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Friday

リンカーン大聖堂の小悪魔 / Antique Brass Small Tray with Lincoln Imp

 英国アンティーク、真鍮製スモールトレイ。














英国のアンティークマーケットで手に入れた真鍮製のミニトレイ。形状からおそらく灰皿としてデザインされたと思われます。

興味深いのは周囲の意匠。角が生えたような怪しな姿をしたものが周囲をとりかこんでおります。

これは「Lincoln Imp/リンカーン・インプ(小鬼、小悪魔)」です。


英国リンカーン州の郡庁所在地であるリンカーンにある大聖堂は、古い歴史をもちます。
その大聖堂のクワイヤ(聖歌隊席)の上部北側のアーチの下に配されているのが「Imp/インプ」の彫刻。クワイヤ部分が1250年から1280年の間に建造されたことから、この彫刻もその頃のものであると考えられます。



そして「リンカーン・インプ」というあだ名は、1897年より以前、アーノルド・フロストの詩「風と悪魔とリンカーン大聖堂のバラッド」を収録した冊子に掲載されたことに由来するとされます。


その要約はこんな感じです。

レミギウス司教(11世紀のベネディクト会の修道士)がリンカーンに来たことは悪魔を激怒させた。それまで悪魔は町と地域で思い通りに事を運んでいたからだ。悪魔は大聖堂建設という彼の計画を阻止しようとあらゆる手を尽くしたが、無駄だった。ついに絶望した悪魔は、大聖堂の完成が間近に迫っていた頃、建物の南西の角で司教を待ち伏せし、殺そうとした。しかし、窮地に陥った善良な高位聖職者は聖母マリアに助けを求めた。すると聖母マリアは激しい突風を送った。悪魔は突風に捕らえられ、激しく揺さぶられた。悪魔は安全を求めて教会の中に入り込み、それ以来ずっとそこに留まっている。風が悪魔を滅ぼすために戻ってくるのを待っていることを知っていた悪魔は、教会から出ることをためらったのだ。


ただ、この伝説には石の彫刻については何も触れられていません。フロスト自身が詩の最後の部分にこう使加えています。


The bishop we know died long ago.
The wind still waits, nor will he go
Till he has a chance of beating his foe;
But the devil hopp'd up without a limp.
And at once took shape as the “Lincoln Imp.”
And there he sits a'top of the column,
And grins at the people who gaze so solemn;
Moreover, he mocks at the wind below.
And says, “you may wait till doomsday, O !”



我々の知る司教はとうの昔に亡くなった。
風は今も待ち続け、
敵を倒す機会が訪れるまで去ろうとはしない。
しかし悪魔は足を引きずることなく飛び上がり、たちまち
「リンカーン小悪魔」の姿をとった。
そして柱の頂上に座り、
厳粛な表情で見つめる人々にニヤリと笑いかかる。
さらに、下を吹き抜ける風を嘲笑し、
「ああ、最後の審判の日まで待て!」と言う。



基本的にはこのことがリンカーン・インプの名前の由来とされていますが、他にも様々な由来があるようです。

ただそのどれもが「小悪魔と風」がテーマであることはなかなか興味深いところです。実はリンカーン大聖堂の場所はとても風が強く、16世紀には木造の尖塔が暴風雨で倒されたほどでした。


このことから、「風に吹かれて小鬼が大聖堂まで飛んできた」とか、「二匹いた小鬼の一匹が柱のうえに座り、もう一匹は外で待っているので風が強い」などなど多くの民間伝承が生まれたと思われます。



そんな「リンカーンの小悪魔」を四方に配したミニトレイ。
重さは276gとずしりと持ち重りがし、安定感は抜群です。


本来の目的であったであろう灰皿としてはもちろん、コイントレイやピンディッシュとしてもお使いいただけることと思います。

風が吹き抜けるリンカーン大聖堂からやってきた小悪魔を、貴方のお手元で飼ってみてはいかがでしょうか。





◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃
◆素材:真鍮
◆サイズ:外周直径12.4cm 厚み約2.3cm
◆重量:276g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。 




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
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芝生の上のジャック/Vintage Bowl for Lawn Bowls STANDERD JACK

