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Friday

天使舞うブドワールの天井を見上げる/ Antique Color Lithograph by Cesar Daly

 フランスアンティーク、建築意匠のカラーリトグラフ。




















繊細で優雅なリトグラフを手に入れました。



トップのタイトルは以下の通り。


L'ARCHITECTURE PRIVEE AU XIXME SIECLE

(Troisieme Serie)

PER Mr CESAR DALY ARCHTE



まず、発刊者は19世紀フランスの建築家「Cesar Daly/シーザー(セザール)・デイリー」。フランス北東部ヴェルダン出身で、パリで建築の勉強をしたのちにアルビのサント・セシル大聖堂の修復などに係わります。中央建築家協会の書記を務めたり、建築に関する多くの出版物を発刊したことで有名でした。


その中のひとつが「L'ARCHITECTURE PRIVEE AU XIXME SIECLE/19世紀の民間建築」です。もともと1864年に第一弾が発刊された「19世紀の民間建築」シリーズは好評だったらしく、1872年に第二弾、1874年に第三弾が発刊されました。



今回ご紹介するのはその第三弾(Troisieme Serie)のうちの1頁です。カラーリトグラフでこの頁のタイトルは以下の通り。


BOUDOIR

Hotel de Mr.D.a LONDRES___Plafond

PAR Mr.OURI, PEINTRE DECORATE




BOUDOIR(ブドワール)

「貴婦人の私室」や「私的な談話室」を指します。18世紀から19世紀のヨーロッパの邸宅によく見られた部屋の名称です。



Hotel de Mr.D.a LONDRES___Plafond

ロンドン(フランス語でLONDRES)のD氏の邸宅の天井」という意味。「Hotel/オテル」は現代のホテルではなく、フランス語で「都市にある貴族や富豪の邸宅」を指します。



PAR Mr OURI, PEINTRE-DECORATEUR

「装飾画家、ウリ氏による」という意味です。19世紀に活躍したフランスの装飾家 「Alphonse Ouri/アルフォンス・ウリ(1828-1891)」氏のことかと思われます。





また右下にある「「Imp. Lemercier & Cie Paris」は、19世紀フランスのパリで有名だった印刷所「ジョセフ=ローズ・ルメルシエ/Joseph-Rose Lemercier」のこと。左下の「Daumont lith」は版画出版家Daumontがかかわったリトグラフである、という意味かと思います。




クリーム色と青磁色を主とし、処々にブラウンとセーブルのような明るい水色を配したネオクラシカルなデザインは繊細で優雅。楽器を奏でる天使、そして中央には女神とみられる女性の顔をあしらった装飾が花々とともに堂々と在り、見るほどに華やかな気持ちにさせられます。ポイントで金彩ものせられており、見る角度によりより深みをますリトグラフです。この天井のもとに広がるブドワールは、いったいどんな空間だったのでしょうか。




「19世紀の民間建築」は、単なるデザイン集としてのみではなく、1頁がまさにアートワークのような完成度をもつ建築意匠集といえます。恐らくは1870年代フランスにおいて、多くの建築家がこの本を求め、意匠の参考にしたのではないでしょうか。


そして今、私たちのもとにあるこの1頁は、19世紀フランスの建築意匠の美を閉じ込めてここに在ります。



ロンドンのD氏の邸宅にあるブドワールへと想いを馳せながら、ゆったりとご鑑賞ください。




◆France

◆推定製造年代:c.1874年頃

◆素材:紙

◆サイズ:約31.7cm ×約45.2cm

◆在庫数:1点のみ

◆重量:43g




【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に汚れや変色、紙の傷み等がみられます。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A


三羽の白鳥を愛でる / Antique Victorian Three Swan Stand

 英国アンティーク、小さなスタンド。















英国のマーケットで手に入れた、白鳥がついた小さなスタンド。


全体としてのデザインはアールヌーヴォー調。折り重なる葉の上に三羽の白鳥が放射状に配され、中心部にはミズクサ(ガマの穂)が伸びています。このミズクサはアールヌーヴォー様式において、非常に好まれたモチーフの一つです。


