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Monday

短めのマラッカ藤には訳がある / Antique Walking Stick with Malacca Cane

マラッカ藤を使った高級アンティーク・ステッキ。

















マラッカ藤(マラッカケイン)とは、マレーシア、マライ半島西岸のマラッカ海峡に面した港湾都市から出荷される周辺地域特産の藤の茎のこと。


もともとの材に斑(フラワー)が入っており、使えば使うほどそれが濃くなり、全体に艶がでてきて、しっとりと飴色になるのが特徴。その艶具合や斑などは個体差があり、その表情を愉しむのがマラッカケイン愛好者の愉しみであるといっても過言ではありません。

軽く丈夫で表情豊か、そしてエイジングもたのしめるマラッカケインは、杖はもちろん、傘の柄にも使われており、現代においても英国紳士が大好きな素材。英国王室御用達、老舗の傘メーカーFOXも、傘の柄の定番素材としてマラッカ藤を取り揃えています。



今回ご紹介するステッキは、シャフトがそのマラッカ藤、そしてグリップは真鍮でできている洒落たひとしな。


シャフトにはなんとも味わい深い斑がまるで絵画のように現れており、自然の奥深さを感じさせます。シャフトの先端には保護兼滑り止めのゴムが嵌められており、外すことも可能。



そして、グリップは歳月を経て少し歪んだ味わい深い真鍮製。
以下の文字が刻印されています。


LONDON
STEELLINED
WARRANTED

ロンドン
スチールラインド
保証


「LINED」には「線を引いた」「筋のある」などの意味があり、「STEELLINED」は「鉄の筋をいれた」という意味なのではないかと思われます。


ひょっとしてこのステッキは鉄の筋入り・・・?と、先端のゴムキャップを外してみましたが、そこに見えるのはマラッカ藤の断面のみでした。


ただ、グリップより数センチ下のところに、2か所の釘頭がみられます。
これは、やはりなにがしかの補強なのではないでしょうか?


マラッカ藤は軽くてしなやかなところが特徴ですが、このステッキは長さ77.5cmと短めな割に、重量182gと若干重め。
(参考までに、当店のマラッカ藤シルバーグリップ長さ88cmのステッキは144gです。)

体重をかければ若干しなりますが、他のマラッカ藤と比べるとしなり方が少ない気がいたします。


推測ではございますが、このステッキはやはり鉄の補強が入っているのかもしれません。英国のステッキのなかでも、かなり短めなのは、ひょっとして護身用に取り回しやすいサイズで誂えた、ということかも・・・。


いろいろな想像が膨らむ、昔のロンドンから来た古いステッキ。
貴方のお手元で、じっくりと検証しながら空想を広げてみてはいかがでしょうか。



◆England
◆LONDON
◆推定製造年代:c.1910-1930年代頃
◆素材:マラッカ藤、真鍮
◆サイズ:全体長さ約77.5cm グリップ直径約2.8cm
◆重量:約182g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、歪みや変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。



Todd Lowrey Antiques
by d+A