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Saturday

チェスの本質とは何か / Antique Staunton Chessmen & Folding Board by K & C LTD LONDON

 英国アンティーク・折りたたみ式チェスボードと箱入チェスメン。




















イングランド北部で買い付けた、箱入りのチェス駒とチェスボード。


チェスの駒は英語で「chessman」。複数では「chessmen」。

今回ご紹介するチェスセットは、スタントンスタイルのチェスメンです。


スタントンスタイルとは、現在も公式に使われている駒の形で、第一回ロンドン国際大会・1851年から使われているもの。それまではまちまちの形をしたチェス駒が使われて、よく問題が起こっていたそうです。

この駒の形に決めたのが、当時世界最強プレイヤーといわれていた英国Howard Staunton/ハワード・スタントン(1810-1874)。それ以来、このようなスタイル・形をスタントンスタイルとよぶようになりました。現在、最もメジャーなスタイルといってもよいでしょう。


チェスメンは木箱に収納されています。松系の材でスライド式の蓋のついた、チェスメンには定番の箱です。箱のラベル、そしてボードのラベルにはともに「QUORITY K&C Ltd London」のマークがみられます。


K&C Ltd Londonとは、20世紀初頭、チェスやバックギャモン、スヌーカーなどゲーム関連のグッズを販売していた英国の商社。ボードには「BRITISH MADE」の表示がありますので英国製ですが、チェスメンはフランスで作っていたものも多かったようですので、今回の物もフランス製かもしれません。材はボックスウッドで、なめらかな質感をお愉しみいただけます。


かつてどんな人々たちがこのチェスセットで対局してきたのでしょうか。大きめのボードは存在感たっぷりで、広げればたちまちチェスの世界へと没頭できそう。パーツとしてディスプレイするだけでも素敵な空間を作ってくれそうです。


「チェスの本質とはチェスとは何であるか考えること」とは、1940年代半ばから1970年代半ばまで世界最強の選手の1人であり、創造的な天才で戦術の達人だと評されていたソヴィエトの「David Bronstein/デビッド・ブロンスタイン」の言葉。


その言葉の意味さえ考えなければいけないような気がしますが、頭脳のゲーム・チェスのウォーミングアップにはちょうど良いかもしれません。


32人のチェスメンを従えつつ、貴方の灰色の脳細胞の活動をお愉しみください。




◆England

◆推定製造年代:c.1930-1950年代頃

◆素材:木(ボックスウッド)/紙

◆ボードサイズ(広げた時):約35.8cm角 マス目約4.1cm角

◆箱サイズ:幅約16.2cm 奥行き約8.3m 高さ約5.8cm

◆チェスの駒:キングの高さ約6.1cm 直径2.9cm ポーンの高さ約2.9cm 直径1.9cm

◆重量:ボード約213g 箱入チェスメン約256g

◆在庫数:1セットのみ



【NOTE】

*箱入りチェスの駒(32ピース)、及びおりたたみボード1枚、セットでの販売です。

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、少々の欠け、紙ボードには傷みがみられます。

*詳しくは画像をご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。






アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A


フリーメイソンのメンバーへ吟遊詩人が捧げる詩 / Antique Book "LALLAN SANGS AND GERMAN LYRICS"1894

 英国アンティーク、古い本。





















シックなグリーンレザーに金の箔押しが施された、シンプルながらも品格が漂う本を手に入れました。


タイトルは以下の通り。



LALLAN SANGS

AND GERMAN LYRICS


Ralfh Macleod Fullarton



WILLIAM BLACKWOOD AND SONS

EDINBURGH AND LONDON

MDCCCXCIV




ラテン語の歌とドイツ語の歌詞


ラルフ・マクラウド・フラートン


ウィリアム・ブラックウッド・アンド・サンズ

エディンバラ ロンドン

1894年




この本は現在でもThe British Libraryより、「Historical Collection from the British Library」シリーズの1冊として販売されています。(ただ「SANG」は「SONG」となっています)


著者の「Ralfh Macleod Fullarton/ラルフ・マクラウド・フラートン (1835-1896)」はエディンバラ出身の詩人。本屋、文房具屋、印刷業者であるアーチボルド・フラートンの息子として生まれ、エジンバラ高校、ドイツおよびフランスの大学で教育を受け、後にケンブリッジのトリニティホールで教育を受けたとされています。


少し中を見てみましょう。



冒頭の文章は以下の通り。



To Sir Charles Dalrymple of Newhailes,

Baronet, M.P.,Most worshipfil Grand

Master Mason of Scotland, and to the

Brethren of Grand Lodge, This volume is

by their Grand bard loyally and fraternally

dedicated.



