現代の日本。
お店はもちろん、ネットにも沢山の物が溢れています。
おしゃれなショップでは、最先端のデザインのものを。
ネットでは、あちこち見比べて、より低価格で最適なものを。
100円ショップ(300円や500円ショップもありますが)などでも、
そこそこのクオリティのものを、驚くほど低価格で手に入れることができます。
マーケティングと品質管理で、多くの人が好むものを、しっかりとしたクオリティで提供する。
そんなものが溢れている時代。
でも一方で、一点ものの作家作品が評判になったり、手作りのものに愛着を感じ、ネット上の手作りマーケットがちょっとしたブームにもなっています。
手作りならではの味わい。作家のこだわり。他の人が持っていない、自分だけのもの。
そんな魅力が、ひとの心をとらえるのでしょう。
・・・選択肢が多い時代となっています。
さて、アンティークの話でした。
英語・フランス語で「ANTIQIE」と書き、語源はラテン語のアンティクウス/Antiquus・古い、の意味。
どのくらい古いものがアンティークとされるかの明確な定義は、1934年にアメリカ合衆国で制定された通商関税法に記された「製造された時点から100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品」が唯一であり、ヨーロッパ各国におけるアンティーク の定義もおおむねこれに従っているといわれています。
他に古いものを表す言葉として、こんなものがあります。
アンティークほど古くないものを「ビンテージ/vintage」
古さはあまり関係なく、収集対象となるものを「コレクタブル/collectable」
特にフランスにおいて、アンティークほど古く、価値はない古道具的なものを「ブロカント/brocante」
ただ、どれも明確な法律的仕訳はなく、非常に感覚的に使われているといってよいでしょう。
そんな曖昧な立場のアンティーク。
前述のように、新しくよいものがいくらでも手に入る時代、わざわざアンティークを手に入れる必要がどこにあるのでしょうか?
古いものを手にしたとき、どうしても、それを自分のものとしたい欲求を抑えられなくなることがあります。それはきっと、そのものがもつ歴史やストーリーに、自分も参加したくなる瞬間。
100年前のロンドンで紳士が触れていたであろうマホガニーのレターラックに、今日は私が友人からの手紙をいれる。あと50年後、100年後はどうなるのだろう、と想いを馳せながら。
もちろん、今はもう手に入らないクオリティだからとか、手仕事が素晴らしいとか、他の人が持っていない珍しいものだから・・・などなど探せば理由は沢山あります。
ただ、アンティークの魅力の一番は、そのものが持つ「ストーリー」なのではないか、と私たちは思います。
時を経たことによって、唯一のものとなったアンティークを、ストーリーとともに、お届けいたします。
Todd Lowrey Antiques
by d+A
http://toddlowrey.com