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Friday

祝福の天使を壁にどうぞ / Antique Brass Wall Hook by Peerage England

 英国アンティーク、真鍮のウォールフック。















英国のアンティークフェアで手に入れた、少し大きめのウォールフックのご紹介です。


眼を惹くのは上部の装飾。左右にはラッパを吹き、月桂樹の冠を掲げる天使。中央にも人の顔がみられます。詳細は不明ですが、祝福のラッパ、勝利のシンボルの月桂樹の冠があることから、かなりおめでたいモチーフであることを伺わせます。

特に全体が透かし彫りで表現されていますので、壁面にとめたときの見え方はなかなか美しい物になることが想像できます。


下部パーツ背面には以下の文字が刻まれています。


Peerage  England


「peerage」とは、19世紀からバーミンガムで金属製品を製造していた老舗、John Jewsbury & Co.が1933年にPearson- Pageへ売却され、そのPearson- Pageが第二次大戦後頃から使いだしたブランド名。このお品物はそれなりに年代を経ているように思いますので、おそらく1940年代頃のものと推測いたします。


基本的には3か所の穴で壁に留めていただければ、まろやかな曲線をもつ横棒がフックとなって、貴方のコートや帽子をしっかりと支えてくれることと思います。


玄関をでるとき・・・帽子をフックから取るときに、必ず目に入る祝福の天使たち。
それは貴方の日々に、金の彩をそえてくれることでしょう。



◆England
◆推定製造年代:c.1940年代頃
◆素材:真鍮
◆サイズ:高さ約12.5cm 幅約10.3cm 厚み約7cm
◆重量:138g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪み等がみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。 




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A


デヴォンの森と海から尊敬と共に / Antique Walking Stick with Sterling Silver Collar & Horn Grip

 英国アンティーク、スターリングシルバーのカラーと角のグリップを持つ漆黒のステッキ。



















英国アンティークを扱っていると、家具などに銘文が刻まれているものを見ることがあります。



例えば誰かに宛てた感謝の品物として。

例えば誰かの退職の記念品として。



大抵が「誰から、誰へ、いつ、何のために」が明記されているので、非常にわかりやすくなっています。経験上、ライティングデスクやダヴェンポート、そしてライティングボックスなどが、退職の記念品として贈られることが多いように思えます。日本ではあまりその習慣は無いので、慣習の違いがとても興味深く、もっといろいろなものを見たいと思っております。




前段が長くなりました。今回ご紹介するのは、そんな贈り物のひとつ。


まず、カラー部分には手彫りの唐草文様と共に、以下の銘文が刻まれています。



Presented to

Mr.D.Pearce C.O.

by the Crews of

Clovelly Coast Guard

Station & Delach

as a token of respect

on his retiring from

the service

11.12.03



内容としては「Clovelly Coast Guard/クロヴェリー沿岸警備隊」から、そこに勤めていて、退職する「Mr.D.Pearce C.O.」へ、尊敬を込めて贈られたものである、ということ。日付は1903年12月11日。


クロヴェリーとは、イングランド・デヴォン州にあり、ブリストル海峡のクロヴェリー湾に面した小さな村のこと。樹木に埋もれるように急な勾配沿いに建てられた家々で出来た小さな村は13世紀半ばからわずか3つの家族によって所有されてきており、現在では1738年以来この村を管理してきたハムリン家のジョン・ラウス氏の所有となっているそうです。石畳のメインストリートは車は通行禁止で、かつてはロバが、現在ではそりが荷物を運ぶ役目を果たしているとか。(調べるほどに、是非一度訪れて見たくなってきました・・・)



さて、もう少しお品物をみてみましょう。


カラーの唐草文様の中に刻まれたホールマークは、ロンドン、1902年。メーカーズマークは「E.N」のようにみえますので、ステッキマウントを得意としていたシルバースミス、ロンドンの「Ebenezer Newman & Co」の物であろうかと思います。グリップの材は水牛の角。触るほどに手に馴染み、黒く仕上げられたシャフトとともに、品格ある佇まいとなっています。


デヴォンの森と、海に挟まれた小さな村。

そこで長年真面目に頑張ってきたピアース氏は、退職時に仲間たちからステッキを贈られ、どんなにかうれしかったことでしょう。カラーにはロンドンのシルバースミスが刻んだ銘文まで添えられていて。

退職後の時間、彼はこのステッキを携えて、坂の多い町をゆっくりと歩き、海を眺めて過ごしたのではないでしょうか。


手にもてば、そんな彼の想いが伝わってくるような、英国アンティークのひとふり。ウェールズを遥かに臨むデヴォンの海風を感じてください。



◆England

◆London

◆推定製造年代:c.1902年

◆素材:木、スターリングシルバー、角、金属

◆サイズ:全体長さ約84cm グリップ幅約12cm 

◆重量:253g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、材の傷み等がみられます。

*体重をかけるとややしなります。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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by d+A


アーリーヴィクトリアンの円筒形 / Antique Brass Linen Prover Magnifying Glass with Cylinder Case

 英国アンティーク、シリンダーケース入りリネン検査器。














当店で色々ご紹介しているリネン検査器。


それは、リネン織物の糸の密度や状態などを検査、検定するための顕微鏡(拡大鏡)のこと。この機能を有するものは「Linen Tester/リネンテスター」あるいは「Thread Counter/スレッドカウンター」という呼び名の折りたたみ式置き型ルーペとして現代でも活用されています。拡げるとコの字型になり、生地の上に直接置いて、1インチ角の正方形の開口から見える生地の状態を、円型のレンズから覗き込むかたちが最も一般的です。

