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Friday

古き果実の木を味わう / Antique Small Stool

 英国アンティーク、スモールスツール。




















英国の小さなホテルで行われていたアンティークフェア。



宴会場を利用してそれほど多くは無いディーラーが集まる小規模のフェアで、入場料は1ポンド。ただ、なかなかクオリティが高く面白いものが集まるので、時間が合えば必ず訪れるフェアです。今回はオフィシャルな開催日の前日、夕方から始まるトレード・デイに間に合いました。


そこで見つけたのが、今回ご紹介するスモールスツール。小さな体に似つかわしくないずっしりとした重みと風格に、どうしても欲しくなって手に入れてしまいました。


「古いよ。とにかく古い。/ It's So Old !」


年代に関して、ディーラーからの情報はそれだけ。


これは単なる私の経験で、明文化されたものではないのですが、彼らが「アンティーク/Antique」とか、「古い/Old」等という言葉を使うのは19世紀、及びその前。20世紀に入ったものはあまりそういう言葉は使いません。その彼らが「So Old !」というのは、19世紀初頭とか18世紀を差すことが多いように思います。




このスツールをよくよく見れば、座面部分は固く重く、それほど目立たない杢目をもつ木を使っています。表面は滑らかで、一部には深いところから揺らめいてくるような輝きの杢がみられます。おそらくは材はフルーツウッドでしょう。これは果実のなる木の総称で、チェリーとか林檎とかの木のこと。英国のカントリーファニチャーでテーブルなどで時々みることがあります。


そして、4本の足は、1本だけ異なります。おそらくこの1本がオリジナルで、座面と同じ木でしょう。残りの3本はオークで、挽物細工のデザインがオリジナルの1本と異なっています。使っているうちに3本がダメになり、どこかからちょうど良い足を探してきて繋いだのではないでしょうか。ちなみに、よくよくみるとオリジナルの1本の足先は足し木がみられ、調整しながら使っていたことが伺えます。3本は固く丈夫なオークの木ですが、脚先は若干傷んでおりますので、外部、もしくはそれに近い環境で使われていたのかもしれません。


ディーラーからの情報(感覚的ですが)、材の具合、オーク材の傷み方、等々総合的に判断しまして、推定製造年代は1800年~1850代頃とされていただきました。


高さわずか24cm弱の小さなスツールは、簡単な作業時に女性が子供が腰かけていたのかもしれません。

もしくはテーブルに乗せて、キャンドルの灯りが手元に近くなるような台として使われていたのかもしれません。


色々なシーンで生活を支えてきた、古く小さな実用家具。


これからは是非貴方のお手元で、ともに更なる歳月を過ごしつつ、役立てていただければと思います。



◆England

◆推定製造年代:c.1800年~1850年代頃

◆素材:木(おそらくフルーツウッド、オーク)

◆全体サイズ:幅約26.3cm 奥行き約26.5cm 高さ約23.4cm(脚の開き方が均一ではありません)

◆座面サイズ:約26.3×19cm

◆重量:約1.3kg

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材の割れや変色、傷み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*しっかりとしており、ぐらつきはございません。

*体重のごく軽い方でしたら腰かけても大丈夫かと思いますが、耐荷重などは保障しかねますので、ご自身の判断でご使用ください。

*踏み台としてのご使用はおやめください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A