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Friday

子豚の旅立ち/ Vintage Figure Pigling Bland by BESWICK

 英国ヴィンテージ、Beswick社によるピグリン・ブランド。















高さ約10cm強の小さな豚。ネクタイにベスト、ジャケットという正装をして小脇に杖をかかえております。

底面には以下の文字が見られます。


BEATRIX  POTTER'S
"Pigling Bland"

F.WARNE & Co.Ltd
copyright 1956
BESWICK ENGLAND



まず、製作はBESWICK社。

James Wright Beswickと彼の息子によりイングランド、ストークオントレントに1892年に開かれた窯元です。

1969年からはロイヤルドルトンの傘下となっていますが、ブランドとしてその後も存続し、多くの作品を製造してきました。特に有名なのは動物を中心としたフィギュア。柔らかく光を反射する陶肌と、フィギュアのいきいきとした表情は多くのコレクターの心をつかんで離しません。当店もいままで多くのBESWICK社のフィギュアをご紹介してまいりました。



そしてこの豚のモデルは「Pigling Bland/ピグリン・ブランド」です。


「The Tale of Pigling Bland/こぶたのピグリン・ブランドのおはなし」ご存じでしょうか。それは1902年に発表された「ピーターラビットのおはなし」で有名な「Beatrix Potter/ビアトリクス・ポター(1866-1943)」が執筆・イラストを手がけた児童書のこと。1913年にフレデリック・ウォーン社から初版が出版されました。

あらすじを簡単にご紹介いたします。

白豚のペティトスおばさんは問題児の8頭の子豚に頭を抱え、1匹を除いて家から追い出すことにします。そのうちの2匹、ピグリン・ブランドとアレクサンダーは連れだってランカシャーの市場に向かいますが、途中でアレクサンダーはランカシャーの市に出るための許可証を無くし、警官につかまって農場に連れていかれてしまいます。

ひとり市に向かっていたピグリン・ブランドは、ある農場に迷い込んでしまいますが、そこには盗まれた女の子豚が閉じ込められていてました。なんとか脱走した2匹は、郡境まで逃げ、ついには丘を越えて遠くへ行き、そこで新たに手に入れた自由を祝って踊る・・・というストーリーです。



「ピーターラビットのおはなし」で成功したビアトリクス・ポターは農場を所有しており、そこでは豚も飼っていました。しかし1909年に友人に宛てた手紙の中で「食欲がひどく、1日5食食べても満足しなかった」豚2頭を売ったことを述べてます。彼女はこの頃からこの本の執筆に取り掛かったとされています。売ったものの、豚の行く末を気にしていたのでしょうか・・・?



さて、そんな背景でピグリン・ブランドは生まれました。


また、この姿は、ピグリン・ブランドが旅立つときの姿。日曜日の正装をして、2本足で堂々と歩くために杖をもっています。(油断していると四つ足で歩いてしまうからでしょうか?)片手に持った包みには、ペティトスおばさんが持たせてくれたペパーミントが入っていると思われます。少しばかり緊張した面持ちなのは、これからの行く末を案じているのでしょうか。





ピグリン・ブランドのフィギュアは底面のコピーライトの年代、1956年以降多くが製造されてきました。今回のお品物はおそらく Beswickがロイヤルドルトン傘下に入って以降、1980年代頃のものかと思われます。



やわらかな色合いと艶やかな陶幅、そして今にも動き出しそうなピグリン・ブランドの表情がとても愛らしい佳品。

今まさに旅立つ子豚を眺めつつ、貴方自身の旅路へ思いを馳せてみてはいかがでしょうか。





◆England
◆Beswick
◆推定製造年代:c.1980年代頃
◆素材:陶器
◆サイズ:高さ約10.6cm
◆重量:78g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですが、割れや欠けはみあたりません。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。 




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A