英国アンティーク・折りたたみ式チェスボードと箱入チェスメン。
イングランド北部で買い付けた、箱入りのチェス駒とチェスボード。
チェスの駒は英語で「chessman」。複数では「chessmen」。今回ご紹介するチェスセットは、スタントンスタイルのチェスメンです。
スタントン・スタイルとは、現在も公式に使われている駒の形で、第一回ロンドン国際大会・1851年から使われているもの。それまではまちまちの形をしたチェス駒が使われて、よく問題が起こっていたそうです。この駒の形に決めたのが、当時世界最強プレイヤーといわれていた英国人Howard Staunton/ハワード・スタントン(1810-1874)。それ以来、このようなスタイル・形をスタントンスタイルとよぶようになりました。現在、最もメジャーなスタイルといってもよいでしょう。
チェスメンはスライド式蓋のついたマホガニーの木箱に収納されています。ただ、だいぶ古いもので木の収縮により、蓋が外れやすくなっておりますことを申し添えておきます。
また、今回ご紹介するボードは、特にメーカー名は無く、「MADE IN ENGLAND」としか表記されておりませんが、ボードのコーナーにには以下の文字が記されたシールが貼られています。
REDMAYNE & TODD Ltd Nottingham
この「REDMAYNE & TODD Ltd」とは、ノッティンガムに在ったスポーツ・ショップ。市の中心部、キャリントン・ストリートのコーナーに現存する立派な建造物に入っており、少なくても1896年にはそこで商売をしていたようです。
スポーツ・ショップといっても売り場は広く、おもちゃやゲーム類なども多く扱っていました。1970年代のお店の様子がインタビュー記事となっている「ノッティンガムニュース」のサイトを見つけましたので、よろしければご覧ください。地元としては、とても有名なショップであったことを伺わせます。
「Life working at iconic former Nottingham sports shop Redmayne & Todd」
https://www.nottinghampost.com/news/nottingham-news/life-working-iconic-former-nottingham-5086132
ボードにしっかりとシールを張り付けるということは、恐らく「このショップで売られていた」ことこそが、クオリティの証となる、ということだったのかもしれません。
チェスメンの箱につきましては目立つシールやロゴは無いものの、底面にわずかに刻印と印字がみられます。「・・・LTD」くらいしか判別できませんので、メーカー名などは不明。セットで買い付けましたが、オリジナルのセットかどうかはわかりません。ただ、キングの底面の直径がマス目ぴったりですので、大きさ感としてはフィットしており、違和感なくプレイしていただけることと思います。
かつてどんな人々たちがこのチェスセットで対局してきたのでしょうか。大きめのボードは存在感たっぷりで、広げればたちまちチェスの世界へと没頭できそう。しっとりとした木の触感がうれしいチェスメンもおおぶりで、パーツとしてディスプレイするだけでも素敵な空間を作ってくれそうです。
「チェスはスポーツ。暴力的なスポーツ。」とは芸術家でありチェスの名プレイヤーでもあったマルセル・デュシャンの言葉。それであれば、チェスメンをスポーツ店で扱っていても何の不思議もございません。
頭脳のスポーツ・チェスを、緻密に、戦略的に、時に暴力的にお愉しみください。
◆England
◆推定製造年代:c.1930年代頃
◆素材:木/紙
◆ボードサイズ(広げた時):約35.3cm角 マス目内寸約3.5cm角
◆箱サイズ:幅約15.5cm 奥行き約11.9m 高さ約7cm
◆チェスの駒:キングの高さ約7cm 直径3.5cm ポーンの高さ約3.2cm 直径2.1cm
◆重量:ボード約264g 箱入チェスメン約408g
◆在庫数:1セットのみ
【NOTE】
*箱入りチェスの駒(32ピース)、及びおりたたみボード1枚、セットでの販売です。
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、少々の欠け、書き込み、紙ボードには傷みがみられます。
*詳しくは画像をご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A