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Friday

オリーブに刻まれたエルサレム十字/ Antique Book "The book of Common Prayer"/326-256

 英国買付アンティーク、古い祈祷書。



















英国のアンティークマーケットで手に入れた小さな本。



表紙と裏表紙は面のとられたオリーブウッドで作られており、背表紙は革製。表紙には「エルサレム十字/Jerusalem Cross」が彫り込まれています。


エルサレム十字とは5つのクロスを組み合わせたもので、キリストの5つの聖痕=「中央の大きな十字がキリストの心臓(または体)を、四隅の小さな十字が両手、両足に受けた傷(聖痕)」を表しているとされています。(諸説あります)





背表紙には「Common Prayer」「JERUSALEM」の文字。

そして表紙を開けば、以下の書き込みがみられます。



Emma Mason.

With love from H. C. M.

September 1888.


エマ・メイソンへ

愛を込めて H. C. M. より

1888年9月




このことから、この本は1888年9月に「H. C. M.」さんから「エマ・メイソン」さんへ贈られたものであることがわかります。




本としては「The Book of Common Prayer/英国国教会祈祷書」であり、出版社はオックスフォード大学出版局。そして発行年は書き込みの1888年より前でしょう。


また、裏表紙には縦書きのヘブライ語で「エルサレム」と描かれています。おそらく、オリーブウッドの部分はエルサレムで作られたことは間違いないでしょう。オリーブの木は古くからエルサレムで自生・栽培されてきたものですし、オリーブの木を活かした工芸品はエルサレムの伝統工芸として古くから親しまれてきたものです。







このことから、可能性としてはふたつ。



1:オリーブの木で作った表紙をエルサレムから英国に運び、オックスフォード大学出版局が発刊した祈祷書に取り付け、英国で販売した。


2:オックスフォード大学出版局が発刊した祈祷書をエルサレムに運び、オリーブの木でつくった表紙をつけて、英国からの観光客に土産物として販売した。




どちらの可能性もありますが、私としては「2」を推したいところです。聖地の土産物として販売されていた、そしてそれを行うだけの数の観光客が英国からエルサレムに行っていた・・・ということかな、と推測いたします。




さて、英国国教会について少し復習をしてみましょう。



1534年にヘンリー8世がローマ・カトリック教会から分離してつくられた英国国教会。このことから、英国国教会の聖地(総本山)はカンタベリー大聖堂とされています。ただ、英国アンティークを扱っていると、この祈祷書のようにしばしばエルサレムのお土産物らしき品々をみることができます。



たとえローマ・カトリック教会から分離したとはいえ、もともとの聖地であるエルサレムを、大切に思う英国の人々もそれなりに多かった(もしくは現在も多い)のではないでしょうか。そんな人々がわざわざ訪れた聖地で「英国国教会の祈祷書」をみつけたら、なんだか嬉しくなって手に入れてしまうのは想像に難くありません。この祈祷書はそんな人によって英国に持ち込まれ、エマ・メイソンへ贈られたのではないでしょうか。





英国国教会にとっては既に聖地ではないエルサレムで、オリーブに刻まれたエルサレム十字をもつ英国国教会祈祷書を手に入れる。


この祈祷書が持つ複雑な由来を、そのまま受け入れてくれる方のお手元へ、お届けいたします。



◆England/Jerusalem

◆推定製造年代:c.1888年より前

◆素材:オリーブウッド、革、紙

◆サイズ:約7.2×10.1cm 厚み約2cm

◆重量:107g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や傷み等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A


銀の乗馬鞭で装いを仕上げる/ Antique Silver Brooch Horseshoe & Crop Motif/126-013

 英国買付アンティーク、シルバーブローチ。













英国のマーケットで手に入れた、すらりとしたフォルムが美しいブローチのご紹介です。




モチーフは乗馬鞭と蹄鉄。



そして販売していた英国のディーラーによれば、おそらくドイツかオーストリアのものではないか、とのこと。


鞭のデザインが「竹(バンブー)」になっていることも興味深い点です。19世紀末に花開いたアールヌーヴォーは、東洋趣味がふんだんに取り入れられており、大きな流行でありました。このことから、馬の鞭に竹をつかう、もしくは竹風のデザインにすることは、当時なかなかに流行の先端をいっていたものと推測されます。




また裏面には「830」と「6」「K」そして星のような刻印が確認できます。830はシルバー830のことで間違いないかと思います。シルバー830は、スターリングシルバー(シルバー925)よりも銀の含有率が少なく、ドイツやオーストリアでは好まれた配合でした。ただ、他の刻印については不明。


