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Thursday

ヴィクトリア時代の道具で炎を摘まむ / Antique Victorian Candle Snuffer

 英国アンティーク、キャンドルスナッファー。













英国のアンティークフェアで手に入れたキャンドルスナッファーのご紹介です。


キャンドルスナッファーとは、ろうそくの火を消すための道具。厳密にいえば、大きく2つの形状があります。


ひとつめは、ハサミ状の形で刃の部分に小さな箱がついているもの。灯のともっているキャンドルの芯をハサミの要領でカットし消し、カットした芯は小箱に入り、次は新しい芯に火を灯すことができる、という仕掛け。ちなみに尖っている先端は刃ではなく、ただ尖っているだけで、蝋に埋もれた芯を掘り出すためのものです。この仕掛けを考案したのは(パテントをとったのは)1776年英国にてChristopher Pinchbeckが行っています。


ふたつめが、長い柄の先にドーム状のものがついているもの。灯のともっているキャンドルの先にぱかっとかぶせ、酸欠状態にして火を消します。こちらのほうは「candle extinguisher」「douter」などとも呼ばれます。おそらくこちらのほうが歴史は古く、始まりははっきりしません。


息を吹きかけて消すと、煤がとんだりしがちであるところですが、このような道具を使えばそっと静かに火を消すことができます。キャンドルが日々の暮らしに根付いている国だからこそ、ある道具といえるでしょう。



さて、今回ご紹介するのはは前者のタイプのキャンドルスナッファーです。このタイプは「Candle Wick Snips」や 「Wick Trimmer」「Candle Trimmer」とも呼ばれます。(「wick」は芯、「snips」は切り取り、の意味)


作られた時代は古く、ヴィクトリア時代と推測いたします。材はなにがしかの金属に黒い塗装仕上げ。一部に金彩の模様がみられます。


当時キャンドルスナッファーの高級品としてはスターリングシルバー、準じて銀メッキ仕上げだったかと思います。このような黒仕上げのものは恐らく庶民が使っていたのではないでしょうか。


比較的小ぶりでコンパクト。開閉部分はしっかりと可動しますので現在でも十分にキャンドルの炎を消すことができます。

ただ、実際に試してみましたが、正直「キャンドルの芯を切る」というよりは、「挟み込んで消す」という使い勝手でありましたので、どうかご了承をお願いいたします。


使っている様子を動画にアップいたしましたので、よろしければご覧ください






ヴィクトリア時代から、このスナッファーはどれほど沢山のキャンドルの炎を消してきたのでしょうか。庶民の生活で当たり前に必要だった道具は、歳月を纏い、心惹かれる魅力を放っています。


炎を消すたび、遥かヴィクトリアンの英国を感じてください。



◆England

◆推定製造年代:c.1880-1890年代頃

◆素材:金属

◆サイズ:全長約13.4cm 幅約4.6cm 高さ約2.2cm

◆重量:43g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪みや塗装の剥がれ等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*可動はスムーズです。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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言葉を磨くヴィクトリアンの犬 / Antique Mahogany Hand Ink Blotter with Dog

 英国アンティーク、ハンドインクブロッター。
















ブロッター/ Blotter、ご存じでしょうか。


正式にはハンドインクブロッター。ディップペンや万年筆などで書いた筆跡の上を手で転がして、余分なインクを吸い取るための道具のことです。


歴史は古く、大きくとらえれば「インクで書く」と同時に「書いた後に吸い取る」ツールは存在していました。アフリカでは砂と粘土と太陽が、中世の修道院ではイカの骨から作られた粉が使用されていたといわれています。



そして1800年代初頭には、ハンドインクブロッターが登場しました。木、石、金属、磁器、またはガラスで作られており、小さなハンドル、湾曲したベース、テキストの上で揺すって余分なインクを取り除くことができるフェルトの底を備えていました。1800年代半ばまでに、紙の発達により紙がフェルトに取って代わられることが多くなりました。


そして20世紀半ばのボールペンの登場により、ハンドインクブロッターの市場は急速に縮小することになります。




そんな歴史をもつブロッター。


今回ご紹介するのは、艶めくマホガニー材と特徴的な犬のハンドルがついた、英国からの逸品です。犬は少々怖い形相で、何かに向かって吠え掛かっているようです。犬種は推測ですが、細身の体躯、小さめの耳、長い鼻、くるりと細長い尻尾から、グレイハウンドの一種かな、と思います。


そして犬種と犬の状態から、ハンティングに関連する品物ではないかと推測いたします。ハンティング好きな紳士の持ちものだったのかもしれません。時代は古く、ヴィクトリア時代中期1870年代頃のものと思われます。


犬のハンドルは回すと外すことが出来、吸い取り紙を交換することが出来ます。がっしりとしたネジと無垢材のマホガニーを堪能しながら紙を交換する行為は、なんとも贅沢な気持ちになるのではないでしょか。


文章を手で書くことが減った現代。でもだからこそ、趣味でカリギュラフィーをされる方がいたり、大切な方へのメッセージカードを書いたりすることは、必要な事ではなく、特別なこととしてとらえられるようになってきました。


