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Monday

地の果ての妖精 / Vintage Pixie on the Cornish Serpentine Stone

 英国ヴィンテージ、妖精ピクシーのペーパーウェイト。















今回ご紹介するのは掌に乗るくらいの、小さなペーパーウェイト。


コーンウォール地方で産出されるサーペンタイン・ストーンの欠片に、妖精ピクシーが座り込んでおります。ストーンには以下の文字が刻まれています。


LANDS END/ランズ エンド。


英語でそのまま「土地(陸)の終わり・地の果て」を意味するランズエンドは、英国の西端、コーンウォールの地方の岬の名前。
北大西洋、ケルト海に突き出たブリテン島の西端は、島に住む人々からしたらまさに「地の果て」であり、その先には海以外は何もない・・・という思いが名前にそのまま表れた場所です。


ちなみに石名の「サーペンタイン/Serpentine」とは蛇のこと。一般的には「Snake/スネーク」よりも大きな蛇を指します。
例えば旧約聖書においてイブにリンゴを食べさせた大きな蛇は「サーペンタイン」と表現されています。

余談ではありますが、英国ではS字のような複数の曲線が組み合わされた曲線を「サーペンタイン」と表現します。前面がくにゃりとした曲線をもつキャビネットは「サーペンタイン・キャビネット」などと言われています。

つまり、サーペンタイン・ストーンとは日本語で蛇紋岩のこと。

蛇紋岩は世界中に広く分布しますが、英国ではコーンウォールの海岸に多くあることで有名。色味は暗めの赤や緑など表情豊かで、比較的加工しやすいことから、多くの加工品がつくられています。



またピクシーとはコーンウォールやデボン州のムーア、森、洞窟などに出没する小さな妖精のこと。


夜に森で踊ることを好み、彼らの踊りにでくわした旅人は一緒に踊らされ時間の観念をなくしてしまうという伝説があります。そうならないための方法は上着を裏返しに着ることとか。貧しいものの為に仕事をしてくれたり、怠け者をみるとつねったりする良い面も持っています。

一方で、人の赤ん坊を盗んだり、取り替え子(チェンジリング)を行うともいいます。
そうならないためヴィクトリア時代までは、さらわれぬ様に赤ん坊をベビーベッドにくくりつける風習の地方もあったとか。

外観は諸説ありますが、一般的にはとがった頭と耳、幼児のような顔が特徴となっています。数多いいイングランドの妖精伝説のなかでも、最も知られている妖精のひとつといえるでしょう。

そんなピクシーはイングランドの人々にとても愛されており、彼らをモチーフにした小物をよくみることができます。



コーンウォール地方で産出されたサーペンタイン・ストーン、そして妖精ピクシー。
まさにコーンウォールの岬、ランズエンドで手に入れるにはうってつけのお土産物であったといえるでしょう。1970年代頃というのは、英国のディーラーのざっくりした推定年代をそのまま掲載させていただきました。



石の欠片に座り込み、妖精ピクシーが眺めるのはコーンウォールの野山でしょうか。
それとも、どこまでも広がるケルト海でしょうか。

英国の豊かな自然と伝承を思い起こさせてくれる、小さなヴィンテージ・アイテムです。




◆England
◆推定製造年代:c.1970年代頃
◆素材:石、真鍮
◆サイズ:幅約5.8cm 奥行き約3.8cm 高さ約6.8cm
◆重量:115g
◆在庫数:1点のみ


【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、錆や変色がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。




アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
こちらのバナーからご来店いただけます。




Todd Lowrey Antiques
by d+A