もともとはビール(もしくはエール)ジャグで、座って飲む男性の姿をかたどっており、三折り帽とフロックコート、パイプとなみなみとビールが入ったマグをもっている、というのが、お定まりのスタイル。
名前の由来は諸説あります。
かつて2000ガロン(1ガロン約4.5リットルとすると9000リットル!!?)ものエールを飲み干したといわれるToby Fillpotをモデルとしたというものがひとつ。
他には、シェークスピアの12夜/Twelfth Nightにでてくる大酒のみのサー・トビー・ベルチ/Sir Toby Belchからの名前、という説もございます。
どちらにしても、モデルは大酒のみ。
18世紀ころから焼き物が盛んだったスタッフォードシャーで作られるようになり、とても人気となりました。
もともとはビールを飲むジョッキだったらしいのですが、実用と言うよりは装飾的なものであるため、小さなものも作られるようになり、ミルクピッチャーや、ディスプレイ用のセットなどへと広がっていったものと思われます。
その由来があるせいか、顔だけをかたどった、トビーではない、他の人物のものも「トビー・ジャグ」とよばれます。
ロイヤルドルトンやベスウィックなどの窯元も多くのトビージャグを生産してきました。
文豪チャールズ・ディケンズの登場人物を揃えたディケンズ・シリーズのトビー・ジャグなどは、コレクターの醍醐味ともいえるでしょう。
今回ご紹介するトビー・ジャグは、Lancaster & Sandland製。
底面には以下の文字がみられます。
LANCASTER
SANDLAND
HANDPAINTED
HANLEY
ENGLAND
SANDLAND CHARACT(ER?) WARE
この窯元、もともとは1899年創業、Lancaster & Sonsという窯元が母体。
1944年にSandlandが共同経営となり、名前がLancaster & Sandlandとなります。
また、HANLEY/ハンリーとは、陶器で有名なストークオントレントにある町の名前。
Lancaster & Sandlandが、Lancaster & Sonsの時代からずっとその地で陶器を製造していた場所です。
一般的な食器をはじめ、キャラクターものも得意としていましたが、1968年には閉鎖。
操業中は多くのトビー・ジャグを製造してきました。
ロイヤルドルトンやベスウィックほどメジャーではありませんが、個性豊かなおじ様たちの顔をユニークに表現したLancaster & Sonsのトビー・ジャグは、知る人とぞ知るコレクタブルアイテムといえるでしょう。
今回ご紹介するトビー・ジャグの大きさはとても小さく、ミルク・ピッチャーと表現したほうがよいかもしれません。
中世風の帽子にお髭をたくわえ、赤ら顔の渋いおじさまは、手のひらにのせて眺めればどことなく可愛らしく、思わず惚れてしまいそうです・・。
お花を飾ったり、USBやハンコを入れてみたり。
もちろんそっと飾っておくだけでも、その存在感は抜群。
ハンリーの街から来た髭親爺をどうぞ可愛がってあげてください。
◆England
◆Lancaster & Sandland
◆推定製造年代:c.1950年代頃
◆素材:陶器
◆サイズ:幅約7cm 奥行き約5cm 高さ約6.4cm
◆重量:88g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*とても良いコンディションですが、古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色がみられます。
*全体に貫入がみられますが、製法上のものです。ヒビではございません。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A