 英国ヴィンテージ、ローンボウルズ用のボール。
















「ローンボウルズ/lawn bowls」ご存じでしょうか。


もともとは13世紀にスコットランドで流行した「ボウリング・オン・ザ・グリーン」が由来とされています。兵士までが遊んでしまったため14世紀にはしばしば王により禁止を通達されますが、それでも楽しむ者は後を絶たなかったようです。自らも愛好者であったヘンリー8世(1491-1547)は、庶民層がこのスポーツを行うことをクリスマスの時期(しかも一定の条件の下)を除いて禁じますが、このことはそれだけこのスポーツが幅広い層の人々に好まれていたことを示しています。この禁止法(有名無実と化していましたが)がやっと撤廃されたのが1845年。



1848年にはスコットランドのグラスゴーにプレイヤーたちが集まり、基本となる競技規則の必要性を認識し、「ウィリアム・W・ミッチェル/William W. Mitchell(1803-1884)」が中心となってこれをまとめ、1864年にルールブックが出版されました。その後はスコットランドボウリング協会(SBA)をはじめ各協会が設立され、現在でもコモンウェルス(英連邦)を中心に各国でプレイされています。


基本的には屋外の芝生で行われる競技であり、それほど激しい運動量では無く、あくまでもボウルを転がすコツで勝ち負けが決まるため、かつてはパラリンピックの種目でもありました。


そしてポイントはボウル。

このボウルはわざとまん丸ではない形に作られているため、投げると真っすぐではなくカーブするようになっています。投げ方やスピードによりカーブも異なり、そこを上手く操るのがローンボウルズのひとつの醍醐味といえるでしょう。





今回ご紹介するのは、このローンボウルズ用のボウルです。



古くはリグナムバイタという重い木で作られていましたが、1930年代頃からは樹脂製となりました。今回のボウルはその樹脂製のもの。日本でいえばボーリングのボールにイメージが近いかもしれません。



表面をよくみると以下の文字が刻まれています。


B.

A.C.


BCGBA

STANDERD JACK

1974

1987X



まず「BCGBA」とは1907年設立の「British Crown Green Bowls Association/英国クラウングリーンボウル協会」のこと。

そして「STANDERD JACK」とは、ローンボウスにおいて目標球となるジャックというボール、そしてその標準規格である、ということ。


「B.A.C.」はおそらくどこかのボウリング倶楽部のイニシャルであると思われます。





そして年号。1974はおそらく製造年でしょう。


そして調べてみると、現時点での話ですが、ローンボウルのボウルには厳しい規格があって、基本的には作られた年、製造者もしくはテスト者のマーク、登録マークなどがセットになった「スタンプ」が刻まれており、少なくとも10年に1回、日付スタンプが明確に判読できない場合はそれより早い頻度で再テストと再スタンプの実施が必要・・・というルールがあるようです。


この仕組みがどこでいつから始まったのかまでは不明ですが、手技とボウルのみが主役の競技でありますので、ボウルのクオリティ管理はそれだけ厳しい、ということかと思います。


このことから推測するに、今回のボウルには現行品のようなスタンプはありませんが、まずは製造年を記載し、製造から13年経った1987年以降は使用禁止とした・・・ということなのではないでしょうか。





ほぼ半世紀が過ぎたボウル。


すこし潰れた球形は程よく手に馴染み、あまたある小傷は使われてきた証として風格をましております。


伝統的スポーツのファンの方はもちろん、英国文化がお好きな方へはまたとないオブジェとしてお楽しみいただけることと思いますが、いかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.1974年

◆素材:樹脂

◆サイズ:直径約8.8cm 高さ約8cm

◆重量:641g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や傷みなどがみられます。

*ディスプレイ用に現行品の木製リングをお付けいたします。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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バスケットからの脱出 / Vintage Adam Binder Editions Palm Charm "CRAB" 2002

 イングランドのアーティスト、アダム・バインダー作の傑作フィギュア。














リアルかつどこかデフォルメされた一匹のカニ。ひっくり返せば折りたたまれた多数の脚が潜んでおり、ちょっと怖いくらいの存在感です。



こちらは、当店で何度かご紹介しているイングランドのアーティスト、アダム・バインダーの作品。2002年、1000体限定で英国とアメリカで販売されました。



もともとは「ハーモニーキングダム」の造形アーティストの一人だったアダム・バインダー/Adam Binder。2001年に独立し、イングランド・コッツウォルズで自分の工房を立ち上げ、「Adam Binder Editions」として彼独特のこだわりに満ちた作品をつくってきました。基本的には限定生産で、追加の生産はないことから、彼の作品は世界中でコレクターズ・アイテムとなっています。素材は大理石の粉と樹脂をまぜた独特のもので、しっとり、ずっしりとした質感と巧みな発色が作品の魅力をさらに高めています。


