英国アンティーク、箱入りミュージックロール。
ミュージックロール、ご存じでしょうか。
ピアノロールやソングロール等とも呼ばれ、自動オルガン(もしくはピアノ)の演奏用のシートです。
1870年代頃からアメリカで作られ始めたといわれており、1890年代頃から演奏するピアノの開発もあってとても広まりました。
自動ピアノや自動オルガンにセットし、巻き取りながら空気圧をかけ、小さな穴から漏れ出る空気によって演奏される、という仕組み。
1ロール巻き終わると曲が終わってしまい、再セットに時間がかかったため、2つのロールをセッティングして絶え間なく演奏できるようなものもあったそうです。
さて今回手に入れたのはそのミュージックロール。まるで古文書のような外観をもつ巻物で、広げていけば薄手の紙に細かな穴が開いているのがわかります。
端部は美しい意匠が施されており、以下の文字がみられます。
FULL SCALE
METROSTYLE
L 40084A
MY DREAM MEMORY
Theme Song from "Street Girl"
FOX TROT
O. Levant
The Aeolian Company,Ltd
LONDON AND NEW YORK
Made in Great Britain
まず、曲名は「MY DREAM MEMORY」。
1929年公開のアメリカミュージック映画「Street Girl」のなかの1曲で、作曲はアメリカの「Oscar Levant/オスカー・レヴァント(1906-1972)」です。
ロールの製作は1887年ニューヨークにて「The Aeolian Organ & Music Company」として創業した「The Aeolian Company,Ltd」。後にロンドンでも営業するようになりましたので、このロールには「LONDON AND NEW YORK」と記されており、このロール自体は英国製となっています。
もちろん演奏するものがないとどんな音楽が演奏できるのかわかりませんが、「MY DREAM MEMORY」「Oscar Levant」で検索すれば曲を探せますので、どうぞ探してみてください。1929年という時代を感じさせるような、ちょっとハイカラでどこかノスタルジック、そして陽気なメロディをお愉しみいただけることと思います。
端部のデザインが秀逸ですので、箱から少し出してディスプレイに。
ロールを壁から掛けて、端部にタッセルなどの重しをつけてタペストリーのように飾っても素敵かと思います。
曲を封じ込めた、紙の巻物、ミュージックロール。
聴くことが難しいからこそ想像を掻き立てられる、アンティークのひとしなです。
◆England
◆推定製造年代:c.1929年頃
◆素材:紙、他
◆外箱サイズ:幅約31.8cm 奥行き約5.4cm 高さ約4.8cm
◆本体サイズ:全長約30.6cm 直径約4.2cm
◆総重量:329g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、端部の傷み、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*デリケートな古い紙なので、お取り扱いにはご注意ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A