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Friday

英国家具の原型をデスクトップで愛でる / Antique Oak Miniature Coffer

 英国アンティーク、ミニチュア・コファー。


















コファー/Cofferとは、蓋付きの箱型の家具のこと。


いわば家具の原型ともいえるもので、後にチェストやキャビネットなどに進化していったといわれています。ベットの足元に置き、ブランケットなどの収納に使われたり、収納付きのベンチやテーブルとしても使用されてきました。ブランケット・ボックス、と呼ばれることもあるようです。



今回ご紹介するミニチュア家具は、そんなコファーを小さくしたお品物。


素材は英国家具史のなかで最も歴史のある材、オーク。まさに古い家具であるコファーを造るのに最適な材といえるでしょう。比較的シンプルなデザインながらも、要所が木組みでつくられており、小さいながらも丁寧に作られていることがわかります。蓋の内側にはオークならではのシルバーグレイン(虎斑)もみることができ、小さいながらも英国アンティーク家具の醍醐味を愉しむことができます。


どうしても雑多になってしまうデスク回りや、趣味の小物などを整理しておくのにぴったり。


ふと手と頭を休める時、視界にこんなアイテムがあれば、良い方向に心をリセットできる気がいたしますが、いかがでしょうか。



◆England

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:オーク材

◆サイズ(外寸):幅約29.1cm 奥行約10.8cm(+蝶番の金具)高さ約13.3cm

◆サイズ(内寸):約26.7×8.3cm 深さ約9.5cm

◆在庫数:1点のみ

◆重量:566g




【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に材の欠けやワレ、小傷や汚れ、錆びや変色等がみられます。

*蓋を安定して立てておくための金具はございません。ふつうに開けば、めいっぱい開いて止まります。

*そっとバランスをとると、蓋は直立して立てておくことが出来ます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A


必然の美しさを識る / Antique Brass Spirit Level with Case

 英国アンティーク、ケース入り水平器。















円筒形の一辺が切り取られた、蒲鉾型をした真鍮製の筒。


くすみ、やや傷ついてはいるものの、歳月を経て使われてきた風格で溢れています。端部の蓋を開けば、そこからは再び蒲鉾型の真鍮棒が出て参ります。中央には窓がきられており、そこに液体と気泡が閉じ込められているのを確認することが出来ます。


これは、英語では「レベル/Level」、日本では「水平器」とよばれるもの。


この水平を測る機能は、現在はスマートフォンにも標準装備されていますが、日常生活ではあまり必要とする場面もないかと思います。しかし、測量の現場や建設現場、工場などでは必要不可欠で、カメラや三脚などにも使われている重要なツールなのです。

水平器/水準器の歴史は古く、アルファベットのAに似た木枠の頂点から、錘を糸で吊り下げて水平を見る「A水準器」などが、古代から19世紀まで使われていたほど、あらゆる建造物、建築物は、水平であることなくしては為し得なかったと言えます。


ガラス円筒に液体と気泡を入れた密閉ガラス管を用いた水平器/水準器は、1661年に発明され、初めは望遠鏡、後に測量で使用されましたが、19世紀半ばに工場製モデルが導入されるまで、大工の道具として普及しませんでした。

当初、液体として水やアルコールが選択されましたが、水は粘度や表面張力、凝固点の問題から使用が困難なので、アルコールや油などが使用されるようになり、今日では、ミネラルスピリッツやエタノールなどの代替液体を使用し、さらにフルオレセインなどの着色剤を添加して、気泡の視認性が高められています。

1800年代後半から、アメリカのスタンレーや、欧州の多くのメーカーが製造し、英国やスコットランド、フランスなどでは、黒檀や象牙、真鍮やシルバーなどを使用した派手で高性能なレベル(水平器)が製造され、レベル作りを新たな高みに引き上げたと言われています。



今回ご紹介するのは、英国のアンティークフェアで手に入れたものですが、液体とガラス以外は全て真鍮製のもので、特にメーカー名や刻印などはみられません。

正直、ほとんど見ない珍しいタイプで、特別に作られたと思われるケースの丁番、全体の潔いデザインなどに、作り手のこだわりを感じることが出来ます。作られた時期は難しいのですが、風合いから恐らく20世紀初頭、1900-1930年代頃と推測いたします。