ドイツのシルバーマークは「クラウンと三日月」オーストリアは「花の中のダイアナ」か「鳥(オオハシ)の横顔」が定番ですが、正直に申し上げて英国ほどの几帳面さはなく、割と適当に管理されていた感があります。




よって今回のお品物の「6」「K」そして星のような刻印は、どこかの工房のマークなだけかもしれません。




乗馬鞭をモチーフとしたスマートなアクセサリーは、どんな人が使っていたのでしょうか?男性女性問わずご使用いただけそうなデザインですので、馬好きな親から子へと受け継がれてきたものかもしれません。



貴方の帽子のワンポイントに。

もちろんジャケットの襟元や、スカーフどめにお使いいただいても素敵です。



ヨーロッパのアンティークアクセサリーを、ぜひ貴方の装いに加えてください。





◆英国買付/GermanyもしくはAustria

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:シルバー830

◆サイズ:幅約7.9cm 

◆重量:6g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪み等がみられます。

*ブローチ留め金具はご使用可能と判断しておりますが、現代の物に比べれば若干操作性に劣ることをご了承ください。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


一段積んでまた積んで/ Antique Bricklayer's Rule by E.Preston & Sons/526-167

 英国アンティーク、煉瓦積み工のための定規。
















緻密な杢目のボックスウッドと真鍮でつくられた、英国の古い定規類。


作る側も使う側も、どちらもが職人である世界は、知るほどに奥深く感じられます。




今回はそのなかでも、なかなかに興味深い定規のご紹介となります。



まず長さは12インチ(30.48cm)。厚みは1cmを超え、その厚みを活かして中央部には水平器が埋め込まれています。そして木の端部には丸い穴が開いており、そこにもうひとつ、メインの水平器に対して垂直の水平器がもうひとつ仕込まれています。


この水平器2方向使いのタイプは、水平器を主目的にしたツールににおいてはしばしば見ることがありますが、定規そのものに組み込んだものは少し珍しいと思います。



販売していたディーラーによれば、これは「Bricklayer's Rule」=「煉瓦積み工のための定規」。確かに、煉瓦を積みつつ水平を測り、時に垂直に当てて傾きを測ることは、彼らにとって大切な作業であったことでしょう。丸い穴は使わないときは腰や道具箱に引っかけることができ、携帯にも便利だったとか。いかにも英国らしい定規であるといえます。




もう少しお品物をみてみましょう。


目盛りのほかに、以下の文字をみることができます。




まずは以下の文字。


IMPROVED

WARRANTED

CORRECT



IMPROVED:従来のものより「改良された」モデルであること。

WARRANTED:メーカーが品質を「保証している」こと。

CORRECT:測定器具として目盛りが「正確である」こと。


これはつまり、当時のメーカーが「この定規は改良を重ねた正確な測定器であり、その品質を保証します」と主張している意味と思います。






次は・・・


E.PRESTON & SONS

B'HAM. ENG.




E・プレストン&サンズ

バーミンガム イングランド



これは「Edward Preston & Sons/エドワード・プレストン&サンズ」の定規である、ということ。


バーミンガムにおいて1825年頃「Edward Preston Sr. (c. 1798-1883) /エドワード・プレストン・シニア」によって始まったとされる「Edward Preston & Sons/エドワード・プレストン&サンズ」。1850年には息子が事業に加わり、事業は発展。もともとは鉋製造業者でしたが、息子の代には鉋、建具、馬車、銃、キャビネット、大工道具等が製品ラインに追加され、高い評価を受けるようになります。


1889年、エドワード・プレストン・ジュニアの3人の息子が会社に加わり、社名はエドワード・プレストン&サンズに変更され、1898年の法人化に伴いエドワード・プレストン&サンズ株式会社となりましたが、1913年のエドワード・プレストン・ジュニアの死去ののち、1932年に同じくバーミンガムの J.Rabone & Sonsに売却されることとなりました。




