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Monday

1880年8月27日の孔雀 / Antique Victorian Brass Reception Bell Peacock Motif

 英国アンティーク、孔雀モチーフのレセプションベル。


















すらりとした美しい佇まいと凝ったディテールをもつヴィクトリアンのベルのご紹介です。


テーブルベルの一種ではありますが、振ってクラッパーを鳴らすのではなく、ハンマーでキャスティング(鐘本体)を叩いて鳴らすタイプです。

このようなタイプはカウンターベル、もしくはレセプションベルなどとも呼ばれ、ショップやホテルのカウンターで使われてきたことを伺わせます。




まず、目を惹くのはベース部分の鳥モチーフ。3つに分かれたトリポッドの脚となっていますが、その脚が鳥のフォルムをしております。冠羽をもつ様子から恐らく孔雀と思われます。


孔雀は古代ギリシアやローマにおいて、天空の女神ヘラ(ユノ)の神鳥として知られてきました。中世キリスト教時代のヨーロッパでは、クジャクは「世界で最も美しい鳥」とされ霊魂不滅の象徴として好まれましたが、一方で善と悪、死と復活、罪深い誇りと圧倒的な虚栄心の象徴としてとらえられてきた側面もありました。


19世紀の英国においては、まだまだ珍しい存在でしたが、主として田舎の富裕層の邸宅で、ファッショナブルな芝生の装飾品として使われることが多かったようです。


イタリアの格言で「悪魔の声をしているが、天使の羽を持っている」というものがあるように、とびきり美しい姿をしていながらも、鳴き声は悪魔の様で、性質は意外と獰猛。19世紀の出版物で孔雀は多くの場合「その壮観な美しさ以外に推奨すべきものは何もない」とされており、実際に見たことが無い庶民にとってはなかなか興味深い存在だったような気がします。


孔雀に対する憧れ、偏見、そして好奇心。

そのようなものから、このレセプションベルは生み出されたのかもしれません。



全体は高さ13.5cmほど。レセプションベルとしては頃合いの大きさです。底面にはヴィクトリア時代のある時期に使われていたダイヤモンドマークがみられます。


ダイヤモンドマーク(もしくはダイヤモンドレジストレーションマーク、カイトマーク)とは、英国ヴィクトリア時代において使用されたデザイン登録の刻印のこと。1835年に国会でこの登録の議題があがり、7年後の1842年から実用化され、1883年まで使われました。その後はもっとシンプルなレジストレーションナンバーとなります。


ダイヤモンドマークの特徴としては、菱形をしており中央に「Rd(dにはアンダーバー)/レジストレーション」の文字、トップには円形が乗っていて「Class of Material used/材の種類」が数字で表されています。ちなみに「1=金属」、「3=ガラス」などとなります。

その下のレイアウトは1845-1867年と1868年から1883年では異なります。今回の品物のマークを読み解けば、このベルが登録されたのは1880年8月27日となります。

デザイン登録以降、3年間はその登録業者専有のものとなり、似た物を作ると罰金が科せられたといいます。3年間・・・やや短いような気がしますが、それだけ次々と新しいものが出来ていた時代ということなにかもしれません。



3羽の孔雀を従えたレセプションベルは、いい具合にすり減ったハンマー部分を指で弾けば天使のような「チリーン」と良い音で響いてくれます。バネが若干弱くなっておりますが、まだまだお使いいただけそうです。

動画をアップいたしましたので、よろしければご確認ください。(指を痛めていた時に撮影したので、お見苦しくて申し訳ございません)








重さ300g超えとずっしりとした重量感は、指で弾いても安定性は抜群。歳月を経た唯一無二の風合いを纏った、英国アンティークの妙なる佳品をお届けいたします。



◆England

◆推定製造年代:c.1880年後数年間くらい

◆素材:真鍮

◆サイズ:底面幅約10.2cm奥行約9cm 高さ約13.5cm

◆重量:301g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*見る方向によっては気づかない程度ではございますが、わずかに全体が傾いています。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A