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Saturday

時を刻む19世紀の稼働装置 / Antique Clock Movement by E. N. Welch

 アメリカンアンティーク、クロックムーブメント。
















英国の大きなアンティークフェア。


屋内のストール、セットされた棚の片隅にこのムーブメントは置かれていました。


「WORKING」


手書きの注意書きが貼られており、このような状態でも稼働することのアピールしておりました。アナログな機械に目がない私たちとしては、手に入れない選択肢はありませんでした。


真鍮で組まれた矩形の中に、組み込まれた多くの歯車、そしてゼンマイが納まるべきところに納まり、動き出すのを待っているようです。ネジを廻せばゼンマイはぎゅっぎゅっと縮まっていき、歯車がカチコチと心地良い音を立て始めます。



ムーブメントの下部には以下の刻印がみられます。


E.N.WELCH

FOREST VILLE CT

U.S.A



「E.N.WELCH」とは、「E. N. Welch Manufacturing Company」のこと。

1864年、コネチカット州 FOREST VILLE/フォレストビルにて、Elisha N. Welch(1809-1887)が設立した時計製造の会社です。1856年頃、フォレストビルにて手広く事業を行っていた「JC Brown」が破産した後、その場所を引き継ぐ形でEast Main Streetにおいて事業を開始しました。


美しいローズウッド、後にはウォールナットのケースをもつウォールクロック(壁掛け時計)で知られ、コレクターから高い評価を受けていたといいます。1887年にElishaが亡くなった後、事業は急激に衰退。数度の火災もあり、1903年には会社は買収され名前は「Sessions Clock Company」に変更されました。




つまりこのムーブメントは1864年から1903年の間に、コネチカット州 フォレストビルのE.N.WELCHにて作られたもの。当然初めはローズウッドもしくはウォールナットのケースに入った壁掛け時計として制作されたのでしょう。


アメリカから輸入され、英国で販売されていたのかもしれません。後になんらかの理由でケースは無くなり、稼働するムーブメントだけがアンティーク市場に流れてきた、といったところかと思います。


100年を経たアナログな機械がもつ、必要不可欠なパーツが剥き出しになった様は、どこか前衛芸術の趣きを感じさせます。


稼働する様子を動画でアップしましたので、よろしければご確認ください。




このまま時計としてお使いいただくのはもちろん、ご自身でアレンジしてまた新しい外装を設えるのもよろしいかと思います。



「時を刻む」。


まさにその言葉を実感するような、カチコチ響く音に耳をすませながら、ぼんやりと過ぎていく時間を感じてみてはいかがでしょうか。




◆英国買付/U.S.A

◆E. N. Welch

◆推定製造年代:c.1864-1903年

◆素材:真鍮、金属

◆本体サイズ(幅と高さに針は含まず):幅約10.5cm 奥行き約6cm 高さ約11cm

◆長針が真下にきたときの針を含む全体高さ約13.5cm

◆重量:352g

◆在庫数:1点のみ(ネジが付属します)



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや歪み、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*このままでも自立しますが、針がケースよりも長いため、時間によっては接地面に針があたって止まってしまいます。

*実際にご使用になる場合は、何かに取り付けるか適当な台に乗せるなどしてご使用ください。

*ネジは反時計回りに巻いてください。巻いただけで動かない時は、向かって左上の部品を軽く弾いてください。(動画をご参照ください)

*24時間で約5~8分程度の狂い(進みすぎ)を確認しています。

*一度いっぱいに巻けば24時間以上稼働します。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。

Todd Lowrey Antiques

by d+A