販売していたディーラーによれば、これはカードスタンドとなり、中心にはペンをさすことができる・・・とのこと。確かに白鳥の翼を使えば名刺大くらいのカードが差し込めますし、中心には細めのペンをさすことができますが(画像ご参照ください)、もともとの用途とは少し違う気がします。




推測ではありますが、、これはイパーンのベースかもしれません。



「Epergne/イパーン」とは、テーブルの中央に花等を活け高さを出すための器のこと。


発祥はフランス。もともとは平皿であり、テーブル中央でお菓子や果物をのせていましたが、その後英国に渡り、英国独特のスタイルをうみだしていったといわれています。基本的にベース部分が金属製で、ガラスでできた花器部分を差し込んで使用するものが多いようです。


ガラス部分のフォルムは根元は細く上部に行くと広がるトランペット型のものが多く、花器が1つ、もしくは複数枝分かれするような構造をもっていたり、花器とプレートが組み合わせられたものなどもあるようです。テーブルのセンターピースとして高さをだし、華やかなテーブルセッティングを演出するために使われてきました。



このスタンドがもともとイパーンであるならば、長い年月の間にガラス部分は失われ、ベース部分だけがうまく利用されてきた、ということかもしれません。



なお、このスタンドの底面には「Rd 12132」の文字が見られます。


英国において1884年に1番から始まったRegistration番号は、1885年には19756番から始まっており、12132番であれば、1884年のものとなります。Registration番号はスターリングシルバーのデイトレターとは異なり、個体に対しての番号ではないため、その年の製造とは限りませんが、この登録をすると似た物を作ったら3年間はかなりな罰金があったそうですので、1884年からその後数年のものの可能性が高いかと思います。


材は金属で、若干の変色がみられます。それほど固くはないので、ピューターもしくはリード(鉛合金)に銀メッキ、もしくは「亜鉛合金/スペルター/Spelter」の可能性が高いのではないかと思われます。スペルターは1830年代のベルリンにおいて建築装飾や公共の彫像に採用されたのが始まりとされており、ブロンズより安価で加工しやすく、塗装などによって表情を変えることができるため「手頃な価格の芸術品」としてヨーロッパやアメリカで普及しました。ただ、柔らかいことや、特に大きいものは耐久性に問題があり、1930-1950年代頃には彫刻材としてはあまり使用されなくなっていきました。





また「三羽の白鳥」につきましては、ドイツ系スラブ系少数民族ソルブ人に伝わる「ソルブの民話」に三羽の白鳥が登場する話がありますが、それが由来かどうかは定かではありません。また、英国のレスターシャーの中心に500年(!)の歴史を持つ「Three Swans Hotel」が現在でも営業を続けています。そんなことから、「三羽の白鳥」はドイツや英国においてなんだかゴロが良い、親和性のあるモチーフなのではないかと推測いたします。



Three Swans Hotel オフィシャルサイト

https://threeswans.co.uk/




翼をやや持ち上げ、優雅に首をしならせる三羽の白鳥。長い歳月の間に本来の用途は曖昧となっているようですが、全体に漂う優雅さは少しも衰えをみせず、見る者を魅了します。


これからは貴方のお手元で、新たな役割を得て愛でていただければ幸いです。




◆England

◆推定製造年代:c.1884年からその後数年

◆素材:金属(亜鉛合金/Spelterの可能性)

◆サイズ:高さ約7.5cm 幅約6.3cm 奥行約6cm

◆重量:93g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪み等がみられます。

*それほど固くない金属です。特にガマの穂部分は曲がりやすいのでご注意ください。

*写真に写っているペンは付属しません。参考までにペンの長さは13.5cmです。

*詳細は画像にてご確認ください。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques

by d+A


サウスエンド=オン=シーの想い出/ Antique Photo Book Brooch "Southend-on-Sea"

