英国アンティーク、レターオープナー。
アナログの最たるものである手紙を開封するために、やはりアナログなレターオープナーを使うことは、この時代に残された無駄ともいえる贅沢のひとつ。
・・・そんな風に考えながら、今回も古いレターオープナーをご紹介いたします。
まず印象的なのは、鈍色に光るハンドル部分。
材の感触からしてピューターでできたハンドル部分には、長い首を優雅に曲げてお互いに触れる2羽の白鳥の意匠が施されています。
ケルト神話にはこんな話があります。
愛と若さ、美を司る神であるオェングス/Aengus(Oengus) が恋したのは、コノートのウェヴァンという妖精の丘に住むエタル・アヌバァルの娘、カー/Caer。
しかし彼女は非常に魔力が強いため、そのまま嫁いでもらうことは難しく、彼女に恋い焦がれたオェングスは病気になっってしまいます。
実はカーは1年ごとに白鳥と人間の姿を交互にとる習慣があり、サウィン祭の日(11月1日)には湖に仲間と共に白鳥になって泳いでいることがわかります。オェングスはその日に湖に向かい、150羽いる白鳥にむかい彼女の名をよびます。そして飛んできたカーを抱きしめて自分も白鳥になり、2羽の白鳥として自分の王宮へ飛んで行き、仲良く暮らしました・・・。
そう、2羽の白鳥はケルトにおいてはオェングスとカーの象徴なのです。
そして、白鳥のモチーフの下にはケルティックノットが施されています。
「ケルティック・ノット/Celtic knot」とは日本語にすると「ケルトの組み紐文様」。
多様な結び目やスタイルがあり、様々な意味が込められながら、古代ケルト人によって建築物のレリーフや装身具などに使われてきました。
長く細く、絡み合いながら編み込まれていく組み紐文様に、人々は連綿と続く人と自然の繋がりを感じていたのかもしれません。
ハンドルを握れば、複雑な文様が滑り止めとなってしっくり使いやすく、役立てていただけそうです。
そしてなによりも、伝説の白鳥とケルティックノットが神秘的な空気を放ち、唯一無二のデスクアイテムとなってくれることでしょう。
珍しく美しい、英国アンティークの稀有なひとしなです。
◆England
◆推定製造年代:ハンドル部分c.1900-1930年代頃
◆ハンドル部分が古くピューター製、刃の部分はおそらく後年付け替えられた金属製と思われます。
◆素材:ピューター、金属
◆サイズ:全長約20cm
◆重量:58g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、歪みや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A