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Friday

葉巻と木箱とコープ兄弟/ Antique Wooden Cigar Box

 英国アンティーク、木製葉巻箱。

















風情溢れる木箱を手に入れました。



まず、箱の蓋の裏表には以下の文字が刻印されています。


Bond of Union

Cigars

Extra Fine


HAND MADE



そしてポイントであしらわれたモノグラム「C B」から、これはコープブラザーズ&カンパニーのものであることがわかります。


1848年にリバプールで設立された「Cope Bros & Co/コープブラザーズ&カンパニー」は「Thomas Cope/トーマス・コープ」と「George Cope/ジョージ・コープ」兄弟によってつくられたタバコ製品を製造する会社です。


広告宣伝に巧みで、魅力的なパッケージ、コレクション用オマケのシガレットカード、ポスターやロビー活動を駆使して喫煙を魅力的なものとすることに注力し成果を上げました。1880年代までには2000人近くの従業員を雇用し、嗅ぎタバコ、葉巻、紙巻きタバコなど複数のブランドを製造していました。


兄弟亡き後も会社は存続し、1952年にギャラハーグループに買収されるまで、会社はコープ一族が運営していました。



以上のことから、この箱は葉巻用の木箱であると思われます。材はおそらくスパニッシュシダー。シガーボックスやヒュミドールの材として使われてきた、腐朽・虫害に対する抵抗性が高い材です。本来はもう少し明るめの木肌をしていますが、おそらくは経年の変化で濃い目の色になったと推測いたします。


手元でコレクション的に移し替えて愉しんでいた特別なシガーボックスやヒュミドールからくらべると、簡素な造りですし、ロゴも入っておりますので、販売時にこの箱に葉巻をおさめ、販売していた箱なのでしょう。内張の紺色の紙もオリジナルと思われます。


木の具合と金具の様子から、それなりの年月が経っていると推測し、1900年代頃のものとさせていただきました。



薄い木箱は、一般的なハガキを入れておくのにちょうどよいサイズ。英国の古いポストカードを入れてみましたのでご確認ください。



湿度によって微妙に手触りの異なる木を撫でながら、英国喫煙の一時代を築いたコープ兄弟へと想いを馳せてみるのはいかがでしょうか。




◆England

◆Cope Bros & Co

◆推定製造年代:c.1900年代頃

◆素材:木(おそらくスパニッシュシダー)、金属

◆サイズ:幅約17.2cm 奥行約11.7cm 厚み約2cm

◆サイズ(内寸):約16×11.9cm 深さ約1.2cm

◆重量:112g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、修理跡等がみられます。

*蓋は簡易な造りです。留め金具はありません。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A


机上のアレクサンドロス大王/ Antique Letter Clip with Alexander the Great

 ギリシアアンティーク、アレクサンドロス大王のレタークリップ。














英国のアンティークマーケットで手に入れた円盤状のレタークリップ。



表面には印象的な横顔と以下の文字がみられます。


AΛEΞANΔPOΣ

GREECE


まず「AΛEΞANΔPOΣ」はギリシア語で「アレクサンドロス」。つまり「アレクサンドロス大王(紀元前356年-元前323年)」のこと。そして「GREECE」はそのまま「ギリシア」の意味ですので、おそらくこのレタークリップはギリシアのお土産物と思われます。


実は、はじめは、角が生えているので神話の神様かな、と思ったのですが、調べてみるとやはりこれはアレクサンドロス大王であることがわかりました。



古来より神の威光、力、強さを象徴する「角(つの)」。


その力をわがものとするためでしょうか、アレクサンドロス大王は自らを「ゼウス=アモン(ユピテル=アモン)」*になぞらえて、自分の横顔に羊の角をはやした肖像を貨幣にしたといいます。(*ギリシア神話において「ゼウス=アモン」ローマ神話においては「ユピテル=アモン」とは、羊の角を持つエジプトの最高神アモンが、キリシア・ローマの最高神と習合したもの。)


