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Wednesday

愉しさを仕舞う上質な木箱 / Antique Playing Card Box with Card

 英国アンティーク、木製プレイングカード用ボックス。

















英国の大きなアンティークフェアで手に入れた、プレイングカード(トランプ)用ボックス。


きれいな表情を持つ木製で、蓋にはそれぞれのマークのエースのカードがデザインされています。


箱の材は定かではありませんが、素直な杢目であるため、アッシュ(日本でいうタモ)材あたりかと思います。


秀逸なのは蓋部分のデザインの細部。よくよく見ればカードの周囲や柄などには細い細い真鍮が回されており、それがカードの存在感を際立たせているのがわかります。蓋の外周にも波状の真鍮が回され、木仕上げの濃淡を分ける程よいポイントとなっています。


カードの白い部分はひび割れがありますが、これはおそらくその部分だけがエナメル仕上げだからでしょう。当初からなのか、経年変化で割れたのかもしれませんが、現時点で安定しておりこのひび割れが原因で剥落したりすることはなさそうです。


箱にはプレイングカードが2デッキ納められています。英国人ならだれでも馴染みがある「WH Smith」のもので、比較的新しいものです。おそらく、この箱を持っていた人が仕舞っていたのだと思います。買い付け時そのままに、箱に納めてお届けいたします。


なお、ご存じかもしれませんが「トランプ」とよぶのは日本だけ。

基本的に英語圏では「プレイングカード/Playing Card」とよび、「トランプ/trump 」とはプレイングカードを使った幾種類かのゲームのルールにある切り札の意味となります。

日本の「トランプ」の由来は定かではありませんが、一説には欧米の人がゲームをしているときに「トランプ(切り札)」といっているのを聞いた日本人が、カードそのものを「トランプ」とよぶようになったのではないかといわれています。



このまま「トランプ」入れとしてお使いいただいても、仕立ての良い木箱としてアクセサリーや時計などの小物を入れていただいても、十分お役に立ちそうです。

ゲスト用のゲームグッズとしてリビングにディスプレイいただいても素敵。

愉しさを仕舞う上質な木箱として、いつまでもお傍に置いていただきたい、英国アンティークのひとしなです。



◆England

◆箱の推定製造年代: c.1930年代頃

◆素材:木、紙、他

◆サイズ(外寸):幅約16cm 奥行き約12.2cm 厚さ約3.8cm

◆サイズ(内寸):仕切り内1か所あたり約6.7×10cm深さ約2.5cm

◆総重量:362g

◆在庫数:1セットのみ(トランプ2デッキ、及び木箱)



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*カードは全て揃っています。

*箱には特に閉めておくための金具や鍵などはありませんが、蓋と本体はぴったりとはまり、開閉に支障はございません。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

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モノトーンのダブルナインはいかが/ Antique Double Nines Domino Set in Wooden Box

 英国アンティーク、木箱入りドミノ牌(ダブルナイン)セット。























ドミノ。



日本ではゲームの一種、というよりは「ドミノ倒し」としての認識が高いかもしれません。



もちろんそれだけではなく、ルールをもつ立派なゲームであることを、まずご説明いたしましょう。

由来は定かではなく、一説によれば中国の天九牌が起源とされており、それがシルクロードを経由しつつ、いつの間にかドミノという遊びに変化したともいわれています。確かに牌のデザインは酷似していますが、遊び方は異なるため、ヨーロッパ起源とする説もあります。

またマルコ・ポーロ(1254-1324)が持ち帰ったという話もありますが、 18世紀中頃イタリアとフランスで使われていたという史料しか確認されておらず、やはり期限は定かではありません。


遊び方はいろいろありますが、基本的なものはドミノを伏せてよく混ぜ、定められた個数ずつ取り、一番大きな目から始めて順に同じ目のドミノを並べていく (6-6に6-1,1-5など) 。だれかが手持ちのドミノを出し切ったら終了・・・というもの。


