英国アンティーク、トリンケットボックス。
銘木、黒檀。
英語名は「ebony/エボニー」であり、漆黒の色合い、緻密な杢目、重厚かつ堅固な性質で古くから小家具や楽器、チェスの駒等の小物類に使用されてきました。
自生地は南アジアやアフリカ。
英国をはじめとするヨーロッパでは自生していませんが、マホガニーをはじめ世界中から最高級の材を集めていた英国にとっては、黒檀もまたひとつの高級材として輸入されていたことは想像に難くありません。
もっとも、本物の黒檀そのものでできている、大きな家具はほとんどみかけることはありません。
「エボナイズド」とよばれる、黒い塗装仕上げがその代替えとして喜ばれ、フランスや英国の古い家具の仕上げとしてしばしばみることができます。
これは日本の漆塗りとも混同され、東洋への憧れとも相まって、19世紀のヨーロッパの富裕層に喜ばれた仕様でありました。
一方で、古い時代の小物入れやトレイなどのデスクセット、ブラシの柄や化粧道具入れなどのレディスセットには本物の黒檀が使われているのを見ることがあります。
これは、マホガニー等と比べれば、黒檀はかなり貴重な材であり、加工が大変であったことを伺わせます。
そして、本物の黒檀を使ったそのようなアイテムは、高級品であったことは間違いないでしょう。
今回ご紹介するアイテムは、そんな黒檀のトリンケットボックス。
手に入れたのは英国のマーケットです。
無垢の黒檀を誇るかのように、飾りはほとんど施されていません。
ゆったりとした曲線を描くフロント部分と、華奢な挽物の脚が唯一といってもよい装飾となっています。
一見はほとんど黒。
でもよくよく見れば、深いところに輝く杢目が潜んでいることにお気づきいただけることと思います。
材が硬いせいでしょうか、足回りに若干の亀裂がみられますが、これ以上広がるようなものでもないと判断し、このままのご紹介とさせていただきます。
もちろん、ぐらつきやカタつきはございません。
こぶりで、中には名刺がやっとはいるくらいの大きさ。
紳士がデスク周りの小さな物、例えば切手やペン先等を入れていたのかもしれません。
レディがアクセサリー入れとして使っていたのかもしれません。
どちらにしても、控えめなデザインと本物の材の良さで、どこに置いても風格溢れる最上級の逸品。
ぜひ貴方の指先で、銘木の滑らかな肌をご体感ください。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃
◆素材:エボニー(黒檀)
◆サイズ(外寸):幅約15.2cm 奥行き約8.4cm 高さ約6.6cm
◆サイズ(内寸):約12.6×5.7cm 深さ約2.4cm
◆重量:296g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、材のワレや補修跡がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A