英国アンティーク、ドラゴンの姿をしたキャンドルスタンド。
古来より人智を超えた幻獣として特別な存在であったドラゴン。
ギリシア語のドラコーンとラテン語のドラコは、いずれもヘビを指す言葉であり、古代世界ではドラゴンと蛇/サーペントは厳密には区別されていなかったと考えられます。
英文学最古の伝承の一つといわれる北欧叙事詩「ベーオウルフ(8世紀から9世紀?)」にも「火の竜/Fyr-Draca」としてドラゴンは登場し、洞窟の中で宝を守る存在として描かれています。
宝の一部を人間に盗み出されたドラゴンは怒り狂い町を襲います。それを退治したのが英雄ベーオウルフであり、最後は相打ちとなって両者とも死ぬ、というストーリーとなっています。(明らかに悪いのは人間ですよね)
描かれているのは翼を持ち炎を吐くドラゴンの姿であり、この典型的な「ドラゴン」の姿を持つ竜はベーオウルフのドラゴンが最古であると推測されます。
これが後世の「ドラゴン」のイメージに影響を与えた、と考えられています。
キリスト教では、「ヨハネの黙示録」のドラゴンに代表されるように、ドラゴンはたいてい「悪」の象徴であり、邪悪な生きもの代表格でありました。
ただ一方でその強さと畏怖すべき姿から、最強の幻獣としてあがめられてきた側面ももちます。
ウェールズの国旗には赤いドラゴンがいますし、紋章学としてのドラゴンは「courage/勇気」の意味となっています。
さて、そんな背景をもつドラゴン。
今回ご紹介するのは、そんなドラゴンの姿を模したキャンドルスタンドです。
手に入れたのは英国のアンティークマーケット。
数多くのキャンドルスタンドを見てきましたが、このような形のものは初めてで、値段を聞く前からどうしても手に入れたくなってしまいました。
ディーラーによれば、おそらくヴィクトリアンの後期のもの、そしてとてもとても珍しい・・・、というふれこみでした。
身体をくねらせ、低い姿勢から上を見上げるドラゴンの姿。
口から伸びた先がキャンドルホルダーとなっており、まさに「火を吹く」イメージに繋がります。
接地面は前足と尻尾の先のみですが、しっかり安定して自立し、造形の確かさも感じられます。
瞳には紅く輝くガラスがはめ込まれ、しなやかな流線型を描くドラゴンの姿が怪しくも美しい逸品。
ヴィクトリア時代からきた小さな金色のドラゴンを、貴方のおそばで、炎を護る幻獣として使役するのはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1890年代頃
◆素材:真鍮、ガラス
◆サイズ:幅約13.5cm 奥行き約6.6cm 高さ約14.3cm
◆キャンドルを刺す部分の直径約2.3cm
◆重量:238g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、歪みや錆、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*キャンドルを刺す部分はくるくる回ります。置いてある状態では安定しています。
*ご使用に差し支えはないと思われますが、キャンドルを刺して火をつけたまま移動させる際はご注意ください。
*画像のキャンドル及び備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A