イタリアンヴィンテージ、 アーミラリ天球儀。
アーミラリ天球儀、ご存じでしょうか。
天球儀が球面上に恒星の天球上の位置を示した機器であることに対し、アーミラリ天球儀/Armillary sphere(もしくは渾天儀・こんてんぎ)は、天球上の天体の動きを模した機器のことをいいます。
地球が中央に浮かぶように配置され、周囲には輪が配されており、地球の周りの星の動きを説明するのに使われていました。
古代ギリシアと中国で独自に発明・発展したといわれており、17世紀にヨーロッパで望遠鏡が発明されるまで、天文学者にとってアーミラリ天球儀は天球上の星の配置を決定するためにかなり重要な道具でした。
ルネサンス期の科学者の肖像画は、しばしばアーミラリ天球儀を片手に持った姿が描かれており、知恵と知識の象徴だったといわれています。
さて、今回ご紹介するのは、英国のマーケットで手に入れた雰囲気たっぷりのアーミラリ天球儀。販売していた英国のディーラーによれば、恐らく製造はイタリアであろう、とのこと。主素材は木ですが、中央のドーナツ状のパーツはパーティクルボード(木のチップを固めた板)となっています。
パーティクルボードは1940年代にスイスで開発されたのが始まりといわれていますので、このアーミラリ天球儀はそれ以降のお品物であるといえます。
中心にある地球はかなり古い地図がモチーフとなっており、日本の姿を確認することもできません。海には幻獣のイラストが描かれ、正確な地図というよりは見て愉しむイラストレーションのようなものであると思われます。
正直に申し上げて使用方法や観測方法は不明。
黄道十二星座のイラストが描かれていることからも、星占いや占星術をモチーフとしたものかもしれません。
観測用のアーミラリ天球儀は精緻なつくりですが、このお品物はこの恐らくディスプレイ用として作られたものですので、目盛りや表記などがどこまで正確かは判断がつきかねます。
それでも、くすんだ表情の星座の描写、歳月を経て古びた真鍮の表情、そしてアーミラリ天球儀が持つ独特のフォルムは唯一無二の存在感をもっていることは間違いありません。
デスクトップに置き、くるりくるりと十二宮を回してみる。
私たちにとっての世界の中心である地球と、それを取り囲む果てしない空間へ想いを馳せる・・・。
そんなひとときを与えてくれる、またとないヴィンテージ・アイテムです。
◆英国買付/Italy
◆推定製造年代:c.1950-1960年代頃
◆素材:木・パーティクルボード・紙・真鍮
◆サイズ:直径約25cm 高さ約27cm
◆重量:887g
◆在庫数:1点のみ
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、紙の破れや変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*球体と土台は外すことができます。出荷の際はいったん外して、コンパクトになる状態に収めて梱包いたします。
*お手数ですがご自身で再度はめていただきますようお願いいたします。特に工具などは必要ございません。
*画像の備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A