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チェスをするには人生は短すぎる / Vintage Stanton Style Chessmen with Box by CHAD VALLEY

 英国ヴィンテージ、チェス駒セット。



















チェス駒=チェスメンには様々なスタイルがあります。

ロンドンのセントジョージ・チェスクラブで1840年頃から使われていた駒のデザインであったことから名づけられたセントジョージスタイル。

チェスゲームで人気があったパリのカフェ・デ・ラ・リージェンス/Cafe de la Regenceにちなんで名づけられたリージェンシースタイル。



そして今回ご紹介するチェスメンは「スタントン・スタイル」です。



これは現在も公式に使われている駒の形で、第一回ロンドン国際大会・1851年から使われているもの。それまではまちまちの形をしたチェス駒が使われて、よく問題が起こっていたそうです。この駒の形に決めたのが、当時世界最強プレイヤーといわれていた英国人Howard Staunton/ハワード・スタントン(1810-1874)。

それ以来、このようなスタイル・形をスタントンスタイルとよぶようになりました。現在、最もメジャーなスタイルといってもよいでしょう。


緻密な杢目のボックスウッドから掘り出された駒は、キングの高さが約6.6cm。チェスメンとしてはスタンダードなサイズだと思われます。セットされた箱は松系の軽い材で出来ており、上蓋をスライドするシンプルなつくり。チェスメンを入れる箱としては一般的なフォルムです。


そして箱に貼られたラベルには「CHAD VALLEY SERIES」の文字がみられます。チャド・バレー/CHAD VALLEYとは、かつてイングランドを代表したおもちゃメーカーのこと。


もともとは19世紀にイングランド・バーミンガムにおいてAnthony Bunn Johnsonが始めた印刷事業が始まり。息子の代にハーボーン/Harborneの郊外に移転し、その場所が「チャド・バレー」と呼ばれていた地域だったことから、この名前となりました。


第一次大戦前にはおもちゃ事業を始め、テディベアやTinToy(ブリキのおもちゃ)などを生産。1938年にはロイヤルワラントも手にいれています。第二次大戦時には、おもちゃとは全く違うもの(武器ケースや病院用ベッド、その他部品など)を生産しましたが、1945年にはおもちゃ事業を再開。1960年代までには7つの工場、1000人を超える人員をもつリーディング・カンパニーに成長します。


しかし、その後の不況により1978年にはパリトイに買収され、その後、アメリカ資本系のケナー・パーカーに買収。商標名は1988年にウールワースに売却。なお、ウールワースは東アジアで生産したチャド・ヴァレーの新しいシリーズを発売しています。


今回のチェスメンのラベルは1950年代頃にみられたものですので、オリジナルのチャド・バレーが大戦後おもちゃの生産を再開して成長している頃のお品物と思われます。また、底面に「MADE IN FRANCE」の文字がみられますので、生産はフランスとなります。


「Life if too short for chess./チェスをするには人生は短すぎる」とは、イングランドを代表する詩人バイロンの言葉。


短すぎる人生であるならば、せめて貴方らしく。

頭脳のスポーツをご堪能ください。



◆England/France

◆推定製造年代:c.1950年代頃

◆駒の素材:木(ボックスウッド)

◆外箱サイズ:幅約17.3cm 奥行き約9.6cm 高さ約6.5cm

◆キング駒サイズ:高さ約6.6cm 直径約2.6cm

◆ポーン駒サイズ:高さ約3.2cm 直径約1.9cm

◆重量:339g(駒をすべて入れた箱の重量)

◆在庫数:1セットのみ



【NOTE】

*チェス駒32ピースと外箱1点、セットでのお品物です。

*チェスボードは付属しません。

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色、材のワレ等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。






アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

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