Search This Blog

Tuesday

Season’s Greetings  ~ご挨拶と独り言~

 



アンティークという特殊な業界にかかわってから、既に15年以上が過ぎました。


もともとはインテリアデザイン、その後に商品企画という仕事に長くかかわってきました。常に新しい提案と厳しい品質管理を求め、品質に満たないものはやり直しを、不要な物は廃棄をしてきました。

諸事情でその職を辞してからは、なんだか疲れてしまい、ふと目に留まったのがアンティーク雑貨店のアルバイト募集でした。


かつて英国に滞在していた頃、住んでいた小さな町に1軒のアンティークショップがありました。英国内をあちこち出かけてみれば、教会、郵便局、スーパーマーケット(小さいところではニュースエージェント)、そしてアンティークショップが、どんな小さな町にも必ずと言っていいほどある事に気づきます。英国においてそれほどに生活の一部となっていたアンティークという言葉を懐かしく思い出し、雑貨店の募集に応募しました。


当初は戸惑うことも多かったものの、昔から変わらないことや、多少のキズや汚れなども許容しつつ長く使うということ、100年経った家具は直しつつまた使う、経てきた歳月も一つの個性、等々のアンティークならではの価値観にすっかり魅了されました。


そして自分自身でアンティークを商いとし既に7年。当初はウェブのみでしたが、骨董市にも出店するようになり、現在はウェブショップ、そして骨董市などへの出店と、2本柱となっております。

時にウェブの比重が大きくなり、時に骨董市の比重が大きくなる。どちらも必要であると感じています。


試行錯誤もございますが、2023年はそれなりに自身のショップの方向性が見えてきた気がする年となりました(見えてくるのが遅い:泣)2024年はさらにもう少し深く、探っていきたいと思っています。


2023年、誠に有難うございました。そして2024年もどうかよろしくお願い申し上げます。



Todd Lowrey Antiques




Saturday

メトロンとノモス / Antique Maelzel Metronome

 フランスアンティーク、メルツェルのメトロノーム。























英国のアンティークフェアで手に入れた古いメトロノーム。

すらりとした四角錐の幾何学的な造形はオブジェとしても美しく、杢目の仕上がりはアンティークならではの味わいを感じさせます。カチ・・カチ・・と動くアナログなメカニックも魅力的で、良い物があれば必ず手に入れたくなるアイテムの一つです。


今回ご紹介するメトロノームは、正面の蓋についたプレート中央に以下の文字がみられます。


METRONOME

DE

MAELZEL


(フランス語で以下の意味)

メルツェルのメトロノーム



そして周囲には以下の文字。


FRANCE

AMERIQUE

BELGIQUE

ANGLETERRE

HOLLANDE

PARIS


(フランス語で以下の意味)

フランス

アメリカ

ベルギー

英国

オランダ

パリ



そもそもメトロノームの始まりは、ドイツ出身のJohann Nepomuk Malzel/ヨハン・ネポムク・メルツェル(1772-1838)が1815年に特許を取得したもの。


このメトロノームは、そのメルツェル/MAELZELの名を冠した、古いお品物です。


メルツェルは特許取得の翌年、1816年からパリで生産を始めます。ベートーヴェン(1770-1827)を皮切りに、メトロノームは音楽にとってなくてはならない存在となってゆき、世界各国へと広まっていきます。


メルツェルのメトロノームは多くがこのような変形六角形のプレートで、最初の頃はシンプルに「メルツェルのメトロノーム」の文字が、そして後年は輸出用にと考慮されたであろう各国の名がプレート周囲にぐるりと配されたものが生産されます。今回ご紹介するタイプはその周囲の国名があるタイプです。


本体の木材は杢目の具合からマホガニーと思われます。マホガニーの産地はヨーロッパではなく南洋ですが、18世紀から家具材として多くのマホガニーが南洋からヨーロッパ、主として英国に運ばれてきた歴史を持ちます。英国原産のオークより柔らかく、ウォルナットよりも大きな材が取れ、加工しやすく寸法安定性も良いマホガニーは大変に重宝され高級材となりました。


当店はいままでメルツェルのメトロノームを数点取り扱ってきましたが、表面材はマホガニーやフルーツウッド、そしてローズウッドとそれぞれ異なりました。おそらくは価格帯や好みなどで、あるていどの選択肢があったと思われます。



小さな鉤爪を回して蓋をあければ、振子がついた面が現れます。また、側面に拍子ベル音を設定するための棒がついており、引っ張ったり押したりすることで拍子ベルが鳴るようになっております。なお、ゼンマイは側面の環を廻して巻くようになっており、鍵で巻くタイプではございません。正直申し上げて、メカ部分はやや弱っているようで、それほど正確なリズムでは無いようです。


動画をアップいたしましたのでよろしければご確認ください。








メルツェルのメトロノームは恐らく様々なメーカーが作っていたと思われますが、今回ご紹介するメトロノームのラベルには特にメーカー名はございません。当店が以前ご紹介したJ.T.L社のメトロノームとほぼ同じデザインであるため、おそらく同年代の1930年代頃の品物かと推測いたします。


ちなみにメトロノームという言葉は、ギリシャ語で「拍/はく」を 意味する「metron/メトロン」と、「規律」を意味する「nomos/ノモス」から作られたといわれています。確かに「規則正しい拍」を刻む器械に対しては、もってこいの造語だなあ、と納得してしまいました。


