英国アンティーク、フットスツール。
今回ご紹介するのは、英国のアンティークセンターで手に入れたフットスツール。
古代エジプトや古代ローマから始まり、長い歴史をもつフットスツールは、その時代ごとに様々な意匠と材で作られてきました。19世紀ヨーロッパでは、材はマホガニーやウォールナット、ふっくらとした詰め物にファブリックで仕上げられた高級品や、オークの本体にラッシュ(籐張り)で仕上げられた比較的庶民的な物などを見ることが出来ます。
今回のお品物の特徴は見事なボウル&クロウの脚先。
「ボウル&クロウ/Bowl and claw」。クロウ&ボウルともいわれ、鍵爪(claw)が球(ball)を掴んだ様子を模した意匠のことです。
由来は諸説ありますが、ひとつとしては中国の「龍の爪が知恵の珠を掴む」という象徴的なイメージがヨーロッパに渡った、というもの。英国では18世紀から流行し、トーマス・チッペンデールはこの意匠をカブリオレレッグ(俗に猫脚)と組み合わせ、椅子やテーブルの脚先に使いました。このことから、カブリオレレッグとボウル&クロウの家具をチッペンデールスタイルと呼ぶことが多くあります。
このフットスツールも見事なカブリオレレッグをしています。材はおそらくマホガニーと思われます。脚先には無垢材を削り出して作られたボウル&クロウが配され全体を纏めており、英国伝統のチッペンデールスタイルを見事に具現化しています。高さ27cmほどの小ささですので、正統派チッペンデールスタイルの実用的な家具としては最小クラスと言えるのではないでしょうか。
張地は淡くスモーキーな色合いのタータンチェック。手触りからしてウール、そしてスコットランドのハリスツィードかもしれない、と推測いたします。クッション部分は落とし込み式で簡単に外すことができます。裏面は黒い不織布のようなものでカバーされており、タッカーの金具が比較的新しいため、張地とクッションは近年にやりかえられたものと思われます。
DIY大好きな英国人は家の内装はもちろん家具の張替も自分で行う人が多くいます。そしてこのような落とし込み式の張替は比較的容易ですので、持ち主が自分のために行ったのかもしれないな、と思います。今後はお部屋のインテリアに合わせて、ご自身でお好みのファブリックに張り替えてみるのもよろしいかもしれません。
ソファーの前に置けば、実用のみならずインテリアとして最高のアクセントになってくれるフットスツール。サイドテーブル代わりにお使いいただいても素敵です。(お茶を乗せるときはトレイをご使用ください)
貴方の寛ぎのひとときに、チッペンデールスタイルの小家具はいかがでしょうか。
◆England
◆推定製造年代:c.1900-1930年代頃(生地部分は後年)
◆素材:木(おそらくマホガニー)、布(おそらくウール)、他
◆サイズ:約36×28cm 高さ約27cm
◆布面サイズ:約29.5×21cm
◆重量:1720g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ等がみられます。
*あくまでも「足のせ台」です。踏み台としてのご使用はお控えください。
*ごく体重の軽い方は座ることができるかもしれませんが、椅子として作られたものではございませんので、自己判断にてお願いいたします。
*生地部分は落とし込んであるだけです。固定されていませんので逆さにすれば外れます。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A