また、背面には4頭立てのチャリオットにのった女神が表現されています。弓を持っていますので、狩猟、貞潔の女神アルテミスかと思われます。


古代ギリシアのモチーフで飾られたレタークリップは実用性も抜群。円盤状のクリップはばねがしっかりとしていて、葉書1枚でもしっかりと保持してくれます。材は赤系の色味からおそらく銅でしょう。作られたのは20世紀初めころと推測いたします。



マケドニア王国に生まれ、30歳までにギリシャからインド北西にまたがる大帝国を建設したアレクサンドロス大王。戦術、戦略の天才であり、広大な領域にドラクマを流通させるなど経済面でも卓越した業績を残し、歴史上最も成功した軍事指揮官であると広く考えられている偉人。


そんな彼の横顔を眺めつつ、デスクトップの手紙や書類を挟んでみるのも一興かと思うのですが、いかがでしょうか。



◆England買付/Greece

◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃

◆素材:金属(おそらく銅)

◆サイズ:高さ約8.3cm 幅約6.4cm 厚み約2.2cm

◆重量:114g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。

*ばねはしっかりとしており、葉書一枚でもきっちりと保持します。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


迷える羊を救うボーダーコリー氏 / Vintage BESWICK English Country Folk "SHEPHERD SHEEPDOG"

 英国ヴィンテージ、ベスウィック製牧羊犬のフィギュア。
















風に立ち向かい岩場に佇む、孤高の羊飼いのような犬のフィギュアを手に入れました。



製作は英国の老舗、ベスウィック。



「ベスウィック/ベズィック/Beswick」とは、James Wright Beswick と彼の息子によりイングランド、ストークオントレントに1892年に開かれた窯元。1969年からはロイヤルドルトンの傘下となリ、その後2002年には工場自体も閉鎖されてしまいました。食器類も生産していましたが、有名なのは動物を中心としたフィギュア。

柔らかく光を反射する陶肌と、フィギュアのいきいきとした表情は多くのコレクターの心をつかんで離しません。




さて、今回ご紹介するのはそのベスウィックの得意とする動物フィギュア。

底面には以下の文字がみられます。


BESWICK

ECF5

SHEPHERD SHEEPDOG



「ECF5」は「English Country Folk」というシリーズ名の略。1993年9月から1994年にかけてベスウィック・ブランドとして発表されました。バリエーションは全部で8体。「ECF5」はそのうちの5番目のデザインという意味です。そしてこの「SHEPHERD SHEEPDOG」の販売終了は1999年となっています。


「folk」は「人々」の意味がありますので、「英国の田舎の人たち」という感じの意味でしょうか。どれもが動物で、まるで人間のように服を着て直立しており、生態にちなんだなんらかのキャラクターを与えられています。


今回ご紹介するのはそのなかの「SHEPHERD SHEEPDOG/シェファード・シープドッグ」。「SHEPHERD」は「羊飼い」の意味、そして「SHEEPDOG/シープドッグ」とは牧羊犬のこと。



羊飼いのお手伝いをする牧羊犬には、様々な犬種がありますが、最も代表的なのはボーダーコリーでしょう。


長めの黒い毛にポイントで白が入った中型犬のボーダーコリーは、8世紀後半から11世紀にかけて、バイキングによってスコットランドに持ち込まれた、トナカイ用の牧羊犬が祖先とされています。コリー等との交配を経て19世紀末頃に現在の形になりました。


また、ボーダーとは「国境」という意味。イングランドとスコットランドの国境あたりが原産のため、この名前がついたといわれています。この国境地方は岩場が多く天候も悪い日が多く、外で働く羊飼いにとっては大変厳しい環境です。


そんな羊飼いを助けていたのが、ボーダーコリー。タフで賢く、飼い主には従順で、牧羊犬として最高の性質を備えています。



このボーダーコリーが羊飼いをしている、という設定のフィギュア。

イングランド・スコットランド国境沿いの冷たく強い風にも耐えるように、首元にはしっかりとマフラーを巻いて。お揃いのソックスもなかなか素敵です。寒さと急な陽ざしの強さから頭を護る帽子、羊飼いらしいショートコート。

足元は厳しい岩場を表現するように凸凹が表現されています。そして手に持つ杖の持ち手は「シェファーズ・クルーク」!