今回ご紹介する「CRAB=カニ」は「Adam Binder Editions」のなかでも「Palm Charm/パームチャーム」というシリーズのひとつ。パームチャームは基本的に本体のどこかに貫通する穴が開いており、チャームとして紐などで下げることができる、というシリーズです。


このカニも、よくみれば左のハサミが若干大きくなっており、その部分に穴が貫通しておりますので、斜めになりますが吊り下げることが可能。ただし、アダムの作品は大理石の粉と樹脂をまぜた独特のもので、衝撃を与えると割れることがございますので、身に着けて歩く・・・ということに関しては、十分気を付けていただきたいと思います。



世界中で生息するカニはもちろん英国にも生息しています。英国では昔から「Crabs in a bucket」という言い方があり、1匹がバケツから逃げ出そうとしても、他のカニがそれを引きずり下ろすという習性から、「誰かの成功を妬み妨害し、みんなを同じ低いレベルに引き留めようとする風潮」を自嘲的に表現したものとして有名です。日本でいうと「出る杭は打たれる」といったところでしょうか。


アダムはこのカニにどんなイメージを込めたのでしょうか。



2013年から彼はブロンズ彫刻を主体とする活動をしており、このような作品はほとんど作らなくなりました。ブロンズ彫刻はとてもとても素晴らしいものですが、それはまさに「芸術」としての存在となっているため、彼独特の造形センスが活かされた小さな作品を多く揃える悦びは、年々難しくなっていくのは間違いありません。


アダム・バインダーの希少な傑作小品は、手に入れるともう手放せなくなる、蠱惑的な魅力を秘めています。今もし貴方が手に入れることが出来るなら、手に入れておくべきひとしなといえるでしょう。


リアルでどこか可愛らしく、そしてちょっと怖いカニ。
いつまでも変わらない小さな存在を、是非お手元で愛でてみてはいかがでしょうか。




◆England
◆推定製造年代:c.2002年
◆素材:石材・樹脂等
◆サイズ:約4.3×4cm 幅約4.1cm 厚み約2.3cm
◆重量:27g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*新品ではございませんが、とても良いコンディションです。
*専用箱はございません。アダムバインダーエディションズの簡易的なパッケージをお付けします。
*パッケージには若干の擦れやつぶれ、歪み、汚れなどがみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。



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さあ晩餐を始めよう/ Antique Dinner Gong

 英国アンティーク、ディナーゴング。
















「ディナーゴング/DinnerGong」ご存じでしょうか。


それは主に夕食の準備ができたことを知らせるために鳴らす大きな金属製の銅鑼(ゴング)のこと。家庭やホテルで食事の時間(Dinner Time)を通知する役割を持っています。


アジア圏において戦争などの時に打ち鳴らす銅鑼が由来とされており、国際貿易の発達によって英国に入ってきたと考えられています。

ヴィクトリア時代にはディナーゴングは中流から上流家庭で使われることが多くなり、ディナーのための装いを始めるためにメイドが「ドレッシングゴング」を鳴らし、追って「ディナーゴング」を鳴らしたりしたようです。生活の中でいかにディナーが特別なものであったのかがよくわかるアイテムといえるでしょう。


形としてはまさに銅鑼のように円盤を吊ったものから、テーブルベルと融合して鐘の形のものまでいろいろなタイプがありました。壁に掛ける、もしくは自立する形で、鳴らすためのバチ(マレット)が別でついているのがお約束です。




今回ご紹介するのは、ディナーゴングのなかでも鐘を吊ったタイプのもの。比較的小型ですので、大きなお屋敷・・・というよりは、小さめのお家で使われていたものかもしれません。バチは木製で、後年のものと思われます。


鳴らすとやや控えめな音色が響きます。よろしければ動画にてご確認ください。





鐘を支える構造体は見事な杢目のオークの無垢材。船の舵輪を思わせるようなデザインが施されています。ひょっとして海に関係があるお家で使われていたのかもしれません。



レセプションベルやテーブルベルとは少し異なる趣をもつディナーゴング。そのままディスプレイされても絵になりますし、実用にお使いいただくのもよろしいかと思います。



かつての習慣を今に伝える英国アンティークを貴方の暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。



◆England
◆推定製造年代:c.1880-1900年代頃
◆素材:オーク、真鍮、他
◆本体サイズ:ベース直径約10cm 幅約15.6cm 高さ約16.8cm
◆重量(バチ含む):273g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*バチはそれほど古いものではございません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。 




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