 英国アンティーク、フォト・ブック・ブローチ。
















「Southend-on-Sea/サウスエンド=オン=シー」は、英国エセックス州にある町。ロンドンの東側64kmほどにあり、テムズが北海にそそぐ北岸にあります。

もともとこのあたりに「Prittlewell/プリトルウェル」という都市があり、その南端だったことからこの名前となったとされています。

長く緩やかな河岸を持ち、ジョージ王朝時代から白い砂浜と海水浴を求めて多くの観光客が訪れるようになりました。ロンドンからの鉄道の便がよかったことから、経済の大部分は観光に依存し、ロンドンのベッドタウンとしても機能してきました。




今回ご紹介するのは、そのサウスエンド=オン=シーのお土産物。


一見すれば、リボン型の金具から豆本が吊り下げられたブローチ。ただ、豆本を開けばそこから蛇腹型に小さな写真がパタパタと現れる・・・という楽しい仕掛けをみることができます。



少しづつ詳細をみてみましょう。

豆本の表紙には町の紋章が立体的に表現されています。これはこの町にある教会を表現しています。まず聖母マリアのシンボルであるユリと花瓶は、町の中心部プリトルウェルの聖マリア教会(元々はクリュニー派修道院)を表し、錨はリー=オン=シーにある聖クレメント教会を表し、格子模様はイーストウッド地区の聖ローレンス教会を表し、三位一体のシンボルである三つ葉はサウスチャーチを表しているとされます。

そして表紙を開いたときに現れる最初の頁には以下の文字がみられます。


PULL HERE
COPYRIGHT
G. MICHAEL NOAKES LTD.
40 SACKVILLE STREET.
PICADILLY. LONDON.W1


G. MICHAEL NOAKES LTD.についての詳細は不明ですが、ロンドンのピカデリー・サックヴィル通り40番地にあった会社と思われます。



そして蛇腹状の頁にある小さな写真はサウスエンド=オン=シーの各所を映したもの。爪先ほどの小ささですが、当時の町の様子がよくわかります。



ごみごみしたロンドンを抜けて、空が広い海岸沿いへの小さな旅。そこで手にしたフォト・ブック・ブローチを、ひと夏の想い出として大切にとっておいたレディの姿を連想することができる、小さなアンティークアクセサリー。

貴方のコレクションに、ひっそりと加えていただきたいひとしなです。




◆England
◆推定製造年代:c.1940-1950年代頃
◆素材:紙、真鍮、他
◆豆本のサイズ:約2.5×2.8cm 厚み約0.7cm
◆重量:12g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、紙の傷みなどがみられます。
*豆本の開閉は問題なく行えます。
*詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。 




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Todd Lowrey Antiques
by d+A


ウサギが奏でるジャズの音色/ Vintage Royal Doulton "BANJO PLAYER BUNNYKINS"

 ロイヤルドルトン社製、バニキンズ・シリーズよりバンジョー・プレイヤー・バニキンズ。












蝶ネクタイにストライプのジャケットで決めたバニキンズ。

手に持っているのはトラッドバンジョー。郷愁に溢れたジャズの音色が聞こえてきそうな可愛らしいフィギュアのご紹介です。



製作は1815年設立の「Royal Doulton/ロイヤルドルトン」。創業者は「ジョン・ドルトン/John Doulton」のほか、「マーサ・ジョーンズ/Martha Jones」と「ジョン・ワッツ/John Watts」の3人でしたが、1853年に社名は「Doulton」となります。


はじめはストーン・ウェアを生産する小さな工場でしたが、2代目の「Henry Doulton/ヘンリー・ドルトン」の代に蒸気機関を取り入れるなど積極的に事業を拡大、大成功をおさめます。


