英国アンティーク、ヤマアラシの針毛でできたペン軸のつけペン。
当店では二回目となる、ヤマアラシの針毛のペンのご紹介です。
ヤマアラシ、英語で「Porcupine」。
種類は多く、南ヨーロッパや北アフリカが主な生息地となります。草食性の齧歯類であり、天敵から身を守るための針毛(とげ)が最大の特徴。敵に出会うと背中の針を逆立て、威嚇するだけでなく、相手に対し後ろ向きに突進する攻撃的な面ももちます。針毛は硬く、強度はゴム製長靴を貫く程であるといいます。
そんなヤマアラシの針毛は、古くからつけペンの材料として重宝されていました。
つけペンの材料としてまず思い浮かぶのは鳥の羽根。軽く細く、ある程度丈夫で、さらに中空であることから、先端を加工してつくられる羽ペンは古くから使われてきました。同じ理由で植物の葦も使われていたようですが、やはり羽根の方が使い勝手はよかったようです。特に大型の鳥の、風切羽根が重宝されました。
一方でヤマアラシの針毛は、古くからジュエリーやその他の工芸品の装飾、楽器のパーツとして使用されてきました。そしてもちろん、鳥の羽根と同じ理由でつけペンとしても。
ただ、鳥の羽根やヤマアラシの針毛は、ペンとして使うには消耗品でありました。何度も使えばすり減るため、その度にカットして使うものの、やがては使えなくなっていく・・・。金属加工が発達し、性能の良いペン先が量産されるようになっていくに従って、鳥の羽根やヤマアラシの針毛をつかったつけペンは減りますが、古くからあるデザインとして、そのものをペン軸とし、先に金属製のペン先をつける、ということが行われるようになっていきます。
今回ご紹介するつけペンも、そんなもののうちのひとつ。
まず、ペン軸の先部分には「Wm MITCHELL'S WITCH PEN」の文字が見られます。
「WILLIAM MITCHELL/ウィリアム・ミッチェル」とは、1825年創業の英国のペンメーカー。1925年には他社と合併してバーミンガムで「British Pens」を設立。その後様々な経緯を経て、現在は「WILLIAM MITCHELL calligraphy/ウィリアム・ミッチェル(カリグラフィー)社として製造販売を行っています。また「WITCH PEN」は現在も同社で販売されているシリーズですが、それは特殊なペン先をしていて、うまく使えば中抜けなどの飾り文字が書けるようなペンをさしており、ペン軸で「WITCH PEN」という名前のものはみつけることができませんでした。昔から同社の製品名として使われてきた、ということかもしれません。
参考・WILLIAM MITCHELL calligraphy オフィシャルサイト ABOUT US の頁
https://williammitchellcalligraphy.co.uk/about-us/
WITCH PENSの頁
https://williammitchellcalligraphy.co.uk/product/witch-pens/
またペン先には「BRITISH PENS Ltd」の文字がみられます。これは先述のウィリアム・ミッチェル社が他社と合併後1925年に作った会社名。おそらくペン軸のほうが古く、後年ペン先がはめ込まれたと考えたほうがよさそうです。そしておおきく「G」の文字。
現在でも代表的なペン先である「G」ペンですが、これはこのウィリアム・ミッチェル社に由来するという説が有力です。
1843年同社は、Aから始まる大きな文字をエンボス加工したペン先のシリーズを発売。これは小さなペン先にモデル番号やモデル名を彫るのではなく、大きな文字とすることで容易に認識できるようにすることが目的でした。一応AからZまで(その間のすべてのアルファベットがあったかどうかは不明)多くのモデルが作られましたが、その中で一番人気があり需要が高かったのが「G」モデル。これがペン先の定番のひとつとなり、他社もそれに倣った・・・ということです。
古来から使われてきたヤマアラシのとげのペン軸。
「G」ペンの元祖ともいうべきペン先。
このつけペンは、ペンの歴史を詰め込んだ細く軽く鋭いひとしなといえるでしょう。
書くことがお好きで、そしてそれが大切なこととお考えの貴方へお届けしたい、英国アンティークのひとしなです。
◆England
◆推定製造年代:ペン軸は1900年代頃、ペン先は1925年以降。
◆素材:金属、ヤマアラシの針
◆サイズ(ペン先装着時):全長約20.8cm
◆重量:3g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*ペン軸はヤマアラシの針毛なので、凹みや反りなどがございます。
*先端は鋭いです。お取り扱いには十分ご注意ください。
*ペン先を交換する際にそのまま引っ張ると金属部分ごと外れてしまいます。抑えながらゆっくりと外してください。
*ペン先を差し込むときに少しコツが必要です。
*ペン先は現代日本で販売されている一般的なペン先(Gペンやかぶらペン、日本字ペン等)へ交換が可能です。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A



















































