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Friday

はちみつ色の町から来た修道士の小皿 / Antique Pin Dish with Silver Rim "MONK"

 英国アンティーク、銀のエッジを持つピンディッシュ。













はちみつ色の石=ハニーストーンで出来た家々が立ち並ぶコッツウォルズの町。丘の上にある小さな町には、その大きさに似合わず、充実した品ぞろえをもつアンティークセンターが何軒もありました。


そのうちの一軒。冗談のような長い階段を上った先の最上階でみつけた、珍しいピンディッシュをご紹介いたしましょう。


まず印象的なのはそのモチーフ。


新聞のようなものを広げ、なんともえいない表情で眺めているのは「MONK/モンク/修道士」です。眺めているものはファッション誌のようにもみえ、修道士はその記事内容に感心しているのか、それとも馬鹿にしているのか、はたまた軽薄な流行を嘆いているのか・・・。どのようにもとれる微妙な表情をしています。

修道士の絵柄の部分は陶板で、転写のドットも見えないことから、恐らく手描きなのではないかと思われます。



修道士はヨーロッパでは時折見かけるモチーフで、陶器の絵皿のモチーフであったり、陶器製のお人形が人気だったりします。

そういえば、日本画や日本の絵付け陶器も、僧侶が描かれたりしていますので、それほど変わったものでもないのかもしれません。

ただ、そのアンティークセンターのカウンターにいたスタッフのおば様二人が、このディッシュをみたときに「Oh ! MONK!?」とウケていたことをお伝えしておきます。


陶板の周囲はスターリングシルバーで囲まれており、バーミンガムの錨のマーク、ライオンパサント、そして1915年を表す小文字の「r」のデイトレターが刻まれています。メーカーズマークらしきものもありますが、読み取ることはできませんでした。


直径10cm弱の小皿はピンディッシュとして作られたものかと思います。もちろんアクセサリー置きに、小銭をちょっと入れるのにも便利。なんにせよ微妙な表情の修道士がじっとそこに居りますので、なんだかちょっと楽しくなってしまうような気がするのは私だけでしょうか。


ちょっと珍しく、愉しく、そして本物のアンティークをお探しの方へおすすめする、英国アンティークのひとしなです。



◆England

◆推定製造年代:c.1915年

◆素材:スターリングシルバー、陶器

◆サイズ直径約9.8-9.9cm 高さ約1.5cm

◆重量:59g

◆在庫数:1点のみ






【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、歪みやアタリ、変色等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A


「エレマイト」はいかがでしょう / Antique Brass Pen Tray & Stanp Box by THE LOUTHAN MFG.CO.

 アメリカンアンティーク、真鍮製のペントレイ兼切手入れ。


















英国のアンティークフェアで手に入れた、真鍮製のペントレイ兼切手入れ。

ずっしりとした重量感、古びた真鍮の質感、そして蓋に浮き彫りになったロゴに魅かれ手に入れてしまいました。


文字の内容は以下の通り。


THE LOUTHAN MFG.CO.

MFRS. OF

ELEMITE

East Liverpool, Ohio




調べてみれば、これはアメリカ、オハイオ州のイーストリバプールにあった「Louthan Manufacturing Co/ルーサン マニュファクチャリング カンパニー」という陶器部品製造会社のものであることがわかりました。

ちなみに「ELEMITE/エレマイト」とは同社の発明品らしく、加熱と冷却を繰り返しても割れない磁器として、器械用に製造販売していたものでした。


The East Liverpool Carnegie Libraryによれば、同社の設立は恐らく1901年頃。The Potters herald(1899-1982にかけてオハイオ州イーストリバプールで発刊されていた新聞)の1946年1月号にも社名が掲載されておりますので、その頃までは継続していたようです。



参考:The East Liverpool Carnegie Library の頁

https://www.carnegie.lib.oh.us/1900-1909


参考:The Potters herald 1946年1月号の頁

https://chroniclingamerica.loc.gov/data/batches/ohi_jasmine_ver01/data/sn78000533/00340580345/1946012401/0408.pdf



今回ご紹介するペントレイ兼切手入れは、恐らくルーサン社の発明品「エレマイト」を売り出すためのノベルティとして作られたものではないでしょうか。

自社製品、そしてノベルティを携えて、英国までビジネスを広げようと出張してきていた・・・もしくは、アメリカで同社に縁あった英国のビジネスマンが、母国に持ち帰ったのかもしれません。


しっかりとした作りは高級感があり、ずっしりとした作りで安定感も抜群。かなり費用をかけたノベルティだったと思われます。


切手入れ部分は大きめですので、日本の一般的な切手はもちろん、クリップや画鋲などの小さなアイテムの収納に最適。いつでもさっと使えるペントレイと共に、十分実用にご使用いただけます。


20世紀初頭のアメリカンカンパニーの熱意を感じさせるデスクトップアイテムです。




◆England買付/US

◆推定製造年代:1910-1930年代頃

◆素材:真鍮、鉄

◆サイズ(外寸):幅約116.1cm 奥行約9.4cm 高さ約3.4cm

◆サイズ(箱内寸):幅約.7-4.8cm 奥行約4.7cm 深さ最大2cm

◆重量:415g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪み等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A