ニューヘイルズのチャールズ・ダルリンプル准男爵議員、

スコットランド・メイソンのグランドマスター

そしてグランドロッジの兄弟たち、

この本は彼らに忠実でひたむきな吟遊詩人によるものである



この文章、及び表紙に記されたマークから、ラルフ・マクラウド・フラートンはスコットランド・フリーメイソンのメンバーだったと推測されます。


それを鑑みて表紙のデザインをみれば、四隅にはスコットランドの象徴アザミが配されており、中央のシンボルはフリーメイソンの象徴であるコンパスと定規、そして吟遊詩人をイメージさせる竪琴が組み合わされたものであることがわかります。




そしてもうひとつ興味深いのは、この本が「アンカット本」であるということ。アンカット本とは、小口の三方を切り落とさないで製本した書籍のことです。


もともと書籍というのは大変高価なものでありました。紙を折り重ねて糸で綴じ、簡単な表紙が付けられた状態で販売されていたものが多くあり、本を読む時はつながった頁をペーパーナイフで切りながら読み、全て読み終わったら好みの豪華な装丁で製本をし直し、蔵書したという歴史があります。


ヨーロッパにおいて、仕上げ断ちを行った本の流通が普通になったのは17世紀以降といわれますが、それ以降でも、一部がつながったアンカット本は作られ続けました。


アンカットがそもそも本のあるべき姿である、という歴史もありますし、切らないと読めないので、初めてその本を手にして読むという特別感もあるかと思います。その為、好んで「アンカット」製本を施す事もあるのです。


今回ご紹介する本は頁の周囲がかなり不揃い。これは周囲を読む人自身がペーパーナイフでカットしたからです。そして一部まだカットされていない頁も残っていました。



発刊された1894年は既に仕上げ断ちが一般的であったのに、発刊者は敢えてアンカット本を製作したのは、どんな意味があったのでしょうか。

冒頭の文章から、おそらくこの本はごく限られた人に向けての物であり、ある意味贈り物のような意味合いでつくられたのかもしれません。

著者から直接、尊敬する人や仲間たちに手渡され、「カットして読む」という歴史ある行為を愉しんでもらえるようにしたのかもしれません。


推測ばかりではありますが、かなり希少な一冊であることは間違いないと思われます。



シックな深いグリーンの革装丁は100年以上の時を経て、なんともいえない手触り。フリーメイソンと竪琴のシンボルは鈍い金色に輝き、かつてこの本を手にした人々の想いを伝えるようです。


貴方の書棚のコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。




◆Scotland

◆推定製造年代:c.1894年

◆素材:革、紙

◆サイズ:約14×19.5cm 厚さ約1.8cm

◆重量:269g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、擦れや折れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


ミスター・ジャスティスがお相手します / Vintage Royal Doulton "JUDGE BUNNYKINS"

 ロイヤルドルトン社製、バニキンズ・シリーズのコレクターズクラブ限定、ジャッジ・バニキンズ。












印象的な赤いローブを纏ったバニキンズ。凛とした立ち姿に確かな威厳を感じます。歴史ある名窯の技をご堪能ください。



製造は1815年設立のRoyal Doulton/ロイヤルドルトン。


創業者はジョン・ドルトン/John Doultonのほか、マーサ・ジョーンズ/Martha Jonesとジョン・ワッツ/John Wattsの3人でしたが、1853年に社名は「Doulton」となります。はじめはストーン・ウェアを生産する小さな工場でしたが、2代目のHenry Doulton/ヘンリー・ドルトンの代に蒸気機関を取り入れるなど積極的に事業を拡大、大成功をおさめます。