ずっしりと重い本体は、形状も相まってまるで文鎮の様で、デスクアクセサリーとしてもお使いいただけるかと思います。


古びた真鍮の味わいと、道具が持つ必然の美しさを備えたアンティークアイテムを、是非手に取ってご堪能ください。




◆England

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:真鍮・ガラス・他

◆ケースサイズ:長さ約16.1cm 奥行約2.4cm 高さ約2.2cm

◆在庫数:1点のみ

◆総重量:328g

◆本体のみ重量:230g



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、凹み等がみられます。

*ケースの蓋は安定して閉めておく金具やロックなどはございません。重量がかかれば自然と開きます。

*精密な測定にはおすすめできません。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





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Todd Lowrey Antiques

by d+A


古代の神殿へ思いを馳せて /Vintage Ionic Column Silver Brooch

 英国ヴィンテージ、シルバーブローチ。













英国のアンティークフェアで手に入れた、シルバーブローチ。


興味深いのはモチーフがギリシア神殿の柱頭、イオニア式のものだということ。


エーゲ海沿岸にかつて存在したイオニア地方で誕生し、紀元前5世紀頃にはギリシア本土でも用いられるようになったスタイルです。ペアで突出する渦巻き飾りが特徴で、アテネのアクロポリスにある神殿エレクテイオンにも用いられています。


ブローチの針を留める部分が少し変わった造りになっていて、四角い渦巻のなかに針先を納める仕組みです。グリーク・キー(ギリシアの鍵)という文様の一部にも似ていて、ひょっとしてそのイメージから特別に作ったのかな、等とも思います。


裏面にはシルバー925を表す「925」の刻印に加え「17.4」の数字もみられますが、この意味はわかりませんでした。


遥か紀元前のモチーフを使ったシックなブローチは、男性女性問わずお使いいただけそう。

建築好きな方へのギフトにも最適な英国ヴィンテージのひとしなです。




◆England

◆推定製造年代:c.1950-1970年代頃

◆素材:シルバー925

◆サイズ:約3.3×4.9cm

◆在庫数:1点のみ

◆重量:13g



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。

*ブローチ留め金具はご使用可能と判断しておりますが、現代の物に比べれば若干操作性に劣ることをご了承ください。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





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by d+A


フルールドリスを何故纏う / Antique Double Spice Holder on Stand with Fleur de lis

 フランスアンティーク、ダブルスパイスホルダー。
















フランス郊外のアンティークフェアで手に入れた、ダブルスパイスホルダー。


正直、本当にスパイスホルダーかどうかは不明なのですが、一応販売していたディーラーの言葉を信じてそのように呼ぶことにしています。


材はおそらくピューターで、ずっしりとした重み。丸いベースから立ち上がっているスタンド型で、中心を境に2か所に物が入れられる仕組みとなっています。中央に王冠を模したような仕切りが立ち上がっていて、そこに蓋が上手くよりかかれば、蓋を開けておくことが出来ます。この仕切りはとても微妙に直立しているので、蓋が上手く寄りかかるかどうか、は時々で異なる感じがします。底面も丸くなっているので、スパイスのような細かい物を入れて使うには、ちょうど良いのかもしれません。


出色は蓋と仕切りに「フルールドリス/Fleur de lis」が浮き彫りにされていること。フランス王家の象徴でもあるフルールドリスは、直訳は「ユリの花」ですが、この意匠の場合はアイリスをさすとされています。かなり古くから多くの文明に共通して見られる意匠で、装飾的あるいは象徴的に用いられてきました。


例えば493年フランスのクローヴィス1世がキリスト教への改宗に際し、フランスの君主で最初にフルールドリスを王家の紋章に採用して宗教的純血の象徴としたという説や、中世イングランドでは12世紀中頃から、貴婦人の印章にフルールドリスと女性の像がしばしば見られるようになり、聖母マリアを暗示したものであったとか、調べれば枚挙にいとまがありません。


よってこのスパイスホルダーに何故フルールドリスがついているのかも、多くの理由が考えられてしまい、特定は難しいようです。


現代での使い方は、アクセサリー等の小物入れがおすすめ。簡単ではありますが蓋がついていますし、取り出しやすいメリットもございます。もちろん、貴方次第で他の使い方を考えて頂いてもよろしいかと思います。


時を経た味わい深い質感を愉しみつつ、フルールドリスを纏った古い容器の出自を推理してみるのも一興かと思うのですが、いかがでしょうか。



◆France

◆推定製造年代:c.19世紀

◆素材:おそらくピューター

◆サイズ:幅約14cm 高さ約15cm ベース直径約7.5cm

◆重量:487g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





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