英国アンティーク、ケース入り折りたたみ式リネン検査器。
英国のアンティークマーケットで手に入れた、折りたたみ式の拡大鏡をご紹介しましょう。
工具やその他魅力的なアイテムを揃えたストールは、とても行き過ぎることができない魅力に満ちていました。その店頭、ガラスケースの中にこのアイテムはディスプレイされておりました。
うわ、これ見たい。
そう願いつつ見まわすと、店主らしき人はどこにもいません。アンティークマーケットあるあるですが、大抵は少し待てば店主はどこからか現れるもの。
ただ、今回はいくら待っても現れてはくれませんでした。私たちを気の毒に思ったのか、向かいのストールの女性が「もうすぐ帰ってくると思うわ」などとフォローしてくれましたが、やはり現れません。
ついにそこを離れ、他をみて、またそこに戻る・・・を数回繰り返したのち、やっと壮年の銀髪の英国紳士店主が登場しました。
ちょっとすまなそうな顔をしていましたが、ガラスケースの中からこれをとりだせば、自慢げに紹介してくれます。「これはいいよ。オリジナルのケース付き。こんな小さいのは珍しい。ヴィクトリアン、19世紀終わり頃だと思う。」
小さなレザーケースにぴっちり入った銀色の拡大鏡を取り出し、広げればリネン検査器が現れます。
リネン検査器とは、リネン織物の糸の密度や状態などを検査、検定するための顕微鏡/拡大鏡のこと。
この機能を有するものは、Linen Tester/リネンテスター、あるいは、Thread Counter/スレッドカウンターという呼び名の折りたたみ式置き型ルーペとして、
現代でも活用されています。拡げるとコの字型になり、生地の上に直接置いて、1インチあるいは25㎜角の正方形の開口部から見える生地の状態を、円型のレンズから覗き込むかたちが最も一般的です。
このようなリネンテスターの原形は19世紀初頭まで遡ります。初期のリネン検定器/検査器は、Pillar Type Linen Prover と称する、2本の小さな柱で支える最もシンプルな形状で、標準化された開口部ではなく、小さな丸穴が開いているだけでした。ただ、折りたたみ式モデルも1840年代には登場しており、ウエストポケットに仕舞えるように、折りたためるように作られたと言われています。
今回のリネン検査器は、とても小さいので開口部は半インチ(約1.27cm)。レンズも応じて小さいのですが、パワフルな拡大率で十二分に対象物を拡大してくれます。
ケースと検査器本体に「B S D」の文字がみられます。メーカー、もしくは何か団体のイニシアルかな、と思い調べてみましたが、詳細を見つけることはできませんでした。
由来ははっきりしませんが、ここまで小さく、しかもオリジナルのケース付リネン検査器はとても希少かと思います。
ケースから取り出し、広げ、また仕舞う。
あたりまえの動作が、何故かとても意味深く、そして愉しめる。
100年前の人々もこんな気持ちで使っていたのかな、と思いながら。
機能性だけではない何かをお求めの方へお届けしたい、英国アンティークの稀有な逸品はいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1880-1900年代頃
◆素材:革、金属、ガラス
◆レンズ本体サイズ(立てた時):約1.7×2.5cm 高さ約2.3cm
◆ゲージサイズ:1.27cm角(半インチ角)
◆ケースサイズ:約3.2×2.6cm 厚み約1.3cm
◆在庫数:1点のみ
◆総重量:20g
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、革の傷みや金具の錆び、変色等がみられます。
*レンズに欠けはみあたりません。
*ケースの留め具はかろうじてとめることができます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A