英国アンティーク、ラバースタンプ付きスタンプスタンド。
英国の南東部の競馬場。
休日に行われていたアンティークフェアに訪れたそこは、びっくりするくらい美しい場所でした。
何処までも広がる緑の草原、競馬場の向かいに設えられたゴルフ場。競馬場の入り口付近の小さな建物のなかは馬の壁画で飾られ、平時にはバーとして使われているようでした。
まさに大人の社交場を具現化したような場所で行われていたフェアは、家族連れで賑わい楽しい雰囲気で溢れていました。
そこで手に入れたのがこのスタンプスタンド。
巨大なゴシック調の木のケースに飾られたフクロウのはく製が目を惹くストールで、上品なレディからお譲りいただきました。
スタンドの作られた時代は古く、ヴィクトリアン後期頃とのこと。ずっしりとした重さに若干躊躇しましたが、くるくる回る可愛さとヴィクトリアンらしい意匠に魅かれ手に入れてしまいました。
付属していたラバースタンプ6個はやや後年のものもございますが、ひととおり実用にご使用いただけますので、ご紹介しておきます。
1:MALLETTS hardware & Household Stores SUSSEX・・・サセックスにあったであろうお店(詳細不明)
2:REFRIGERATOR SALES & SERVICE PETERBOROUGH ・・・ピーターボロウにあったであろう冷蔵庫のお店(詳細不明)
3:PAID・・・支払済、領収済の意味
4:GRIMSBY/グリムズビー・・・イングランド・リンカンシャーのタウン
5:YOUNGS OF GRIMSBY ・・・グリムズビーにあったパブかもしれません
6:どなたかのサイン・・・サインがスタンプってどうなんでしょうか(苦笑)
ちなみにお店の電話番号は4桁。
電話の商業サービスは、1878年と1879年にはじめて、アメリカのコネチカット州ニューヘイヴンと英国のロンドンでそれぞれ開始されたという歴史があります。その後桁数はどんどん増えますが、同じ時期でも場所によって異なり、なかなか時期の特定は難しいものとなっています。
おそらくではありますが、英国において4桁の電話番号は、1940-1960年頃に使われていたと思われます。
そして、ラバースタンプの歴史も少しご紹介しておきます。
「Rubber Stamp/ゴム印」の歴史は古く、19世紀後半には既に多く使われていました。
もともとはアメリカ合衆国の発明家「チャールズ・グッドイヤー/Charles Goodyear(1800-1860)」が1840年代に合成ゴムを実用化したところに源があるといわれています。その数十年後にゴム印が発明されますが、実際に発明した人や具体的な年は定かではありません。19世紀後半にはたいへん広がり、アメリカには数百社のゴム印メーカーがあったとされています。
英国での数は未調査ですが、アメリカでそれほどあったならば、英国でもかなり普及していたというのは間違いないでしょう。始めは木のハンドル、そして第二次大戦後には樹脂製のハンドルが主流になっていきます。
ヴィクトリアン後期のオフィス。
既にタイプライターは普及しつつあり、最先端のオフィスではタイプライターの音が響いていたことでしょう。そしてこれもまた流行しだしたラバースタンプを使って、紙にポンとおせば、たちまち完成度の高い書類の出来上がり。
どんどん増えるラバースタンプは、使いやすいように回転するスタンドが便利。そっけないものでは無く、重厚感あるお洒落な物が好まれたのかもしれません。
そんな時代に作られたスタンプ用スタンド。
材はずっしり重いキャストアイアン、トップには真鍮の擬宝珠がポイントであしらわれ、黒と金という格調高い色合いとなっております。
スタンプを引っかける部分はスムーズに回転し、自在に取り出せる仕組みはストレスなくスタンプを選ぶのに役立ちます。
実際にスタンプを引っ掛けて使われるのもよし、他の文具類を工夫して置かれてもよろしいかもしれません。
貴方のデスクトップに重厚な存在感を持って鎮座する様は、まさにヴィクトリアンのオフィスのよう。
是非実用にお役立て頂きたい、英国アンティークの佳品です。
◆England
◆推定製造年代:スタンド:19世紀後半/スタンプ:19世紀後半から1960年頃まで
◆素材:鉄、真鍮、他
◆スタンドサイズ:ベース直径約9.6cm 高さ約13.4cm
◆在庫数:1セットのみ
◆総重量:757g
◆スタンドのみの重量:535g
◆スタンド、スタンプ、それぞれの別売には対応しておりません。
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*スタンプのゴムはやや劣化している部分もございます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A