英国アンティーク、スターリングシルバーがポイントでついた大曲ステッキ。
今回ご紹介するステッキは、シャフトがクルーク・ハンドル=大曲りとなっているステッキ。
このタイプのグリップは、持ちやすく、ちょっとした時に手に掛けておきやすい実用性で長年人気の定番となっているフォルムです。
シャフト部分は木製ですが、ほぼ黒といえる色味に塗装されています。わずかに塗装の剥げがみられますが全体としては良いコンディションといえるでしょう。重さは約166gとステッキとしては比較的軽めの部類といえます。
石突部分はかつて金属がかぶせられていたと思われますが、買い付け時には外れて木のみとなっておりました。日本製のゴムキャップをおつけしましたので、よろしければそのままご使用ください。
また、カラー部分にはスターリングシルバーがポイントで取り付けられています。
唐草とシールドが手彫りで施されており、メーカーズマークとホールマークが確認できます。右端が豹、次はライオン、左端は隅を切った矩形にKの大文字となっています。これで1945年にロンドンのアセイオフィスで認可をうけたスターリングシルバーであることがわかります。
メーカーズマークは「K&S L.D」。これは「Kendall & Sons Ltd」のこと。
1870年 Leicesterにて創業、その後事業を拡大し、傘やレインウェア等を製造していました。特にケンダルズの傘は高い評価を受けており、その技術を使って第二次大戦中はパラシュートの製造に係わります。やがて1977年には他社に買収され、最終的には服飾ブランド「NEXT」に吸収されました。
このステッキが作られた1945年と言えば、まさに第二次大戦終戦の年。
比較的シンプルなデザインであるのも、そのような背景があるのかもしれません。そしてこの頃には、ステッキを日常的に持ち歩く紳士も少なくなっていたことでしょう。
そんな時代につくられた、黒系のシャフトに、ワンポイントで取り付けられたスターリングシルバーをもつステッキ。
1940年から1941年まで約8か月続いた、ドイツ軍によるロンドン大空襲をくぐりぬけたロンドンで、町を歩く英国紳士が手元に置き、大いに頼りにしていたであろう様が目に浮かびます。
価値観がせめぎあう時代を生きる紳士の「よすが」となっていたであろう硬派なステッキ。
今の時代にも、貴方を支える力となってくれるのではないでしょうか。
◆England
◆London
◆推定製造年代:c.1945年
◆素材:木・スターリングシルバー
◆サイズ:長さ約92cm グリップ幅約11.3cm
◆重量:約166g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、塗装の剥げ、アタリや擦れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*体重をかければ若干しなりますが、木製ステッキとしては許容範囲内と思われます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A