最後はエドワード・プレストン&サンズのトレードマークであり、この「E P」の商標は1882年には既に使用されていたようです。



TRADE MARK

E P




以上のことから、この定規は1889-1932年の間のお品物であると推測いたします。





ジョージアンに始まり、ヴィクトリアンで大英帝国とともに発展したエドワード・プレストン&サンズ。

高い評価を受けていたとされる同社の製品を、職人たちはどれほど大切に使っていたのでしょうか。

煉瓦を一段積んで測っては、また積んで。地道な作業を積み重ねれば、やがては大きな建造物になる。いえ、大きな建物も地道な作業が無ければ何も生まれない・・・。



当たり前だけれども見落とされがちな理を、世紀を超えてきた定規は言葉なく伝えてくれるようです。

すべやかなボックスウッドと真鍮の手触りを感じながら、貴方ならではの方法でその想いを受け止めてください。



◆England

◆E.Preston & Sons

◆推定製造年代:c.1889-1932年

◆素材:真鍮、木、他

◆サイズ:全長約30.5cm(12inch) 幅約3.5cm 厚み約1.1cm

◆重量:128g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


ロンドンの老舗が手掛けた遠眼鏡/ Antique ROSS LONDON Monocular with Leather Case /326-207

 英国アンティーク、レザーケース付プリズム式単眼鏡。


























英国のアンティークセンターで手に入れた古い単眼鏡。



すっぽり嵌る革製のケースと、ずっしりした手ごたえをもつ本体のクールさに我慢できず、手に入れてしまったひとしなをご紹介いたします。



まず、本体には以下の刻印がみられます。



ROSS, LONDON

×10 No_ 61443




この「ROSS, LONDON」からご説明いたします。



1830年、ロンドンのWigmore Streetにて「Andrew Ross/アンドリュー・ロッス」によって設立されたのがロス商会の始まり。


1840年にはカメラ用のレンズ製造を開始。早い段階でカールツァイスと提携を開始し、ロッスは英国においてカールツァイスレンズを製造するライセンスを取得。レンズや双眼鏡を製造していましたが、1855-1910年代にはカメラも製造。1859年にはブルック ストリートに移転し、ニューボンドストリートに販売部門が置かれました。1900年代初めには英国産業博覧会に数多くの光学機器製品を出展。1948年にはバーネット・エンサイン(カメラメーカー)と合併し、バーネット・エンサイン・ロッス(Barnet Ensign Ross Ltd. )となります。ただ、その後も「ROSS」ブランドの名前で製品を作り続けていました。



参考までに、1900年に製造されたロッス社の双眼鏡は藤井竜蔵により日本に持ち込まれ、藤井レンズ製造所(日本光学工業を経て現ニコン)が双眼鏡国産第一号を製作した際のモデルとなりました。



参考:一般社団法人日本望遠鏡工業会 双眼鏡の歴史(発明から20世紀初頭まで)

http://www.jtmas.jp/history/photo.html




また、「×10」は10倍の意味、そして「No_ 61443」はロッス社オリジナルのレジストレーションナンバーです。

具体的なリストを見つけることはできませんでしたが、おそらく1930年代頃、遅くても1950年代までにはつけられた番号なのではないかと推測いたします。




形状としてはガリレオタイプ(レンズが直線に並んでいるタイプ)ではなく、内部にプリズムが仕込まれた「プリズム式単眼鏡」です。このタイプでロッスのものは双眼鏡が一般的で、今回ご紹介するような単眼鏡は非常に珍しいものと思います。




セットされているレザーケースには以下の刻印が見られます。



BROWN

OPTICAIN

GLASGOW



ブラウン

オプティシャン(眼鏡店・光学機器店)

グラスゴー




この刻印は単眼鏡本体にも刻まれています。


そして「BROWN」とうのは英国においてとても多いファミリーネームであり、現時点で「BROWN OPTICAIN」という眼鏡店はグラスゴーに存在します。ただその店は出来てまだ11年くらいらしいので、この単眼鏡とは関係がないでしょう。



おそらく19世紀末から20世紀初めにかけて、グラスゴーに「ブラウン・オプティシャン」が存在しており、そこではこのような単眼鏡をはじめ双眼鏡なども販売していたのではないでしょうか。本体にも自店のロゴをいれるくらい、かなりこだわりの強いお店だったのかもしれません。




歳月を経たレザーケースは若干の傷みはあるものの、目立つ縫製のほつれなどはなく、単眼鏡をしっかりと護っております。


単眼鏡本体は255gとそれなりに重いですが、双眼鏡では倍以上の重さになることを考えれば、コンパクトで持ちやすく、携帯に適しているといえます。野山を歩く用にはもちろん、ひょっとして斥候などの軍用だったのかもしれないな、とも思います。




歴史あるロッス社の、珍しいプリズム式単眼鏡。

オリジナルのレザーケースとともに、お届けいたします。






◆England

◆推定製造年代:c.1930-1950年代

◆素材:真鍮、ガラス、他(ケースは革)

◆レザーケースサイズ:幅約14cm 奥行約6.5cm 高さ約14cm

◆単眼鏡本体サイズ:全長約11.8cm 本体筒部約6.6cm 厚み約4.5cm

◆ケース含む総重量:453g

◆単眼鏡本体のみ重量:255g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。

*レザーケースには傷みがみられます。

*レンズ内部に汚れが確認できますが、現時点では取り外しが難しいためこのままのご紹介となります。

*実際に覗くと、汚れはあまり気づかない程度かと思います。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A