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Friday

薔薇と小鳥と歪んだ真珠 / Antique Baroque Style Small Dressing Mirror

 フランスアンティーク、自立式のドレッシングミラー。




















バロック/baroque。


このミラーを見た時、その言葉を思い浮かべました。



バロックとは、ポルトガル語の「barroco/ゆがんだ真珠」を語源とし、17世紀ヨーロッパにおいて宮廷を舞台に誕生した様式のこと。均整と調和のとれたルネサンス様式に対し、自由で動的、量感あふれる装飾が特徴です。華麗でダイナミック、劇的でデコラティブなバロック様式は、「均整を欠いた美」という意味でその名前で呼ばれるようになったといわれています。


さて、ミラーをよく見てみましょう。


まずは圧倒的な真鍮の質感と、過多とも思える装飾。それらが重なり合い、唯一無二の存在感をもって見る者の心に迫ります。


モチーフは薔薇と小鳥。

他にもあるかもしれませんが、あまりに重なっているため正直よくわかりません。高さは約33cm強とこぶりですが、ずっしり重く、ベース部分には小物をいれるトレイが設えられており、鏡部分は傾けることができるようになっています。用途としてはドレッシングミラーと思われます。


全体的にわずかに傾いており、鏡をとめる支点の高さが左右で異なります。初めからこのような仕様なのか、何かの原因でこうなってしまったのかは不明。


問題なく自立し、鏡を傾けることもできますので、補助的なミラーとしてご使用になる分には問題が無いのではないかと思います。鏡の背面は厚紙で、少しだけパターンが描かれています。


17世紀にはじまったバロック様式ですが、その後時代は変わっても、どの独特の美はフランスを中心に長く愛されてきました。その様式を受け継ぐミラーは、ドレッシングテーブルのサブミラーとして置いてみたり、サイドボードの上に、テーブルランプや花々と共にディスプレイしても素敵。


フランスから来た、存在感溢れるアンティークアイテムはいかがでしょうか。


◆France

◆推定製造年代:c.1930-1950年代頃

◆素材:真鍮、鏡、紙等。

◆サイズ:幅約24.2cm 奥行き約17.3cm 高さ約33.4cm

◆重量:約2.2kg

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*鏡は傾き、ある程度傾いたままで安定しますが、傾きを留めておく機構はありません。

*鏡部分は、最下端がわずかに鏡のエッジが見えています。

*全体に少し傾いています。また鏡をとめる支点の高さが左右で異なります。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A


在りし日の古都をアルバムに / Antique 12 Photographs ANCIENT YORK

 英国アンティーク、古都ヨークの写真セット。














古都ヨーク。


イングランド北部の中心都市で古い歴史を持つ町。その名前が由来のヨークシャーは、ヨーク家の白薔薇を州のシンボルとして掲げています。


今日はそんな古都ヨークの、古い写真セットのご紹介です。


現在の一般的な絵葉書よりもずっと小さいサイズの白黒写真が12枚セットになっています。紙のパッケージには以下の文字が書かれています。



VALENTINES SNAPSHOTS

12 REAL PHOTOGRAPHS FOR YOUR ALBUM

ANCIENT YORK


ヴァレンタインのスナップショット

12枚のリアルな写真を貴方のアルバムに

昔のヨーク



製造は、スコットランドのDundee/ダンディで1851年、James Valentine (1815-1879)によって設立された「Valentine & Sons」。

かつてスコットランドを代表した絵葉書メーカーです。

James Valentineの死後は二人の息子が跡を継ぎますが、1963年にはJohn Waddington Limited (後のホールマーク)へ買収されました。





そして背面にはスタンプが押されています。


EDWIN STORY

BOOKSELLER & STATIONER

9 MINSTER GATES, YORK


「EDWIN STORY」というヨークにある本と文房具のお店で販売されていた、ということでしょう。EDWIN STORYについて詳細は不明ですが、1920年頃にはこの地で商売をしていた記録があります。



つまり、この写真セットは1920-1930年頃、Valentine & Sonsによって製造され、ヨークのEDWIN STORYで販売されていたもの。


何枚か写真を見てみましょう。それぞれ、裏面にキャプションが書かれていますので、どこだかわかるようになっています。


「Petergate/ピーターゲート」はヨークの中心部に在る通りの名前。

「Entrance to Merchant Adventurers Hall/マーチャントアドベンチャーズホール、エントランス」1357年よりあるギルドホールのゲートハウス。


