は立体的で美しく、時を経た質感をもって見る者の心に迫ります。


使い勝手としては、全体長さが約10cm弱とこぶりなサイズで、ポーチに入れての持ち歩きにも便利。レンズ部分直径は約4cmで、視野もそこまで狭くないので十分便利にお使いいただけることでしょう。なお、レンズ部分は後年に付け替えられたものであると思われます。


ヨーロッパで愛されてきたロココ風のモチーフをさりげなくまとめたシルバーアイテムは、持つことに悦びを感じ、使う度に優雅な気持ちを持っていただけることと思います。


実用的な英国アンティークのひと品はいかがでしょうか。




◆England

◆I.S.Greenberg & Co.

◆推定製造年:c.1905年

◆素材:スターリングシルバー、ガラス、金属

◆サイズ:全長約9.6㎝ レンズ部分直径約4cm

◆重量:17g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に微細な傷や汚れ、凹み等がみられますが、ガラス部分に目立つ傷はなく、とても良い状態です。

*レンズ部分は後年に付け替えられたものと思われます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


子豚は丘を越えてどこまでも / Antique Cold Painted Vienna Bronze "Pigling Bland"

 オーストリアアンティーク、ヴィエナブロンズのピグリン・ブランド。
















ステッキを持ち、お洒落な衣装を着た小さな子豚。高さ僅か3cm強のサイズでありながら、驚くほどの緻密さをもつ芸術作品のご紹介です。



当店で何度かご紹介している「Vienna Bronze/ヴィエナブロンズ」。

その歴史は19世紀中頃から始まり、現在に至るまで高級品として高く評価されており、展示や蒐集を目的とした貴族や富裕層に向けて販売されてきました。サイズは、小さな1インチのミニチュアからテーブルランプやセンターピースと同じくらいの大きさまで様々です。モチーフは、漫画や風刺画を題材としたものや、実物そっくりにありのままの姿を詳細に表現したミニチュア化された人物や動物もあれば、エロティシズムを表現したもの、擬人化されたペットや森林動物なども多く、特に猫、カエル、犬の作品はウィーンの名物となっています。


1つのブロンズのフィギュアは、多くの場合「砂の鋳造/sand casting」と呼ばれる方法によってパーツごとに鋳造され、それらを溶接して一体化、毛並みや顔立ち等を彫刻し、髭など細部まで手を加えて、画家に引き渡されます。

その一連のプロセスには、多大な労力と高度に熟練した職人の技術が必要とされ、特にコールドペイントによる着色作業は、重要な要素となる表面仕上げとなり、全てが手作業によって、テクスチャーが与えられ、細部に至るまでシャープに整えられます。コールドペイントは、当初は鉛ベースの塗料で行われていましたが、健康上のリスクがあるため、20世紀の変わり目には、油性顔料のエナメル塗料が使われています。




今回ご紹介するのは、そのヴィエナブロンズでできた小さな子豚。モデルは「Pigling Bland/ピグリン・ブランド」です。


「The Tale of Pigling Bland/こぶたのピグリン・ブランドのおはなし」ご存じでしょうか。

それは1902年に発表された「ピーターラビットのおはなし」で有名な「Beatrix Potter/ビアトリクス・ポター(1866-1943)」が執筆・イラストを手がけた児童書のこと。1913年にフレデリック・ウォーン社から初版が出版されました。

あらすじを簡単にご紹介いたします。

白豚のペティトスおばさんは問題児の8頭の子豚に頭を抱え、1匹を除いて家から追い出すことにします。そのうちの2匹、ピグリン・ブランドとアレクサンダーは連れだってランカシャーの市場に向かいますが、途中でアレクサンダーはランカシャーの市に出るための許可証を無くし、警官につかまって農場に連れていかれてしまいます。

ひとり市に向かっていたピグリン・ブランドは、ある農場に迷い込んでしまいますが、そこには盗まれた女の子豚が閉じ込められていてました。なんとか脱走した2匹は、郡境まで逃げ、ついには丘を越えて遠くへ行き、そこで新たに手に入れた自由を祝って踊る・・・というストーリーです。



「ピーターラビットのおはなし」で成功したビアトリクス・ポターは農場を所有しており、そこでは豚も飼っていました。しかし1909年に友人に宛てた手紙の中で「食欲がひどく、1日5食食べても満足しなかった」豚2頭を売ったことを述べてます。

彼女はこの頃からこの本の執筆に取り掛かったとされています。売ったものの、豚の行く末を気にしていたのでしょうか・・・?



さて、そんな背景で生まれたピグリン・ブランド。

今回ご紹介するブロンズはオーストリアのものですが、状態からして1920-1930年代頃のものと思われます。英国の人気作家のキャラクターを受けて、作られたのではないでしょうか。なお、工房のマークはみつけることは出来ませんでした。


そしてこの姿は、ピグリン・ブランドが旅立つときの姿。日曜日の正装をして、2本足で堂々と歩くために杖をもっています。(油断していると四つ足で歩いてしまうからでしょうか?)片手に持った包みには、ペティトスおばさんが持たせてくれたペパーミントが入っていると思われます。


ごくごく小さいながらも、持てばずしりと重いのはさすがヴィエナブロンズ。コールドペイントは少し剥がれている部分もございますが、まだシャツのストライプ柄も残っており、ピグリン・ブランドの豊かな表情も感じ取ることが出来ます。ステッキを利用した3点でしっかりと自立します。



ミニチュア好きの方に是非。もちろん豚好きな方やヴィエナブロンズをコレクションをされている方にもおすすめの逸品。

世紀を超えても世界中からいまだ愛されるポターのキャラクターを、ウィーンの芸術作品でご堪能ください。





◆Austria(Wien)
◆推定製造年代:c.1920-30年代頃
◆素材:ブロンズ
◆サイズ:高さ約3.2cm
◆重量:18g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、塗装の剥げや歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*平滑面で自立します。少しでも傾いていると自立しません。
*お子様のおもちゃとしてはお勧めできません。
*平滑面できちんと自立します。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A