Search This Blog

Sunday

好奇心を満たすジョージアンの拡大鏡 / Antique Georgian Cow Horn Magnifying Glass

 英国アンティーク、ジョージアン期の折りたたみ式拡大鏡。
















英国において18世紀後半から19世紀の前半にあたるジョージアン期。




英国でアンティークにふれていれば、まずよく聞くのはヴィクトリアンです。

ヴィクトリア女王の治世は、なにせ期間が長く、1837年から1901年と64年間もあります。


そして次はもう少し新しくて、そのあとのエドワーディアンでしょうか。

1901年から1915年まで。


その後になれば、もう名前はつかなくって、サーティズ、フィフティーズとか雑な言い方になってきます。



そしてジョージアンといえば、ヴィクトリアンよりも前。

1714-1830年までのジョージ1世から4世までの治世の様式をさします。


そして、ジョージアンの家具や雑貨の特徴は、正直に言って「かなり地味で、なおかつ値段が高い」ものが多いこと。



まずは間違いなく古いせいで絶対的に物が少ない=値段が高い。

大英帝国の繁栄はヴィクトリアンがやっぱりピークなので、物の量ではヴィクトリアンに圧倒的にかなわない。

ヴィクトリアンの華やかな装飾を見慣れた目からすると、びっくりするくらい地味。




・・・ということで、よくいえば「通好み」「玄人好み」であるのがジョージアンなのです。

(全てというわけでなく、そういうものが多い、という個人的意見です)





さて、今回ご紹介する英国のマーケットで手に入れた拡大鏡。

ディーラーによれば「Gerogian period」の「Lovely」なアイテム・・・!

まさにジョージアンらしく、地味な外観をしております。



材はカウ・ホーン/牛の角。

ジョージアンの時代にはこのようなカウ・ホーンで出来た小さな細工物が多く作られた時代でした。

例えばこのような拡大鏡や、小さなコップ、小物入れやスプーンなど、

華やかな感じではないですが、比較的細工がしやすく、長持ちし、色合いがベージュ~黒のシックな風合いも好まれたのかもしれません。



緩やかな曲面をもつ黒勝ちな円盤を2枚合わせ、間に琥珀色のパーツを潜ませています。

琥珀色部分をそっと押し出せば、くるりとレンズ部分が出てくる仕掛けとなっています。


レンズ部分は驚くほど状態がよく、ほとんど傷は見られません。

後年に替えたのか、それともマメに仕舞ってある状態だったので、きれいに保たれたのかもしれません。



よく見れば、外側の黒勝ちのパーツも、レンズを囲む琥珀色のパーツも、細やかな表情を持っており、光に応じて様々な表情をみせてくれます。

外側のパーツには一部へこんだ穴のような部分がありますが、これも牛角がもつ景色としてご鑑賞いただきたいと思います。





黒いシックな(いい意味で地味な)小さな拡大鏡。

ジョージアンの紳士がいつもポケットに入れておき、興味あるものがあったときにさっと取り出して眺めていた様が目に浮かびます。

それは書物だったのか、昆虫や植物だったのか・・・?



あくなき好奇心を満たすために使われてきた英国アンティークの佳品を、貴方のものにしてみてはいかがでしょうか。




◆England

◆推定製造年代:1800年代頃

◆素材:牛角、ガラス、金属

◆サイズ(折りたたみ時):約5×4.1cm 厚み約1cm

◆サイズ(使用時):全長約8.8cm レンズ部分直径約3.7cm

◆重量:21g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A


18世紀ヨークシャーの大酒呑み / Vintage Toby Jug "MINI PHILPOT"by Tony Wood

 英国ヴィンテージ、トビージャグ。















トビー・ジャグの由来は18世紀に遡ります。


もともとはビール(もしくはエール)ジャグで、座って飲む男性の姿をかたどっており、三折り帽とフロックコート、パイプとなみなみとビールが入ったマグをもっている、というのが、お定まりのスタイル。


名前の由来は諸説あります。


18世紀のヨークシャーで、2000ガロン(1ガロン約4.5リットルとすると9000リットル!!?)ものエールを飲み干したといわれるToby Fillpot(またはPhilpot)をモデルとしたというものがひとつ。

他には、シェークスピアの12夜/Twelfth Nightにでてくる大酒のみのサー・トビー・ベルチ/Sir Toby Belchからの名前、という説もございます。


どちらにしても、モデルは大酒のみ。


18世紀ころから焼き物が盛んだったスタッフォードシャーで作られるようになり、とても人気となりました。

もともとはビールを飲むジョッキだったらしいのですが、実用と言うよりは装飾的なものであるため、小さなものも作られるようになり、ミルクピッチャーや、ディスプレイ用のセットなどへと広がっていったものと思われます。