ディップペンや万年筆で書き、丁寧にブロッターをかければ、貴方の言葉にさらに磨きをかけたような気持ちになることでしょう。もちろん印鑑の仕上げにもおすすめです。


英国アンティークの特別なひとしなを、貴方の日常に加えてみてはいかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.1870年代

◆素材:マホガニー、真鍮、他

◆サイズ:幅約16cm 奥行き約6.4cm 高さ約8cm

◆重量:453g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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銀のアザミを両袖に / Antique Sterling Silver Cufflinks with Thistle

 英国アンティーク、スターリングシルバーのカフリンクス。













紳士の装いの総仕上げ、カフリンクス。


袖口からちらりと見える小粋なカフリンクスは、紳士の人となりを凝縮したようなアクセサリーであるような気がします。


ちなみに、「カフリンクス/Cufflinks」とは、日本では「カフスボタン」と呼ばれるもの。英国では「cuff button/カフボタン」はジャケットやシャツに縫い付けられたボタンを意味します。カフリンクスの起源は17世紀フランスと言われており、袖口にもなにかアクセントが欲しい、ということから生まれたという説がございます。


カフリンクスには様々なタイプがありますが、現代ではフェイス(飾りがある表側)に対し、バッキング(裏側)がT字状となっている「スウィヴル式」とよばれるものが主流となっています。



今回ご紹介するのは、古いタイプのチェーン式(Chain link)カフリンクス。フェイスとバッキングを鎖で繋いだ古典的なタイプで、カフリンクスの始まりから、1920年代頃まで多く使用されたものです。



フェイスには片側に「Thistle/あざみ」、片側に斜めのストライプが入ったもの。ガラスのエナメル仕上げで、触るとすべすべと滑らかです。アザミはスコットランドの象徴、そして斜めストライプはレジメンタルタイにみられるように軍隊を象徴するものですので、スコットランド関連の軍隊に由来するものと推測いたします。


販売していた英国のディーラーによれば「London Scottish Regiment/ロンドン・スコティッシュ連隊(1852-)」のものではないか、とのことでしたが、残念ながら該当の連隊の色味は少し異なっていました。ひょっとしてそこから派生したどこかの部隊のものなのかもしれない、と思い調べましたが、部隊名は特定できませんでした。



背面にはスターリングシルバーの証、ライオンパサントと、デイトマークがみられます。4枚とも同柄で、アセイオフィスのマークはついておりません。あまりないパターンですが、何かとのセットで、そちらについていたのかもしれません。デイトマークは下部が丸みがかったシールドに「O」。該当するのはバーミンガムの1913年となります。



数少ないジェントルマン・アクセサリーのなかで、もっともさりげなく目立ちにくいだけに、こだわりを持つ方が多いカフリンクス。そこにアンティークのひとしなを加えることで、更なるこだわりの装いとなることでしょう。


カフリンク愛好者の方、そしてスコットランドを愛する方におすすめの、稀有なアンティークアクセサリーです。




◆England

◆推定製造年代:c.1913年

◆素材:スターリングシルバー

◆サイズ:約1.7×1.1cm 厚み約0.2cm(1個のフェイスの大きさ)

◆重量:11g(2個セットの重さ)

◆在庫数:1セットのみ(ケースは付属しません)



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





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本を休めるオークの槽(ふね)/ Antique Oak Book Trough

 英国アンティーク、ブックトラフ。

















トラフ/Troughとは、「(細長い)飼葉おけ」「槽(ふね)」「くぼみ」や「谷」という英語。そして、ブックトラフ/Book Troughとは、本を置く棚部分がV字谷のようになっていて、本を約45度傾けて収納するようになっている本棚のことをいいます。


場所は少々とりますしハードカバーでないとしっかりと収納できない、というものではありますが、角度がついて出し入れしやすくタイトルが見えやすい、というメリットがあります。



英国アンティークの小家具で、ブックトラフはひとつの定番。

素材は実用的なオークから、最高級のマホガニーや化粧張りのウォールナットまで、フォルムは1段だけでデスクトップに乗せるもの、2-3段程度で床に置くものから、1段のトラフの上に天板は水平なものをつけて、そこで本が開けるようになっているものなど様々なタイプがございます。


今回ご紹介する1段のブックトラフは、デスクトップ用。素材は英国伝統の家具材、森の王オーク。無垢のオーク材を贅沢に削り出し、エッジに緩やかな丸みをつけて組み合わせた・・・ただそれだけの小家具。


それだけではありますが、オーク材がもつ本物の質感、シルバーグレイン(虎斑)が浮き出た杢目、硬くてしっかりした重厚感、材をとめたマイナスネジの頭の丸み、等々が一体となって醸し出すものは、得がたい雰囲気となって所有者の心を満たします。



デスクやサイドボードのうえにおいて、本当にお気に入りの本を並べて。

・・・なんとなくではありますが、ブックトラフに置かれた本、やけに寛いでみえるのは、私だけでしょうか?



◆England

◆推定製造年代:c.1900年代頃

◆素材:オーク

◆サイズ:幅約42.3cm 奥行き約22.8cm 高さ約14.1cm

◆重量:734g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の僅かなワレや塗装の剥げ等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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