一般の杖より先が曲がっている羊飼い用の杖は、フックを毛に引っ掛け、はぐれかけた羊を群れに戻すという手段に使われてきました。それがもとで、迷える羊たち(信徒)を救うイエス・キリストが持つ杖として表現されることがございます。


さすがベスウィック、そんな描写もぬかりなく、ボーダーコリーの羊飼いの小道具は完璧。



英国の羊飼いの姿をした、賢く優しいボーダーコリー。

迷える貴方をずっと見守り続けてくれることでしょう。




◆England

◆BESWICK

◆推定製造年代:c.1993-1999年

◆素材:陶器

◆サイズ:高さ約13.8cm

◆重量:127g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、接地面にわずかに汚れがみられます。

*ヒビやカケなどはございません。詳細は画像にてご確認ください。

*箱は付属しません。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





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Todd Lowrey Antiques

by d+A


格調高いデスクトップツールはいかが / Antique Victorian Brass Display Pen Stand

 英国アンティーク、真鍮のペンスタンド。















輝く金色と凝った意匠が目を惹くペンスタンドのご紹介です。



ヴィクトリア時代、そしてその後のエドワーディアンの初めころまでは、このようなペンスタンドが多く作られた時代でありました。


万年筆が製品化されたのは大体19世紀後半、一般に普及しだしたのは20世紀初めですので、ヴィクトリア時代はまだまだつけペンの時代。様々なペン先のペンを傷つけずに並べておくことは、大切なことだったのです。


そしてそれが美しくディスプレイされている、ということは、こだわりをもつ紳士にとっては必要不可欠だったことでしょう。ペン用のスタンドも、様々なデザインに凝ったり、素材がシルバーだったり、インク壺がセットされたりしたものを見ることが出来ます。




さて、今回ご紹介するペンスタンドの仕様をよく見てみましょう。


構造としてはいたってシンプル。モチーフを左右に二つ並べ、細いロッドでつないだ単純な構造です。ただ、ロッドは挽き物細工のような凝った凹凸が施され、端部の擬宝珠も存在感があり、見ごたえのある意匠となっています。左右のモチーフはペンを乗せるための凹凸を巧みに様式化しており、分厚い真鍮の質感とともに格調高い雰囲気を纏っています。


つけペンはもちろん、通常の鉛筆や現代日本の一般的なボールペンやマジックなど、様々なタイプの筆記具を上手に受け止めてくれます。現代日本の一般的な筆記具を乗せた写真もございますのでご確認ください。


そしてよくみれば、内側の下のほうに数字とアルファベットの書き込みがみられます。英国においては品物や本などに、手に入れた日付を書き込むのは往々にしてあること。ひょっとして・・・ではございますが「9/96」は1896年9月のことなのかもしれない、と思います。その他の数字やアルファベットについてはよくわかりませんでした。


この数字が無くても、このお品物自体はヴィクトリア時代後期のものと推測しておりましたので、推定製造年代は1890-1900年としてご紹介させていただきます。


いまや仕事にPCは欠かせませんが、まだまだアナログな筆記具を使って行いたい、いえ、行わなければならない仕事も多いはず。



日々使うボールペン。

細く削り上げた鉛筆。

歴史あるつけペン。

お気に入りのマーカー。

細身のカッターナイフや定規。



等々・・・。



PCメインの仕事でも、やっぱり細々とした物は必要でございます。アナログだからこそ便利にこまごまと置ける、愛用の品々のための特別な居場所。


ヴィクトリアンの薫り漂う筆記具の為の小道具は、貴方のデスクトップを格調高く演出してくれることでしょう。



◆England

◆推定製造年代:c.1890-1900年代頃

◆素材:真鍮

◆サイズ:幅約11.5cm 奥行約11.3cm 高さ約7.2cm

◆重量:226g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の筆記具や備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

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