オブジェとしてこのうえない存在感をもつアナログな器械。


蓋を開けて振り子をゆらせば、かつての人々が耳にしたであろうリズミカルな響きが、心地よく空気を揺らします。





◆England買付/France製造

◆推定製造年代:c.1930年代頃

◆素材:木(おそらくマホガニー)・金属・他

◆サイズ:幅約10.6cm 奥行き約11cm 高さ約22.8cm

◆重量:498g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリ、変色等がみられます。

*現在のところ動作しますが、それほど正確なリズムでは無く、いっぱいに巻いてもそれほど長く動きません。

*特に遅いリズムの時はすぐに止まります。

*正確にリズムを合わせる用途としてはお薦め出来ません。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。



アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A


一輪の本 / Antique Victorian Book FAMILIAR GARDEN FLOWERS

 英国アンティーク、ヴィクトリア時代の植物図鑑。























英国のアンティークフェアで手に入れた1冊の本。


きれいな水色のクロス仕上げで、金の箔押しを効果的に使用した表紙はとても美しく目を惹きます。出色はわざわざ一段彫り込んである部分に描かれた花の絵。バックの金色と相まって、まるで一枚の絵画を見るようです。


タイトル等は以下の通り。

FAMILIAR
GARDEN FLOWERS

FIGURED BY
F.EDWARD HULME,F.L.S., F.S.A.;

AND DESCRIBED BY
SHIRLEY HIBBERD.

中略

Second Series.
WITH COLOURED PLATES.

Cassell, Peter, Galpin & Co;
London, Paris, & New York

40 COLOURED PLATES




タイトルは「FAMILIAR GARDEN FLOWERS」=「身近な(親しみのある)庭の花」。


1875年に刊行された「FAMILIAR GARDEN FLOWERS」は大変な人気となり、英国人のガーデン愛を裏付けるかのように1907年頃まで何シリーズも刊行されていました。
今回ご紹介するのはその第二シリーズの中の1冊。1シリーズが5冊の本で構成されていたようです。

特徴はクロモリトグラフ(1837年からある最大16色のリトグラフ技法・当初は石板後に亜鉛板を使用)で表現された鮮やかな花々の挿絵。表紙には、この本には40枚のクロモリトグラフがあることが記されています。モノクロの本文も、それぞれの花ごとの説明文の頭文字の飾り文字がとびきり凝ったデザインとなっており、頁をめくるのが楽しみとなること請け合いです。


絵の作者はロンドン、キングスカレッジでフリーハンド描画及び幾何学的作画の教授であった「F.EDWARD HULME(Frederick Edward Hulme)/フレデリック・エドワード・ヒューム(1841-1909)」。

説明文はヴィクトリア時代に何冊も本を出版し人気があり成功した園芸作家「SHIRLEY HIBBERD/シャーリー・ヒバード(1825-1890)」が手掛けています。


出版社は「John Cassellジョン・カッセル(1817-1865)」により1848年に設立された「Cassell, Peter, Galpin & Co;」。

当初の名前は「Cassell & Co」でしたが、1858年に破産して会社名は「Cassell, Peter, Galpin & Co;」となります。この本を出版したのはこの頃。その後買収や合併を経ながら時代を乗り越え、現在は「Cassell Illustrated」として「Octopus Publishing Group」の1部門として存続しているようです。



この「FAMILIAR GARDEN FLOWERS」シリーズは人気があったせいか、様々な装丁で発売されており、他にもっとシンプルな装丁のものも見ることが出来ます。ただ、今回ご紹介している水色に金窓のついたもの以上に豪華な装丁はみつけることは出来ませんでした。



ヴィクトリア時代から続く英国人の花々を愛する心。その心が生み出した美しい本はまさに一輪の花のよう。

140年以上前の貴重な一冊で、貴方の書棚を飾ってみてはいかがでしょうか。


◆England
◆推定製造年代:c.1880年
◆素材:紙、布
◆サイズ:約13.8×19.5cm 厚み約2.8cm
◆在庫数:1点のみ
◆重量:636g

【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、破れや折れ、変色や傷み等がみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。画像以外の部分でも多少の破れがみられますが、多大な欠損はございません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。 




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A

ぴっちり納まる円筒形 / Antique Cylinder Magnifying Glass with Case

 英国アンティーク、ケース入り拡大鏡。















英国のアンティークフェアで手に入れた、ケース入りの拡大鏡。


しっかりとした持ち重りのする金属と真鍮で出来ており、ぴったりと納まるケースに入っております。


フォルムはシンプルな円筒形。真鍮製の蓋を引っ張り上げるようにして開けて覗く仕組みです。レンズは1枚で、正直それほど拡大率は高くありません。ただ、周囲が暗くピンポイントで見るせいでしょうか、通常の視野で見るよりも、よりクリアに対象物が見えてくるような気がします。


貴方のコレクションに如何でしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.1900年代頃

◆素材:真鍮・ガラス・紙、他

◆ケースサイズ:直径約5.6cm 高さ約7.8cm

◆本体サイズ:直径約4.9cm 高さ約5cm

◆在庫数:1点のみ

◆総重量:187g



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。

*レンズに欠けやヒビは見あたりません。

*ケースには若干傷みが見られます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A