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Sunday

時間と想い出を閉じ込める金の本 / Vintage Book Design Travel Clock by EUROPA Germany

 ドイツヴィンテージ、本型のトラベルクロック。
















トラベルクロック。


小さなケースに入っていて、開くと時計が現れ、物によってはそのまま置時計に出来る小型の時計。アラームつきが定番で、色々なデザインがあります。


個人的な話ですが、昔、濃い緑色のレザー張りの小さなトラベルクロックを母が持っていました。家族で枕を並べて眠る和室。母が毎晩必ずネジを巻きアラームをセットし、眠りについていたことを思い出しました・・・。



さて、今回ご紹介するのは、そんなトラベルクロック。

デザインは変わっていて、小さな本の形をしております。


表紙を開けばオーバルの中に洒落たローマ数字の文字盤があらわれます。

文字盤には「EUROPA」「2 JEWELS」「GERMANY」の文字。


EUROPAについて詳細は不明ですが、1950-1960年代頃のものと思われる、この名前がついた置時計やトラベルクロックなどがヴィンテージ市場にて散見されます。様々なデザインバリエーションがあり、この本型の時計もそのうちのひとつと思われます。


また「2 JEWELS」とは、この時計のムーブメントに2つの宝石が使われている、という意味。機械式時計(手巻き、自動)内部のムーブメントには、金属部分の消耗を軽減するためルビーなどの宝石が配置されており、この宝石がムーブメント内にいくつ使われているかを示すのが、「〇JEWELS」という言葉です。「2」は多い方ではなく、手巻き式等では20-30くらいの石が使われていることもあるようです。




本の見返しと裏表紙には2か所の楕円形の凹みがあり、写真などを嵌められるようになっており、現在はフランスの一地方の絵葉書が切り抜かれて嵌め込まれています。

嵌めるためにはちょうどそのサイズに切りだし、手で押し込む必要がありますし、特にガラスなどの覆いがある訳ではありません。

ただのわずかな凹みではありますが、絵葉書や写真などある程度強度がある紙であれば、意外と安定して収まっております。

トラベルクロックだけに、旅の思い出の場所の写真や地図を嵌め込んで愉しんでいたのかもしれません。


背面を開けると現れる時計本体は金属製ですが、残念ながら本の部分は金属ではなく樹脂製です。

ただ、50年以上は経っているせいか、樹脂はピカピカではなく、くすんだ感じに変色しており、それなりに風格を感じるように思います。



現代ではなかなか旅行に持っていく・・・という感じではないと思いますが、例えば想い出の写真を嵌め込んでディスプレイにいかがでしょうか。


時の流れとともに、愉しい体験は想い出となり、人生を潤す。

そんな象徴的な光景を小さな本に閉じ込めて、おそばに置くのも一興かと思います。



◆Germany

◆Europa

◆推定製造年代:c.1950-1960年代頃

◆素材:樹脂、金属

◆サイズ:幅約7cm  高さ約7.3cm 厚み約3.1cm

◆重量:146g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*現段階で12時間で2分ほどの遅れを確認しております。

*アラームも稼働します。

*表面の蓋は安定して閉まりますが、背面の蓋は若干閉まりが緩いです。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


ドイツ時計職人の金床 / Antique Watchmaker's Anvil

 ドイツアンティーク、時計職人の金床。














英国のマーケットで手に入れた、ベースがついた小さめのアンヴィル(金床)。


販売していたディーラーによれば、ドイツの古いものであり、おそらく時計職人用のものである、とのこと。時計職人用のアンヴィルは、小さめのものがみられますが、このようにベースがついているものは珍しいのではないでしょうか。


ベース部分には凹みのついた出っ張りが取り付けられており、細かなパーツを置いたり、そこに合わせて加工したりする作業をしていたのではないかと思われます。


材は銀色の仕上げの金属。底面の断面から、おそらくは無垢のアルミ材なのではないでしょうか。底面は白く、石材の様に見えます。粉状にした石を詰め込んで固めたのかもしれません。