その由来があるせいか、顔だけをかたどった、トビーではない、他の人物のものも「トビー・ジャグ」とよばれます。

ロイヤルドルトンやベスウィックなどの窯元も多くのトビージャグを生産してきました。

文豪チャールズ・ディケンズの登場人物を揃えたディケンズ・シリーズのトビー・ジャグなどは、コレクターの醍醐味ともいえるでしょう。




今回ご紹介するトビー・ジャグは高さ約8cmのミニサイズ。

片手にジョッキ、片手にパイプとお約束のポーズをしています。



底面には以下の文字が確認できます。



Tony Wood

STAFFORDSHIRE ENGLAND

MINI PHILPOT



もともとはヴィクトリアン中期、1865年にThomas Francis Wood によって始まった「Wood and Sons」。

その後、スージークーパーによるデザインの食器にかかわるなど広く事業を展開しますが、1995年には倒産してしまいます。

「Tony Wood Studio 82 Ltd」として活動していたのは1982年から1995年まで。

アイテムとして有名なのは、動物の形をしたティーポットやトビージャグなどのキャラクター的な物が多いようです。



タイトルは「PHILPOT/フィルポット」。

このことから、前述の18世紀のヨークシャーのトビーがモデルなのではないかと思われます。


大酒のみの割には、きちんと座り、品の良い可愛らしい顔立ちをしております。

これからどんどん豹変していくのでしょうか・・・。



歴史と伝統をしっかりと受け継ぎながらも、どこか愉快なヴィンテージ・アイテム。


ディスプレイのワンポイントに、花瓶代わりに、いかがでしょうか。



◆England

◆Tony Wood

◆推定製造年代:c.1982年から1995年まで

◆素材:陶器

◆サイズ:幅約4cm 奥行き約7cm 高さ約8.2cm

◆重量:81g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですが、とても良いコンディションです。

*欠けやヒビ、目立つ汚れはみられません。

*わずかに製造時からと思われるスポッツ(極小の黒点)がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。





Todd Lowrey Antiques

by d+A


ソヴィエトの子ども達が読んだアイルランドからの物語/ Vintage Book "Gulliver Travels" from USSR

 ソヴィエト連邦時代のヴィンテージ本、ガリヴァー旅行記。



















アイルランドの風刺作家、ジョナサン・スウィフト/Jonathan Swiftによる「ガリヴァー旅行記/Gulliver's Travels」。


1726年に初版が刊行されたあまりにも有名な小説は、今なお世界中で読まれているお話の代表格といってもよいかと思います。





今更ではありますが、ガリヴァー旅行記は以下の四篇で構成されています。




第一篇 リリパット国渡航記(小人の国)


第二篇 ブロブディンナグ国渡航記(巨人の国)


第三篇 ラピュータ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリッブおよび日本への渡航記

(空飛ぶ国とその下の国、不死の国と魔法使いの国、そして日本)


第四篇 フウイヌム国渡航記

(知的な馬の国)




特に有名なのは初めの二篇で、小人の国、そして巨人の国の様子は、子供向けの絵本でご覧になった方も多いのではないでしょうか。

私も大学生になるまでは、ガリヴァー旅行記といえば子供向けのお話かと思っておりました。

初めて、絵本ではなく文庫版で第四篇まで読み通した時の感動は今でも忘れることができません。





さて、今回ご紹介するのは、ソヴィエト連邦時代に発刊されたロシア語の「ガリヴァー旅行記」です。



発刊は1978年。

原作はもちろんジョナサン・スウィフトですが、このロシア語版は Tamara Gabbe(1903-1960)によってソヴィエトの子供たち用に翻訳・リライトされたものです。

レニングラードで軍人の家に生まれたタマラは、レニングラードの子供向けの本を出版する会社で働き、本の出版、そして作家までもこなしていた女性でした。

多くのフランスや英国の文学の翻訳も手掛けていましたので、このガリヴァー旅行記もそのうちのひとつだったのでしょう。

挿絵や量を見る限り、おそらく初めの二篇のみが収録されていると思われます。




申し訳ないのですが、ロシア語がわかりませんので、ディーラーから聞いり、私が調べた限りの情報はここまでとなってしまいます。

雰囲気あふれるイラストを描いた作家名も知りたいところですが、残念ながらわかりませんでした。




東西冷戦のさなか、ブレジネフ書記長のもと、厳しい経済状況だった1978年のソヴィエト連邦。

そんななかでも、子供たちが夢中になったであろう、18世紀の偉大な作家が紡ぎだした物語は、今なお私たちの心をとらえて放しません。



言葉が読めなくても、存在自体がなにかを雄弁に語る小さな本。

是非お手元でご鑑賞ください。




◆England

◆推定製造年代:c.1978年

◆素材:紙

◆サイズ:約14.5×20.7cm 厚み約1.2cm

◆重量:211g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、折れや破れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。





Todd Lowrey Antiques

by d+A


廻る魚を胸元に / Vintage Double Fish Brooch

 英国ヴィンテージ、お魚のブローチ。









英国のマーケットで手に入れた、2匹の魚のブローチ。



互い違いになった二匹の魚は中国の陰陽魚を表しているようにも、古代ギリシア神話をもとにした占星術の魚座を表しているようにもみえます。


鱗やヒレなど繊細な細工が施され、もともとは銀色の金属に、金色のメッキ(もしくは塗装)が施されている仕上げです。

歳月によって金色が少し剥げており、それが奥行きのある表面感となっているように思います。



うお座を守護星座にもつ方やお魚好きな方におすすめ。

他とは違う、こだわりが感じられる英国ヴィンテージのひとしなです。





◆England

◆推定製造年代:c.1960年代頃

◆素材:金属

◆サイズ:幅約3.9cm 高さ約2.1cm

◆重量:4g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*ブローチ留め金具は、ご使用可能と判断してご紹介しておりますが現代の物に比べればわずかに操作性に劣ります。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。


Todd Lowrey Antiques

by d+A