その後1882年にスタッフォードシャー、ストークオントレントのBurslem/バースレムを生産拠点と定め、ここが現在も続くロイヤル・ドルトンの本社となっています。またヘンリー・ドルトンは陶磁器業界で初となる「ナイト」の称号を与えられ、1901年にはエドワード7世から王室御用達の栄誉を受け、ここで「ロイヤル・ドルトン」と名乗ることを許されたのです。


ロイヤルドルトンの特徴は、滑らかな肌のボーン・チャイナと、意匠の芸術性。


実際に使われる食器はもちろん、装飾的でコレクタブルな食器、人形などのフィギュアも美しく完成度の高いものが多く、さすが世界的に有名な、英国を代表する陶磁器メーカーであるといえるでしょう。また、Bunnykins/バニキンズとは、1930年代から続いているロイヤル・ドルトンのうさぎキャラクターのこと。現在では子供向けの食器がメインで、バニキンズ・シリーズとしてお皿やマグカップが販売されています。ただ、フィギュア(陶器製人形)は、現在はロイヤルドルトンからは製造・販売はされていないようです。


バニキンズのもともとの始まりは1934年、テーブルウェアから始まりました。陶器製の人形の始まりは1939年。きっと、テーブルウェアの評判がよかったからだと思われます。英国の絵本作家、Mary Barbara Baileyによるウサギのイラストをモデルに、Charles John Nokeが立体としてモデリングしたのが、初代、6デザインのバニキンズ・・・陶器製のウサギの人形でした。(ちなみにこの6デザインのバニキンズは、現在市場に出ると驚くほどの高額で取引されています)



その後、世界は第二次大戦へ突入し、ロイヤルドルトンは陶器製人形の生産を中止。1969年にBeswick Pottery を買収後、1972年から再度シリーズとして製造を始めたのです。クリケットをしているチームだったり、ロビン・フッドだったり、チューダー朝のコスチュームを着ていたりと、テーマは様々ですが、すべて「ウサギ」。


基本的にある一定期間しか製造・販売していないため、販売終了となれば市場にでたものを探すしかありません。また、ファンクラブ限定商品であったり、特定の団体や組織などのために製作されたものもあり、レア度も様々。それによって価格も異なります。




今回ご紹介するジャッジ・バニキンズは、1998年に「COLLECTORS CLUB」のみにむけて作られた限定品。



白い巻き毛の長いカツラをかぶり、格調高い赤いローブをまとっています。このいで立ちは英国(イングランド及びウェールズ)では「High Court judge/高等裁判所判事」のもの。ちなみに彼らは、在任中は「ミスター・ジャスティス」と呼ばれます(男性の場合)。



ご存知の方もいらっしゃると思いますが、英国では、現代でもこのような白いカツラをかぶって、判事や弁護士が法廷にのぞみます。そして、女性もかぶります(!)。(正直、初めて英国のテレビドラマやニュースでその姿を見た時は、なにかの冗談かと思いました)

これは17世紀以来、法廷の威厳を保つための伝統ですが、さすがに「時代遅れ」という声が挙がり、2008年から一部地方で民事裁判に限って廃止されましたが、現代でも、刑事裁判についてはカツラが着用されています。



さて、そんな英国ならではの衣装に身を包んだウサギ判事。鼻眼鏡をかけた様子はちょっとおじいちゃんっぽくて、色々なことを知っていそうな威厳に満ちています。



底面には、ロイヤルドルトンのバックスタンプの他に以下の文字がみられます。


JUDGE BUNNYKINS

DB188

EXCLUSIVELY FOR

COLLECTERS CLUB

1998 ROYAL DOULTON




製造から20年以上は経っておりますが、コンディションは良好。鮮やかな赤いローブと白いカツラのコントラストが美しく、ぴょこんと飛び出た耳が可愛らしさを添えております。


英国の伝統を様々な面から雄弁に語る、名窯ならではの逸品です。





◆ENGLAND

◆Royal Doulton

◆製造年代:1998-1999年

◆素材:陶器

◆サイズ:高さ約11cm 奥行5.8cm

◆重量:約80g

◆在庫数:1体のみ


【NOTE】

*底面に多少の汚れはございますが、ひびやチップはなく、とてもよい状態です。

*箱は付属しません。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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