英国アンティーク、インレイが施されたマホガニー材を使った、こぶりなブックトラフ。
英国に自生はしない南洋材のマホガニーは、大英帝国の繁栄にともなって輸入されるようになり、18世紀前半から高級家具の主要な材となりました。
それまでの主要材であったオークにくらべ、比較的加工しやすく、美しい杢目をもつマホガニーは、当時の富裕層の心をしっかりと掴んだようです。
カーヴィング(彫刻)、インレイ(象嵌)。
様々な技法が施され、家具にさらなる芸術性と付加価値を生み出してゆきました。
今回ご紹介するブックトラフは、そんなマホガニーを使用した小さな佳品。
製作年代は1900年代初めころ、長いヴィクトリア女王の治世が終わり、エドワード7世が君主となったエドワーディアンのものと思われます。
華美で豊かな装飾性が好まれたヴィクトリア時代にくらべ、エドワーディアンはシンプルな直線や幾何曲線が主体となった時代です。
このブックトラフも、シンプルでありながら格調高い意匠であり、エドワーディアンの特徴を良く現しているといえるでしょう。
また、トラフ/Troughとは、「(細長い)飼葉おけ」「槽(ふね)」「くぼみ」や「谷」という英語。そして、ブックトラフ/Book Troughとは、本を置く棚部分がV字谷のようになっていて、本を傾けて収納するようになっている本棚のことをいいます。
場所は少々とりますし、ハードカバーでないとしっかりと収納できない、というものではありますが、角度がついて出し入れしやすく、タイトルが見えやすい、というメリットがあります。
英国アンティークの小家具で、ブックトラフはひとつの定番。
素材は実用的なオークから、最高級のマホガニーや化粧張りのウォールナットまで、フォルムは1段だけでデスクトップに乗せるもの、2-3段程度で床に置くものから、1段のトラフの上に天板は水平なものをつけて、そこで本が開けるようになっているものなど様々なタイプがございます。
このブックトラフはデスクトップに置く1段のタイプですが、高級材を使用しながらも、幅が20cm強とめずらしく小さなものとなっています。
側板、そして本を支える底板と背板にインレイ、そしてエッジにも丁寧にインレイが施されており、横から見ても正面から見ても美しい仕上がりとなっています。
エドワーディアンの英国紳士のように、愛読書をそっとマホガニー材に座らせて・・・。
貴方のデスクトップに風格ある佇まいを加えてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1900年代
◆素材:木(マホガニー)
◆サイズ:幅約21.5cm 奥行き約15.8cm 高さ約9.6cm
◆重量:212g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、割れの補修跡や変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A