小さい割にずしりと重く、1kg近くもあります。役目を考えれば、重くあるべきですが、それにしても結構重いな、と動かすたびに思います・・・。


このままディスプレイしていただいても素敵ですし、重量をいかしてスタンド代わりにもなりそう。時計はもちろん、アクセサリー等の加工にもご利用いただけそうです。


機能とデザインが一体となった美しきプロダクトを、ぜひお手元でお役立てください。



◆Germany

◆推定製造年代:c.1930-1960年代頃

◆素材:金属(おそらくアルミ)、石材

◆サイズ:幅約15.5cm 奥行き約9.5cm 高さ約6.5cm

◆重量:975g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A


Friday

神秘的な知の象徴 / Vintage Silver Snake Ring

 英国ヴィンテージ、シルバーリング。















ヨーロッパにおいてしばしば見かける蛇のモチーフ。

イブに林檎を食べさせた蛇は悪魔の象徴とされますが、一方で蛇は知の象徴ともされます。



今回ご紹介するのはそんな蛇のリング。頚部が広がった形状はコブラでしょうか。

もちろんコブラはヨーロッパにはおりませんが、伝説や小説に登場する毒蛇として認知度は高かったと思われます。


鎌首をもたげ、体をくねらせたコブラをあしらったリングは、蛇がもつ独特の美しさが上手く表現されていて、どこか神聖さすら感じさせます。


リングのべースとなる材はスターリングシルバー。英国においてスターリングシルバー(銀の純度92.5%)はホールマークによって管理されておりますが、ジュエリーなどの小さなものにおいては必ずしもホールマークは刻印されておらず、銀の純度を示す「925」もしくは「SILVER」「STARLING」などのみの場合もございます。今回ご紹介するリングも裏面に小さく「925」の刻印をみることができます。



神秘的な知の象徴を持つ独特なシルバーリング。

こだわりをもつ貴方の指に棲まわせていただきたい、ヴィンテージアイテムです。




◆England

◆推定製造年代:c.1970年代以降

◆素材:シルバー925

◆サイズ:約17号

◆重量:3g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆や歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。





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by d+A


束ねられた葦が意味するもの / Antique Sterling Silver Handle Magnifying Glass 1919

 英国アンティーク、スターリングシルバーハンドルの拡大鏡。














拡大鏡はどんな時に使いますか?


細かな文字を読むため。小さなものを観察するため。よりじっくりと対象物を知るため。

私たちの「知る」欲求のためにある拡大鏡は、いかにも人間らしくあるためのツールであるといえるでしょう。



さて、今回ご紹介する拡大鏡は、シンプルでありながらヨーロッパの伝統を感じさせる「リボン&リード」の装飾が施されてるもの。

「リボン&リード」とは、このように細い線をリボンで縛ったような装飾をいい、ルイ16世スタイルやネオクラシカルスタイルでよく見られ、「Reed」は「葦」を意味します。

リボンがなく、細い線を束ねたスタイルは「Reeded/リーデッド」(Reeded)等と呼び、家具の脚やキャビネットの支柱、金具の装飾などにもみることができます。


フランスの哲学者ブレーズ・パスカル(1623-1662)が遺稿集「パンセ」に遺した「人間は自然の中でもっとも弱い葦である。しかしそれは考える葦である。」の文章でもわかるように、キリスト教の文化では人を葦に例えることがあります。



「争うこともなく、叫ぶこともせず、大路でその声を聞く者もない。 彼(キリスト)はいたんだ葦を折ることもなく、くすぶる燈心を消すこともない、公義を勝利に導くまでは。 異邦人は彼の名に望みをかける。」 (マタイの福音書12:19,20)


細く儚く傷つきやすい葦は、いつでも身近にあり、なにかに例えることにちょうど良かったのかもしれません。


興味深いのは、家具や小物などの装飾に用いられるとき、それは「束ねた」形で表現されていること。細い葦でも、束ねれば強くなる・・・それは人間がもつ力を表しているのではないかと思います。




さて、ハンドル部分には両面にホールマークが刻まれています。

王冠のマークは、シェフィールドのアセイオフィスのマーク。ライオンパサントの隣のデイト・レターはシールドに小文字の「b」で1919年。矩形に「J Y」のイニシャルがあるのは、シェフィールドのシルバースミス「Yates Brothers」のメーカーズマークです。Yates Brothersは1900年に登録され、シェフィールド、Eldon Streetにおいて活動していたという記録が残っています。シルバーのカトラリー等小さな品物がアンティーク市場にて散見されます。



なお、レンズ部分は後年に付け替えられたものであると思われます。英国アンティークの拡大鏡はこのようにハンドルは活かしながら、傷つきがちなレンズ部分のみ付け替えられているものがほとんど。金属製のレンズ枠は太いものもありますが、このお品物はごく細いレンズ枠で仕上げられています。

直径約4cmのレンズはコンディションもよく、傷はほとんど見えませんので、十分実用にお使いいただけることと思います。



全体長さ約11.7cmですので、大きさとしてはややこぶり。

優雅なハンドルを愉しみつつ、デスクトップやサイドテーブルに常備しておくのにこぶりなサイズはとても便利なのではないでしょうか。




リボンで束ねられた細い葦。

人間らしくあるためのツールにその装飾がある意味。

そに込められてきた人々の想いを感じながら、お使いいただければ・・・と思います。




◆England

◆Sheffield

◆Yates Brothers

◆推定製造年代:c.1919年

◆素材:スターリングシルバー、ガラス、金属

◆サイズ:全体長さ約11.7cm レンズ部分直径約4cm

◆重量:21g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。






アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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by d+A