ダービーシャーのブルージョン/ Vintage Blue John Silver Ring

 英国ヴィンテージ、シルバーリング。












英国の大きなアンティークフェア、メイン入り口からほど近い室内会場。

天井が高く立派な建物は、他より少しばかりクオリティが高いアンティークで溢れていて、じっくり見ればどれだけ時間があっても足りないほどでした。


その中の1軒、品が良いレディのブースで手に入れたのがこのリングです。透明度の高い石に紫の縞模様が入っており、水晶の一種かな、とも思ったのですが、レディが丁寧に説明してくれました。


「これはブルージョンよ。ダービーシャーの石。」



ブルージョン/Blue John。イングランド、ダービーシャーのみで産出される蛍石(フローライト)の仲間で、透明ベースに青~紫、そして一部にイエローの縞模様が入った天然石です。


18世紀の中頃から採掘がはじまり、その美しさ、加工の容易さから装飾用の杯、壺、皿、小箱、ジュエリー、そして家具の一部装飾などに珍重されてきました。英国とフランスにおいて人気が高いのですが、第一次世界大戦中に鉄溶解炉の燃料に利用された為に、大きなブルー・ジョンはほぼ掘り尽くされてしまったといいます。現在でも少量ではありますが、採掘は続いているようです。


名前の由来は、フランス語で「Blue-yellow」を意味する「Bleu-jaune」からという説が有力。他には古い鉱山労働者が「Black Jack」と呼ばれたことから派生して「Blue John」となった、もしくは「Bleujenn」というコーンウォールの花からきている、という説もあるようです。


そんなブルージョンが使われたリング。


リングのべースとなる材はスターリングシルバー。英国においてスターリングシルバー(銀の純度92.5%)はホールマークによって管理されておりますが、ジュエリーなどの小さなものにおいては必ずしもホールマークは刻印されておらず、銀の純度を示す「925」もしくは「SILVER」「STARLING」などのみの場合もございます。今回ご紹介するリングも裏面に小さく「SILVER」の刻印をみることができます。


ブルージョンが真ん中に浮いているようにデザインされた、シンプルながらも洒落ているフォルムデザインとなっております。


紫の雲が漂う透明な空間を閉じ込めた、ダービーシャーの洞窟から来た石を是非ご堪能ください。



◆England

◆推定製造年代:c.1970年代以降

◆素材:シルバー、天然石(ブルージョン)

◆サイズ:約11.5号

◆重量:2g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、歪みや変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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by d+A


王の用事を果たすための馬小屋とは / Vintage Brass Pillar Box Money Bank

 英国ヴィンテージ、ピラーボックスの形の貯金箱。














英国の郵便の始まりはヘンリー8世(1509-1547年)の時代と言われています。

彼は自分の書簡を遠方に届けるために、「Royal mail/王家の郵便」を1516年に作りました。これは王専用のシステムで、各町に郵便配達用の馬を最低3頭ずつ配備させ、王家の手紙やお触れ、ニュースを配達させたといいます。この馬小屋は「ポスト」と呼ばれ、ポストの原型はここからきているといわれています。


今回ご紹介するのは、そのポストを模した真鍮製の貯金箱です。


フォルムとしては「 Pillar Box」と呼ばれるタイプで、自立式の屋外ポストボックスのデザインをしています。このようなスタイルは英国が始まりといわれており、基本はキャストアイアンでつくられた赤いものがベースとなっています。円柱や楕円柱、八角形や四角形など様々なバリエーションがあり、英国では歴代のピラーボックスを展示した博物館もあり、世代を超えて愛されている存在です。


正面には王冠のマークに「E-R」のロゴ、そして「POST OFFICE」の文字がみられます。ちなみに「E-R」とは「Elizabeth Regina」=「エリザベス女王」(Reginaとは現女王の意味)のこと。エリザベス一世(1558-1603)の時代には現在のような郵便システムは存在していませんでしたので、当然これはエリザベス二世(1953-2022)の在位期間中に設置されたポストをモデルにしたものである、ということになります。


仕様としてはスリットは大きめ。日本の500円玉が余裕で入ります。


一瞬、どこからだすのかわかりませんが、屋根の部分がネジで外れるようになっており、抑えながらくるくる回せば外すことができます。ネジは非常にデリケートで、雑に締めると上手くいきません。ただ、そっとなぞるように頑張って締めてみても、なぜかわずかに隙間が残ってしまうようです。この隙間がわざとなのか、たまたまこうなってしまったのかは不明。広い心でお使いいただければと思います。


427gとしっかりとした重量がありますので、硬貨を貯めていけばさらにずっしりと重くなり、本などの支えにもなってくれそうです。


元々は王の用事を果たすための馬小屋であったポスト。そう思ってみれば、街角に佇み、じっと役目を果たしている姿に、どこか品格が漂うのも頷けます。

貴方のデスクトップに設置しつつ、英国の郵便の歴史を紐解いてみるのはいかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.1953年以降

◆素材:真鍮

◆サイズ:直径約6.3cm 高さ約13.5cm

◆重量:427g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*説明文中にもありますが、蓋と本体にわずかに隙間が残ります。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A