英国ヴィンテージ、トビージャグ。
トビー・ジャグの由来は18世紀に遡ります。
もともとはビール(もしくはエール)ジャグで、座って飲む男性の姿をかたどっており、三折り帽とフロックコート、パイプとなみなみとビールが入ったマグをもっている、というのが、お定まりのスタイル。
名前の由来は諸説あります。
18世紀のヨークシャーで、2000ガロン(1ガロン約4.5リットルとすると9000リットル!!?)ものエールを飲み干したといわれるToby Fillpot(またはPhilpot)をモデルとしたというものがひとつ。
他には、シェークスピアの12夜/Twelfth Nightにでてくる大酒のみのサー・トビー・ベルチ/Sir Toby Belchからの名前、という説もございます。
どちらにしても、モデルは大酒のみ。
18世紀ころから焼き物が盛んだったスタッフォードシャーで作られるようになり、とても人気となりました。
もともとはビールを飲むジョッキだったらしいのですが、実用と言うよりは装飾的なものであるため、小さなものも作られるようになり、ミルクピッチャーや、ディスプレイ用のセットなどへと広がっていったものと思われます。
その由来があるせいか、顔だけをかたどった、トビーではない、他の人物のものも「トビー・ジャグ」とよばれます。
ロイヤルドルトンやベスウィックなどの窯元も多くのトビージャグを生産してきました。
文豪チャールズ・ディケンズの登場人物を揃えたディケンズ・シリーズのトビー・ジャグなどは、コレクターの醍醐味ともいえるでしょう。
今回ご紹介するトビー・ジャグは高さ約8cmのミニサイズ。
片手にジョッキ、片手にパイプとお約束のポーズをしています。
底面には以下の文字が確認できます。
Tony Wood
STAFFORDSHIRE ENGLAND
MINI PHILPOT
もともとはヴィクトリアン中期、1865年にThomas Francis Wood によって始まった「Wood and Sons」。
その後、スージークーパーによるデザインの食器にかかわるなど広く事業を展開しますが、1995年には倒産してしまいます。
「Tony Wood Studio 82 Ltd」として活動していたのは1982年から1995年まで。
アイテムとして有名なのは、動物の形をしたティーポットやトビージャグなどのキャラクター的な物が多いようです。
タイトルは「PHILPOT/フィルポット」。
このことから、前述の18世紀のヨークシャーのトビーがモデルなのではないかと思われます。
大酒のみの割には、きちんと座り、品の良い可愛らしい顔立ちをしております。
これからどんどん豹変していくのでしょうか・・・。
歴史と伝統をしっかりと受け継ぎながらも、どこか愉快なヴィンテージ・アイテム。
ディスプレイのワンポイントに、花瓶代わりに、いかがでしょうか。
◆England
◆Tony Wood
◆推定製造年代:c.1982年から1995年まで
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約4cm 奥行き約7cm 高さ約8.2cm
◆重量:81g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですが、とても良いコンディションです。
*欠けやヒビ、目立つ汚れはみられません。
*わずかに製造時からと思われるスポッツ(極小の黒点)がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A