並べていくときに牌をぴったりくっつけるように並べる為、エッジは平らとなっています。

またぶつけるように並べたときに気持ちの良い音がでるよう、牌には硬い素材が使われてきました。基本は背面が「エボニー/黒檀」、表面は「アイボリー/象牙」もしくは「ボーン/骨」。伝統的にモノクロで(最近は色付きもありますが)、お互いを小さい釘を使って留めるのが一般的です。




18世紀中頃以降、19世紀には英国でもよく遊ばれており、例えばチャールズ・ディケンズの「二都物語(1859年発表)」では、酒場の描写で「ドミノをやっていた連中は何か考えながらドミノで塔を作っている」という一文があります。


・・・カッコいいゲームのシーンをご紹介したかったのですが、ディケンズの小説でもこんな描写をみつけてしまいました。


正直申し上げて、確かにドミノはルールのあるゲームなのですが、牌の形状ゆえに塔を作ってみたりする(そしてやはり並べて倒してみたりしたくなる)という行為が昔から行われてきた、ということでしょう。


ちなみに最大の目が「6」のもの、通称「ダブルシックス」が一般的で、この場合の牌の数は28枚となります。



さて、今回ご紹介するセットは、一般的な「ダブルシックス」より多い「ダブルナイン」。

最大の目が9であるため、55枚のセットとなります。最大の目が12・15・18(それぞれ1組91枚・136枚・190枚)などのものも市販されているようですが、あまり見かけることはありません。


オリジナルの木箱に入っており、55枚のフルセット。伝統的な仕上げであり、背面は「エボニー/黒檀」、表面は「ボーン/骨」と思われます。年代は古く、ヴィクトリアンの終わりから20世紀初頭と推測いたします。


多少の傷みはあるものの、ほぼなんとか自立いたしますので、通常のゲームはもちろんドミノ倒しもお愉しみいただけるのではないかと思います。ただ、背面と表面の重さが違うようですので、立てる際には十分注意深く観察しながら行うことをお勧めいたします。


様々なドミノのゲームをじっくり試してみるのもよし。

ディケンズの酒場の描写よろしく、塔を作ってみるのもよし。


100年を超えてきたアンティークのドミノで、貴方なりのお愉しみをみつけてください。




◆England

◆推定製造年代:c.1890-1910年代頃

◆素材:木、骨(おそらく)

◆箱サイズ:約27.5×6cm 高さ約6.4cm

◆牌サイズ:約2.1×4.5cm 厚み約0.8-0.9cm

◆総重量:897g

◆在庫数:1セットのみ(木箱及び牌55枚で1セット)



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、材の欠け等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*木箱の木組みには若干の緩みがみられますが、ご使用可能です。

*底部分もスライドして外れますので蓋と間違えないようにしてください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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船乗り王の時代から世紀を超えて/ Antique William IV Small Tilt Top Table

 英国アンティーク、マホガニー無垢材で出来たウィリアム四世様式の小テーブル。






















英国中東部にある小さな町。


郵便局にコープ(スーパーマーケット)。パブと中華料理店、フィッシュバー(フィッシュ&チップスの店)が一軒づつ。そんな英国の小さな町を絵にかいたような村役場のホールで、時折アンティークフェアが開かれます。


小さなアンティークフェアは英国のあちこちであるのですが、ここのフェアはクオリティが高いものが多く、買い付けで訪れる際に日程があえば、必ずお邪魔するようにしています。




今回訪問時に、真っ先に目に留まったのがこのテーブル。


会場中央に版画や小物に交じり並べられておりました。販売していたのは白髪交じりの明るい髪色をした優し気な英国紳士。テーブルに興味をもつ私たちをみて、嬉しそうに説明をしてくれました。


「Very Old Mahogany Tilt Top Table. Probably Apprentice Piece ?...1830'S or more old .」


Tilt Top Table/ティル(ティップ)トップテーブルとは、天板を垂直に傾けることができる1本足のテーブルのこと。古くからあり、もともとはそれほど大きくなく、お茶や朝食時に使うものでした。使わない時は立てておけば場所をとらず、使う時には天板を倒して使うように考えられたものです。


19世紀にはかなり大きなものも作られるようになり、ディナーにも使われるようになりました。天板はシンプルな物から、立てたときに鑑賞できるよう、凝った象嵌細工が施されたものまで幅広いバリエーションがみられます。


