英国アンティーク、スターリングシルバーのグリップをもつステッキ。
英国のアンティークフェアで手に入れた、ブラックシャフトにスターリングシルバーのグリップを持つステッキ。
英国のステッキとしては定番のカラーリングで、きりりと黒いシャフトとシルバーの対比が凛々しく、控えめな優雅さに満ちています。
細かな部分をよく見てみましょう。シャフト部分は木製ですが、ほぼ黒といえる色味に塗装されています。わずかに塗装の剥げや汚れがみられますが全体としてはとても良いコンディションといえるでしょう。長さは約90.5cmと、英国のステッキとしては標準的なサイズであり、持てば重さ263gとやや重めで、ずっしりしっかりした印象です。
さらに目を惹くのは、スターリングシルバーのグリップにつけられた紋章。
マルタ十字と月桂樹を組み合わせた図案に「B L B」の文字、下のリボンには以下の文字が見られます。
BOYS LIFE BRIGADE
この「BOYS LIFE BRIGADE/ボーイズ・ライフ・ブリゲード」とは、1899年に英国で設立された非軍事の少年組織のこと。
まず、初めに1883年にグラスゴーで発足した「BOYS BRIGADE/ボーイズ・ブリゲード」が存在します。これはスコットランドの実業家「Sir William Alexander Smith/ウィリアム・アレクサンダー・スミス卿」により、訓練と娯楽活動をキリスト教の価値観と組み合わせることを目的として考案された少年組織で、現在でも活動は続いています。
ボーイズ・ブリゲード オフィシャルサイト
また、ボーイズ・ライフ・ブリゲードの設立者である牧師「John Brown Paton/ジョン・ブラウン・パトン」は、前述のボーイズ・ブリゲードとスミス卿を深く信奉しており、ボーイズ・ブリゲードを補助する意味で、「命を救う」ことを主目的とした訓練や活動をメインとした組織を運営していました。
ボーイズ・ライフ・ブリゲードは全国に広がり、1914年までに405隊が存在し、15,000人以上の少年と1,500人のオフィサー=幹部・指導者が所属していました。当初は武器の使用の観点においてボーイズ・ブリゲードとの統合はされませんでしたが、1926年以降ボーイズブリゲードがダミーライフルの使用を中止したため、これにより二つは統合され、名称としてはボーイズ・ブリゲードのみが残った・・・という経緯のようです。
このことから、このステッキは、そのボーイズ・ライフ・ブリゲードのオフィサーの品物だったのではないかと思われます。また、グリップのトップ部分には美しいハンドカーヴィングによるモノグラムが施されています。おそらく「A H」であり、持ち主のイニシアルでしょう。
続いてホールマークを見てみましょう。ロンドンの豹、ライオンパサント、デイトレターは矩形に「i」となっており、1924年にロンドンのアセイオフィスで認可を受けたスターリングシルバーであることがわかります。ボーイズ・ブリゲードとの統合前の品物です。そしてメーカーズマークはつぶれてしまって残念ながら判読はできませんでした。
黒くしっかりとしたシャフトに、シルバーグリップにはボーイズ・ライフ・ブリゲードの紋章。持ち主は、その組織に対してどれほどの敬愛の念を抱いていたのでしょうか。
100年前の英国から崇高な想いとともに届いたひとふりを、是非貴方のお手元でご堪能ください。
◆England
◆London
◆推定製造年代:c.1924年
◆素材:スターリングシルバー、木、金属
◆サイズ:長さ約90.5cm グリップ直径約3.7cm
◆重量:263g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、アタリや凹み、変色等がみられます。
*ステッキはがっしりとしており、体重をかけてもほとんどしなりません。
*石突部分の金属も残っておりますが、ご使用時にはゴムキャップ等を嵌めることをお勧めします。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A