英国アンティーク、羊皮紙でつづられたヴィクトリア時代の遺言書(及びその検認書)。
古い書類を手に入れました。
わずかに透明感のあるアイボリーの紙に、活版印刷とハンドライティングで綴られた冊子。
タイトルは「Probate of the Will」
これは正式には「遺言が本物であると証明し、地所を管理する権限を執行者に与えている司法証明書」の意味。
そう、つまりこれは遺言書なのです。
表紙には以下の文字がみられます。
Mr.Ralph Leeming deceased
Will Dated 2cd October 1891
Testator died 26th February 1898
Probate dated 30th March 1898
Exctracted by
L.&W. Wilkinson
Solicitores,
Blackburn
ざっと訳しますと・・
故人 Mr.Ralph Leeming
遺言書の日付 1891年10月2日
遺言者の死亡 1898年2月26日
遺言検認 1898年3月30日
抄本作成
法務官 L.&W. Wilkinson
Blackburn
・・・と、かなり詳細にいつなにが行われたのかかきちんと記されています。
おそらくその都度書き加えられていったのではないでしょうか。
広げれば、「This is the Last Will and Testament」という書類にさらにシールドが念入りに施されたもう1枚の紙が巧みにとめられています。
「This is the Last Will and Testament」が遺言書及びその分割協議書で、それに留められたもう1枚が裁判所の検認書であると思われます。
そんな内容自体も興味深いのですが、なによりも印象的なのはハンドライティングの美しい筆記体と、使用されている紙。
これは、羊皮紙。
文字通り羊の皮から作られた紙で、長持ちし、独特の風合いがあるのが特徴。
破こうとしてもかなりな力が必要なほど丈夫なため、聖書や公文書等、貴重な文書に使用されてきました。
現在でも生産、販売されていますが、A4版で1枚約5000円ほど(販売店や質によりばらつきあります)。
そんな貴重な羊皮紙に記された遺言書。
触ってみれば、しっとりとしなやかな、それでいて張りのある風合い。
植物素材の紙に比べればなんともなまめかしく、生地でいえば綿や麻に対する絹のような印象といっても過言ではありません。
内容を読み込んでラルフ・リーミング氏の生涯へ思いを馳せるのもよし、もちろんこの書類自体の存在感を堪能してもよし。
歳月を経た羊皮紙とインクの質感は、手に優しく心に深くとどまり、貴方を思わぬ感動へと導いてくれることでしょう。
ヴィクトリア時代、英国の裁判所お墨付きの確固たるドキュメントを貴方のものにしてみてはいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1890年代
◆素材:羊皮紙
◆サイズ(折りたたみ時):約10.5×25.5cm
◆重量:37g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色や染み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A