その後1882年にスタッフォードシャー、ストークオントレントの「Burslem/バースレム」を生産拠点と定め、ここが現在も続くロイヤル・ドルトンの本社となっています。またヘンリー・ドルトンは陶磁器業界で初となる「ナイト」の称号を与えられ、1901年にはエドワード7世から王室御用達の栄誉を受け、ここで「ロイヤル・ドルトン」と名乗ることを許されたのです。


ロイヤルドルトンの特徴は、滑らかな肌のボーン・チャイナと、意匠の芸術性。実際に使われる食器はもちろん、装飾的でコレクタブルな食器、人形などのフィギュアも美しく完成度の高いものが多く、さすが世界的に有名な、英国を代表する陶磁器メーカーであるといえるでしょう。


また、「Bunnykins/バニキンズ」とは、1930年代から続いているロイヤル・ドルトンのうさぎキャラクターのこと。現在では子供向けの食器がメインで、バニキンズ・シリーズとしてお皿やマグカップが販売されています。ただ、フィギュア(陶器製人形)は、現在はロイヤルドルトンからは製造・販売はされていないようです。



バニキンズのもともとの始まりは1934年、テーブルウェアから始まりました。陶器製の人形の始まりは1939年。きっと、テーブルウェアの評判がよかったからだと思われます。英国の絵本作家、Mary Barbara Baileyによるウサギのイラストをモデルに、Charles John Nokeが立体としてモデリングしたのが、初代、6デザインのバニキンズ・・・陶器製のウサギの人形でした。(ちなみにこの6デザインのバニキンズは、現在市場に出ると驚くほどの高額で取引されています)


その後、世界は第二次大戦へ突入し、ロイヤルドルトンは陶器製人形の生産を中止。1969年にBeswick Pottery を買収後、1972年から再度シリーズとして製造を始めたのです。


クリケットをしているチームだったり、ロビン・フッドだったり、チューダー朝のコスチュームを着ていたりと、テーマは様々ですが、すべて「ウサギ」。基本的にある一定期間しか製造・販売していないため、販売終了となれば市場にでたものを探すしかありません。また、ファンクラブ限定商品であったり、特定の団体や組織などのために製作されたものもあり、レア度も様々。それによって価格も異なります。





今回のバニキンズの底面には、ロイヤルドルトンのバックスタンプの他に以下の文字がみられます。



BANJO PLAYER BUNNYKINS

THE JAZZ BAND COLLECTION

DB182

PRODUCED EXCLUSIVELY FOR U.K.I. CERAMICS LTD.

IN A WORLDWIDE SPECIAL EDITION OF 2500


1998 ROYAL DOULTON

1059




デザイナーはKimberley Curtis。1998-1998年にドラマーやサックス奏者など6体で構成された「THE JAZZ BAND COLLECTION」のうちの一体として販売されていました。そしてこのシリーズは「U.K.I. CERAMICS LTD」のみで販売された各2500体の限定品であり、この個体はバンジョー・プレイヤーの1059番目であることがわかります。




ちょっと下膨れのお顔をしたバニキンズは、クールな表情をしつつ、実はノリノリでバンジョーを奏でているよう。


うさぎ好きな方はもちろん、ジャズファンにもおすすめの一体。お好みのレコードジャケットの小脇にちょこんと置いてあげれば、絵になること請け合いです。


クールで可愛らしいウサギを、お手元でジャズの音色とともにご鑑賞ください。



◆England

◆推定製造年代:c.1998-1999年

◆素材:陶器

◆サイズ:高さ約11.2cm

◆重量:80g

◆在庫数:1点のみ



【NOTE】

*古いお品物ですが、欠けやヒビは見当たりません。

*底面にわずかに汚れがございます。詳細は画像にてご確認ください。

*箱とカードが付属します。箱とカードには保管の際に着いたと思われる擦れや折れ等がございます。

*画像の備品は付属しません。

*上記ご了承の上、お求めください。 





アイテムのご購入はショップにてどうぞ。

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Todd Lowrey Antiques

by d+A