英国アンティーク、ヤマアラシの針毛でできたペン軸のつけペン。
ヤマアラシ、英語で「Porcupine」。
種類は多く、南ヨーロッパや北アフリカが主な生息地となります。草食性の齧歯類であり、天敵から身を守るための針毛(とげ)が最大の特徴。敵に出会うと背中の針を逆立て、威嚇するだけでなく、相手に対し後ろ向きに突進する攻撃的な面ももちます。針毛は硬く、強度はゴム製長靴を貫く程であるといいます。
そんなヤマアラシの針毛は、古くからつけペンの材料として重宝されていました。
つけペンの材料としてまず思い浮かぶのは鳥の羽根。軽く細く、ある程度丈夫で、さらに中空であることから、先端を加工してつくられる羽ペンは古くから使われてきました。同じ理由で植物の葦も使われていたようですが、やはり羽根の方が使い勝手はよかったようです。特に大型の鳥の、風切羽根が重宝されました。
一方でヤマアラシの針毛は、古くからジュエリーやその他の工芸品の装飾、楽器のパーツとして使用されてきました。そしてもちろん、鳥の羽根と同じ理由でつけペンとしても。
ただ、鳥の羽根やヤマアラシの針毛は、ペンとして使うには消耗品でありました。何度も使えばすり減るため、その度にカットして使うものの、やがては使えなくなっていく・・・。金属加工が発達し、性能の良いペン先が量産されるようになっていくに従って、鳥の羽根やヤマアラシの針毛をつかったつけペンは減りますが、古くからあるデザインとして、そのものをペン軸とし、先に金属製のペン先をつける、ということが行われるようになっていきます。
当店では今まで何度か、そのヤマアラシのペンをご紹介してまいりました。
今回のお品物をみてみましょう。まず、ペン軸の先部分には「C.BRANDAUER & Co」「BIRMINGHAM」の文字が見られます。
「C.BRANDAUER & Co」=ブランダウアー社は、1862年に「Charles Brandauer/チャールズ・ブランダウアー」によりバーミンガムで設立された会社。当初はペンを製造していた同社は設立後数か月後のロンドン万博に製品を出品し、高い評価を得ます。1890年のカタログには400種以上のペンを掲載し、各国へ輸出。多くの国際博覧会でメダルを獲得し、事業を拡大させていきます。
大戦時にはペンの製造は縮小され武器の部品などを生産。その後はエレクトロニクス分野等へ進出し、様々な困難を乗り越え、現在では精密プレス加工品などを製造し世界と取引を行っています。
BRANDAUER オフィシャルサイト タイムライン
https://brandauer.co.uk/our-timeline/
もう少しお品物をみてみましょう。
全体としてとても細く、先端はとても鋭いです。そして持っていることを感じさせないほどに軽く感じます。
ペン先の形状としては、現代でいう「丸ペン」に近いと思います。ただ、ペン先がペン軸に対して加締めるように固定されているため、ペン先の交換はできません。そのため、実用というよりは、コレクション的な意味合いで手にされたほうがよろしいかと思います。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、大量に製造されてきたつけペン、そしてペン先。
今は便利な筆記具に慣れてしまっていて、つけペンはとても普段使いにはできませんが、当時としては「これ以上便利なものはない」として使われていたことでしょう。その流れは現代の携帯電話にもつながる、道具としての宿命。
このペンを手に取れば、そこに込められてきた人の歴史と、道具としての美しさに心惹かれるのは、私だけではないはずです。
道具、歴史、そして美しいもの。
そんなものを愛する方にお届けしたい、英国アンティークの佳品です。
◆England
◆推定製造年代:1900年代頃
◆素材:金属、ヤマアラシの針毛
◆サイズ:全長約20.9cm
◆重量:2g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆や変色などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*ペン軸はヤマアラシの針毛なので、凹みや反りなどがございます。
*先端は鋭いです。お取り扱いには十分ご注意ください。
*ペン先には錆や変色がみられます。実用に適しているかどうかは不明です。
*ペン先は軸と一体型です。交換はできません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A

















