このリネンテスターの原形は19世紀初頭まで遡ります。初期のリネン検定器/検査器は「Pillar Type Linen Prover」と称する、2本の小さな柱で支える最もシンプルな形状で、標準化された開口部ではなく小さな丸穴が開いているだけでした。ただ、折りたたみ式モデルも1840年代には登場しており、紳士のウエストポケットに仕舞えるように、折りたためるように作られたと言われています。



さて、今回のモデルをよく見てみましょう。


円筒形のフォルムは閉じていて、レンズも検査用の小窓も見えない状態になっています。上の接眼レンズ部分にはスライド式の蓋がついています。このタイプの蓋は望遠鏡の接眼レンズを護るためのものにとても似ていますが、このお品物については小さいため、スライドした蓋がそのまま脇に露出する形となります。それはそれで、システムをそのまま見ることが出来るので面白いのではないかと思います。


下部はケースとなっており、上方向に本体を抜けば、小窓が開けられたボトム部分が現れます。つまり、格納時にはレンズも小窓も隠れているため、そのままポケットに放り込んでも大切な部分にはダメージは受けない、ということ。


非常に似たタイプをサイエンス・ミュージアムのサイトで見つけましたので、参考までにご覧ください。

Linen prover (c.1850), in slip brass case の頁

https://collection.sciencemuseumgroup.org.uk/objects/co8720/linen-prover-c-1850-in-slip-brass-case



前段で「折りたたみ式モデルも1840年代には登場」とありますが、おそらくその折りたたみモデルが普及する前の過渡期の物のように思えます。製造年代はサイエンス・ミュージアムにならって、1850年代頃とさせていただきました。


ヴィクトリア中期。

増えつつあるリネンの流通、そして品質管理に奮闘した紳士のポケットに納まっていたであろう古いタイプのリネン検査器。

170年を超えてきた真鍮の味わいは深く滑らかで、所有するだけでも深い満足をおぼえていただけるのではないでしょうか。

アーリーヴィクトリアンの英国から貴方へお届けいたします。



◆England

◆推定製造年代:c.1850年代頃

◆素材:真鍮、ガラス

◆サイズ:直径約2.5cm 高さ約3.1cm

◆レンズ直径約0.7cm

◆正方形窓サイズ:1/4inch

◆重量:29g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





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by d+A


19世紀フランスの華やかな一滴 / Antique Bronze Miniture Chair Napoleon III Coffret a Bijoux

 フランスアンティーク、ブロンズ製ミニチュアチェア型宝石箱。




















今回はとても優雅な逸品のご紹介です。


高さ僅か12cmほどの小さなチェア。


流麗な曲線で覆われた姿は小さいながらも最高に優雅で、細かなディテールにもエレガンスが感じられます。座る者を迎え入れるように開いた曲線で出来た左右のアーム。ロカイユ文様と小花を組み合わせた座面。ふっくらとしたオーバルの背もたれのトップにも左右非対称のロカイユ文様がく繰り返し使用され、小さな花と葉がアクセントとなっています。


作られた時代は古く、ナポレオン三世(在位1848-1870年)の頃と思われます。


ナポレオン三世の時代は、「花の都パリ」の都市としての原型が作られた時代。オペラ座を象徴するように、華麗な宮廷文化を受け継ぐエレガントで優雅な意匠、そしてどこか少しエギゾティックな雰囲気も持つ意匠が好まれました。マリー・アントワネットに心酔していたナポレオン三世の妻「ウジェニー・ド・モンティジョ/Eugenie de Montijo」の影響も強かったとされています。



もう少しお品物をみてみましょう。

小さな座面は開くことが可能で、恐らくかつてはこの内部はシルクのクッション張りであったことでしょう。現在は内張は失われていますが、小物入れとしてご使用いただけるかと思います。主素材はブロンズで真鍮よりはやや赤みがかった輝きをもっており、歳月により深い赤胴色となって良い景色を作り出しています。



また、「Coffret a Bijoux/コフレ・ド・ビジュー」とは、フランス語で「宝石箱」のこと。かつてレディたちのドレッシングテーブルにおかれ、大切なジュエリーを仕舞っていた宝石箱は、このようなブロンズ製の凝ったものが多く作られました。小さなタンスのような形をしていたり、そしてこのような小さな椅子の形をしていたりと、眼に愉しく優雅な品物が好まれていたようです。




花の都パリ。

ロンドンとはまた異なる19世紀の大都会では、どんな日々が繰り広げられていたのでしょうか。

その残滓の華やかな一滴を、貴方の元にお届けいたします。



◆France

◆推定製造年代:c.1850-1870年代頃

◆主素材:ブロンズ

◆サイズ:幅約8.7cm 奥行約7.2cm 高さ約12cm

◆重量:375g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪み等がみられます。

*問題なく自立しますが、4本の脚は完璧に一緒には接地しません。

*4本の脚の先端はそれぞれ微妙に異なります。このような仕様なのか、後年変形したのかは不明です。

*座面内部の隅には小さな穴が開いており、底面裏側に通じています。理由は不明です。

*座面の蓋はそっとバランスをとれば開けておけますが、安定して開けておくための金具などはございません。

*背もたれのトップのロカイユ文様の先端は、おそらくもっと尖っており、後年に欠けてしまったように思います。その面は既に変色して馴染んでいますので、気づく方は少ないと思います。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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