写真が撮影された年代は不明ですが、おそらくは1870年代から1880年代以降、写真が比較的一般的になってきたくらいではないかと推測いたします。



また、1920年から1930年代といえば、一般の人々も高価とはいえ自分のカメラを持ち、旅先で写真を撮ってアルバムを作れるようになっていた頃。

この「VALENTINES SNAPSHOTS」シリーズは他の都市、例えばロンドンも発行されておりますので、各地でこの「古い」写真をお土産に購入し、自分の写真と並べてアルバムに貼って愉しんでいたのではないでしょうか。


現代は「リアルな写真をアルバムに貼る」機会はなかなか無いかもしれません。でもだからこそ、特別な機会には本物を使いたいもの。



貴方の大切なアルバムに在りし日の古都の情景を添えて。

もちろんフォトフレームに納めてみても素敵です。


英国アンティークの小品を是非お手元でご堪能ください。




◆England(Scotland)

◆Valentine & Sons

◆推定製造年代:c.1920-1930年代頃

◆素材:紙

◆パッケージサイズ:約9×7.5cm

◆写真サイズ:約8.4×6.8cm

◆総重量:29g

◆在庫数:1セットのみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。

*紙ケースの蓋は一部破れて離れています。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A


古き果実の木を味わう / Antique Small Stool

 英国アンティーク、スモールスツール。




















英国の小さなホテルで行われていたアンティークフェア。



宴会場を利用してそれほど多くは無いディーラーが集まる小規模のフェアで、入場料は1ポンド。ただ、なかなかクオリティが高く面白いものが集まるので、時間が合えば必ず訪れるフェアです。今回はオフィシャルな開催日の前日、夕方から始まるトレード・デイに間に合いました。


そこで見つけたのが、今回ご紹介するスモールスツール。小さな体に似つかわしくないずっしりとした重みと風格に、どうしても欲しくなって手に入れてしまいました。


「古いよ。とにかく古い。/ It's So Old !」


年代に関して、ディーラーからの情報はそれだけ。


これは単なる私の経験で、明文化されたものではないのですが、彼らが「アンティーク/Antique」とか、「古い/Old」等という言葉を使うのは19世紀、及びその前。20世紀に入ったものはあまりそういう言葉は使いません。その彼らが「So Old !」というのは、19世紀初頭とか18世紀を差すことが多いように思います。




このスツールをよくよく見れば、座面部分は固く重く、それほど目立たない杢目をもつ木を使っています。表面は滑らかで、一部には深いところから揺らめいてくるような輝きの杢がみられます。おそらくは材はフルーツウッドでしょう。これは果実のなる木の総称で、チェリーとか林檎とかの木のこと。英国のカントリーファニチャーでテーブルなどで時々みることがあります。


そして、4本の足は、1本だけ異なります。おそらくこの1本がオリジナルで、座面と同じ木でしょう。残りの3本はオークで、挽物細工のデザインがオリジナルの1本と異なっています。使っているうちに3本がダメになり、どこかからちょうど良い足を探してきて繋いだのではないでしょうか。ちなみに、よくよくみるとオリジナルの1本の足先は足し木がみられ、調整しながら使っていたことが伺えます。3本は固く丈夫なオークの木ですが、脚先は若干傷んでおりますので、外部、もしくはそれに近い環境で使われていたのかもしれません。


ディーラーからの情報(感覚的ですが)、材の具合、オーク材の傷み方、等々総合的に判断しまして、推定製造年代は1800年~1850代頃とされていただきました。


高さわずか24cm弱の小さなスツールは、簡単な作業時に女性が子供が腰かけていたのかもしれません。

もしくはテーブルに乗せて、キャンドルの灯りが手元に近くなるような台として使われていたのかもしれません。


色々なシーンで生活を支えてきた、古く小さな実用家具。


これからは是非貴方のお手元で、ともに更なる歳月を過ごしつつ、役立てていただければと思います。



◆England

◆推定製造年代:c.1800年~1850年代頃

◆素材:木(おそらくフルーツウッド、オーク)

◆全体サイズ:幅約26.3cm 奥行き約26.5cm 高さ約23.4cm(脚の開き方が均一ではありません)

◆座面サイズ:約26.3×19cm

◆重量:約1.3kg

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の割れや変色、傷み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*しっかりとしており、ぐらつきはございません。

*体重のごく軽い方でしたら腰かけても大丈夫かと思いますが、耐荷重などは保障しかねますので、ご自身の判断でご使用ください。

*踏み台としてのご使用はおやめください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

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