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Friday

フルールドリスを何故纏う / Antique Double Spice Holder on Stand with Fleur de lis

 フランスアンティーク、ダブルスパイスホルダー。
















フランス郊外のアンティークフェアで手に入れた、ダブルスパイスホルダー。


正直、本当にスパイスホルダーかどうかは不明なのですが、一応販売していたディーラーの言葉を信じてそのように呼ぶことにしています。


材はおそらくピューターで、ずっしりとした重み。丸いベースから立ち上がっているスタンド型で、中心を境に2か所に物が入れられる仕組みとなっています。中央に王冠を模したような仕切りが立ち上がっていて、そこに蓋が上手くよりかかれば、蓋を開けておくことが出来ます。この仕切りはとても微妙に直立しているので、蓋が上手く寄りかかるかどうか、は時々で異なる感じがします。底面も丸くなっているので、スパイスのような細かい物を入れて使うには、ちょうど良いのかもしれません。


出色は蓋と仕切りに「フルールドリス/Fleur de lis」が浮き彫りにされていること。フランス王家の象徴でもあるフルールドリスは、直訳は「ユリの花」ですが、この意匠の場合はアイリスをさすとされています。かなり古くから多くの文明に共通して見られる意匠で、装飾的あるいは象徴的に用いられてきました。


例えば493年フランスのクローヴィス1世がキリスト教への改宗に際し、フランスの君主で最初にフルールドリスを王家の紋章に採用して宗教的純血の象徴としたという説や、中世イングランドでは12世紀中頃から、貴婦人の印章にフルールドリスと女性の像がしばしば見られるようになり、聖母マリアを暗示したものであったとか、調べれば枚挙にいとまがありません。


よってこのスパイスホルダーに何故フルールドリスがついているのかも、多くの理由が考えられてしまい、特定は難しいようです。


現代での使い方は、アクセサリー等の小物入れがおすすめ。簡単ではありますが蓋がついていますし、取り出しやすいメリットもございます。もちろん、貴方次第で他の使い方を考えて頂いてもよろしいかと思います。


時を経た味わい深い質感を愉しみつつ、フルールドリスを纏った古い容器の出自を推理してみるのも一興かと思うのですが、いかがでしょうか。



◆France

◆推定製造年代:c.19世紀

◆素材:おそらくピューター

◆サイズ:幅約14cm 高さ約15cm ベース直径約7.5cm

◆重量:487g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques

by d+A