「天板をたたんで小さくなる」テーブルには他にゲートレッグテーブルがありますが、ゲートレッグテーブルはどちらかといえば庶民的。ゲートレッグテーブルをより洗練させたサザーランドテーブルやティルトップテーブルは、材はマホガニーやウォールナットが多く、高級品が多いように思います。



そして「Apprentice Piece/アプレンティスピース」とは試作品のこと。

「APPRENTICE/アプレンティス」が「見習い、初心者」などという意味ですので、大きな家具を作る前に小さくお試しとして、もしくは見習いや弟子が勉強用として作ったものに使われる言葉です。アプレンティスピースはそれほど多く作られるものではないため珍しく、ほとんどが小さくて保管しやすいため、アンティーク市場ではとても人気があるアイテムの一つです。


今回のテーブルは高さが30cmほどしかないため、大きなテーブルを作る前の試作品の可能性が高いと思われます。


また、時代的にも様式的にもこのテーブルは「 William IV/ウィリアム四世」様式といえます。ウィリアム四世(1765-1837)とは在位はわずか7年間(1830-1837)の、ヴィクトリア女王の前の君主。青年時代海軍に勤務していたため、後に「船乗り王」(Sailor King)の愛称で親しまれた王です。


この時代に作られた家具とその様式はウィリアム四世様式とよばれ、その前のジョージアン様式によく似た特徴を持っています。

よく言えば通好み、悪く言えば地味。

それでも、繁栄する華やかなヴィクトリア時代の前夜、真面目で誠実だったといわれるウィリアム四世の人柄を反映したようなシンプルかつ上質なウィリアム四世様式は、英国家具史のなかで確実な1頁として認識されています。



そんな認識をもってこのテーブルを眺めてみましょう。


デザインは「 William IV/ウィリアム四世」様式らしくシンプルかつ上品。中央に嵌め込まれたマザーオブパールが唯一の意匠といえるかもしれません。


それでも、マホガニーの無垢材を誇るようにエッジは艶やかな曲線を描き、天板にはマホガニー独特の黄金色ともいえる杢目が浮き出ています。もちろん支柱やベース部分の無垢のマホガニー。ウィリアム四世様式のティルトップテーブルにしばしばみられる「Circular platform base(円形台座)」が特徴の一つとなっています。



大きさ的に食事は無理としても、ソファ用のミニテーブルとして十分実用にお使いいただけます。

もちろん存在そのものが美しいので、家具好きな方であれば並べておくだけで十分目を楽しませてくれることでしょう。



はるか200年近い時を経て、私たちのものとに届けられた小さなテーブル。


誰が何の目的で作ったのか。

誰がどうやって使ってきたのか。


艶やかに光る天板をみれば、さぞ大切にされてきたであろうことは想像に難くありません。


これからは是非貴方のお手元で。

更なる世紀を超えていくために、繋がる歴史にご参加ください。




◆England

◆推定製造年代:c.1830年代頃

◆素材:マホガニー、MOP、他

◆サイズ:天板直径約34.8cm ベース直径約22cm 天板水平時高さ約30cm 天板垂直時高さ約48.8cm

◆重量:約2.75g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、補修跡、材のワレや欠け等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*天板可動式のテーブルの常として、天板と支柱の関係は揺らすとわずかにカタつきますが、通常にご使用いただく分には気にならないレベルかと思います。

*支柱には一部にワレが、丁番部分には一部に材の欠けがございますが、強度的に問題ないものと判断いたしましたので、このままのご紹介とさせていただきます。

*天板の傾きを抑えるための貫用の穴には、買い付け当時からクッション材が詰められていました。これもこのままの状態でお届けいたします。

*仕上げはアンティーク家具に使われるニス使いのフレンチポリッシュです。熱や水に弱い塗装ですので十分ご注意ください。

*お茶やお酒を愉しむ際は食器を布を敷いたトレイに乗せることをお勧めいたします。

*基本は乾拭き、たまにワックスでのお手入れをお勧めいたします。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

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by d+A