グラスや小物など、様々なアンティークが並ぶ店内の壁に、そっと掛けられていました。
店主いわく、1900年頃の鉄道のもの、とのこと。
きれいなフォルムと歳月を経た真鍮の風合いに魅かれて、手に入れてしまいました。
本体に表示されているのは、「SBB CFF」の文字。
SBBとは、スイスの国鉄であるスイス連邦鉄道 / Swiss Federal Railways(ドイツ語:Schweizerische Bundesbahnen )のこと。
ちなみに、スイスの使用言語は約65%がドイツ語、約20%がフランス語、約10%がイタリア語、
残りがロマンシュ語(インド・ヨーロッパ語系統のロマンス語派に属するレト・ロマンス語群に属する言語)となっています。
そのため、スイス連邦鉄道 の表記は3つの代表的な言語で表され、"SBB CFF FFS" となります。
CFF フランス語:Chemins de fer federaux suisses
FFS イタリア語:Ferrovie federali svizzere
SBBの設立は1902年。
過去のポスターなどを見ると、1932年や1942年のものはイタリア語の略語は無く「SBB CFF」と表示されています。
1942年のポスター |
現在使用されている三言語表記のロゴデザインは、スイスのグラフィックデザイナーである、
ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン/Josef Muller-Brockmann(1914-1996)による1978年のもの。
1978年より現在まで使用されているロゴ |
以上の背景や、器具自体のデザインから、この照明器具は1900年のSBB創設当時から、新しくても1950年頃までの品物であろうかと推定されます。
1800年代後半から1900年代前半はヨーロッパをはじめ、アメリカでも豪華な鉄道で各地を旅することこそが、富裕層のたいそうな楽しみでした。
かのオリエント急行をはじめ、多くの路線が開拓され、ホテルさながらの豪華な内装をもった車両も多かったようです。
1935年 ドイツ車両内のレストラン |
この壁付け照明も、きっとそんな流行によって作られたものでしょう。
凝った美しいデザインは、一般車両というよりは、ダイニングカーやサロンカーなどの、特別な車両に取り付けられていたのではないでしょうか。
スリムでコンパクトなフォルムと、繊細な縁飾り、そして歳月を経た真鍮がなんともいえない雰囲気をかもしだし、機能的でありながらも優美な存在感を放つ、歴史あるアンティーク照明。
遠いスイスの山々の元で旅してきた黄金色のランプで、ぜひ貴方のお手元を照らしてみてください。
◆Switzerland or German
◆推定製造年代:c.1900~1950年代頃
◆素材:真鍮・ガラス
◆サイズ:幅約6.5 奥行き約9 高さ約43cm (ガラスシェードをセットした時の寸法です)
◆重量:約0.8kg
◆在庫数:1点のみ
【照明に関してのご注意】
◆使用電球:口金E17(日本の一般的な口金です) 消費電力40Wまで
◆ガラスシェードの内径が約4.5cmですので、大きな電球は入りません。ナツメ球やシャンデリア球などがおすすめです。
◆買い付け当時はコードは古いもので、途中で切られていましたが、日本に持ち帰り、専門業者に依頼して、中間スイッチ付の安全なコードにお取替えいたしました。
◆壁付け照明として配線工事をされる場合は、コード部分をカットして施工してください。
◆現状、約2mの長さの中間スィッチ・コンセント付コードがついておりますので、壁に木ネジなどで取り付けたり、フックに引っ掛けたりしてそのままご使用いただくことも可能です。
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆びや変色、歪み等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*ガラスシェードはドイツ買い付け当時からの物でサイズはぴったりですが、オリジナルの物でない可能性がございます。
*シェードエッジ内側にわずかにチップがみられます。
*本体底のカバーは、下にぱかっと外れますが、また押し込めば止まります。配線との絡みはございません。
*全体としては通常のご使用に十分耐える、とてもよいコンディションだと思います。ご了承の上、お求めください。
*画像の備品は付属しません。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。
Todd Lowrey Antiques
by d+A