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Wednesday

薔薇の香りを纏う運命の担い手 / Vintage Rosewood Letter Opener with Horn Hoof Foot Handle

馬の脚を模した持ち手が珍しい、英国ヴィンテージのレターオープナー。













この珍しくも美しいレターオープナーはイングランド北部で手に入れたお品物。

持ち手部分は馬の脚となっており、蹄にはちいさな蹄鉄までついています。

タイトルのフーフフット/hoof foot とは馬の足先のこと。フランス語でpied-de-bicheともいい、こちらは「牡鹿の脚」の語彙をもち、「双蹄形」をした足先のことをいいます。鹿などの足先の爪は二つに割れていますが、馬の蹄は割れていないため、厳密には異なるのですが、どちらも「フーフフット」とよぶことがあるようです。

実は、フーフフットは英国を中心としたヨーロッパではとても好まれる意匠。

英国、フランス、イタリアのルネッサンス様式後期からみられるモチーフで、17世紀ごろ、ウイリアム&メアリー様式やクイーンアン様式の家具の足先によく見られるようになりました。

一方で蹄鉄/ホースシューは、やはりヨーロッパでは「幸運を呼ぶ」そして「魔除け」の意味があり、とても好まれるモチーフとなっています。

由来は諸説ありますが、例えば後にカンタベリー大司教となった鍛冶屋の聖ダンステンが 悪魔から馬の蹄鉄を修理するよう頼まれた際、悪魔の足に蹄鉄を打ち付け、痛がる悪魔に、扉に蹄鉄が留められているときは絶対中に入らないという約束を取り付け、ようやく蹄鉄を取り外してやったことから悪魔除けとされた・・・という説がございます。



悪魔に蹄鉄をはかせる聖ドゥンスタン
ジョージ・クルークシャンク/George Cruikshank(1792-1878)




そんなことから、蹄鉄は扉の上や扉自体に取り付けたり、お部屋の梁に掛けたりと、古くから親しまれてきたラッキーアイテムなのです。

蹄鉄がついた馬の脚のモチーフは、更なる強力なアイテムとして、喜ばれてきたことでしょう。


持ち手の材は水牛の角。

水牛はアジアやインドのイメージが強いですが、英国をはじめとしたヨーロッパでも生息しています。家畜としても長い歴史をもち、イタリアではモッツァレラチーズのなかでも水牛の乳から作られたものは『ブッファラ』や『ブーファラ』と呼ばれ、高級食材として知られています。

そんな水牛の角は、その独特の質感から、コップやカトラリーなどの食器類や、ボタン、アクセサリーなどの装身具に加工されてきました。


そして、オープナーの部分は銘木、ローズウッド。
主として南米に自生し、生木は切ると薔薇の香りがすることから名づけられたといわれる銘木です。

英国には自生しませんが、大英帝国の力で世界中から良いものを集めていた時代から、ローズウッドは英国でも珍重され、高級家具や小物に使用されてきました。

濃淡のはっきりした独特の杢目、固く、切っただけで艶が出る密度の高い材は、自然が生み出した芸術作品のようです。



ヨーロッパの魔除けのシンボルを、美しい水牛の角で作りこみ、さらに銘木ローズウッドをあわせた、珠玉のレターオープナー。


他にはない貴重なデスクタイディとしておそばに置けば、貴方の運を切り開く一助となることでしょう。


◆England
◆推定製造年代:c.1930-40年代頃
◆素材:オープナー部分/ローズウッド 持ち手部分/角(水牛)・真鍮
◆サイズ:全長約28.5cm
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、多少の汚れや小傷などがみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*通常のご使用に十分耐える、とても良いコンディションだと思います。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承のうえ、お求めください。


アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。

http://toddlowrey.com/?pid=112701743


Todd Lowrey Antiques
by d+A