英国アンティーク、テリア犬のカフリンクス。
「カフリンクス/Cufflinks」とは、日本では「カフスボタン」と呼ばれるもの。
英国では「cuff button/カフボタン」はジャケットやシャツに縫い付けられたボタンを意味します。起源は17世紀フランスと言われており、袖口にもなにかアクセントが欲しい、ということから生まれたという説がございます。
カフリンクスには様々なタイプがありますが、現代ではフェイス(飾りがある表側)に対し、バッキング(裏側)がT字状となっている「スウィヴル式」とよばれるものが主流となっています。
今回ご紹介するのは、古いタイプのチェーン式(Chain link)カフリンクス。
フェイスとバッキングを鎖で繋いだ古典的なタイプで、カフリンクスの始まりから、1920年代頃まで多く使用されたものです。
フェイスの背景はマザーオブパールで、そこにドーム状に何らかの樹脂が盛られ、背面からテリア犬が彫られ、色を付けられています。1940年代頃から流行したルーサイトのアクセサリーに同様の加工が見られ、手法としては「インタグリオ/Intaglio(陰刻、沈み彫り、彫り込み模様)」と呼ばれるものです。
今回のカフリンクスは、背面にマザーオブパールが配され、周囲には金属が回されておりますので、ルーサイトでは無いかもしれませんが、当時は革新的であった透明樹脂を活かした加工として、なかなか凝ったものであったと推測されます。
フェイスの裏面には「GUILD」の文字がみられますので、おそらくは何らかの合金にゴールドギルドで仕上げられたものでしょう。
モチーフはグリーンの草の上、尻尾をピンと立てたテリア犬。
恐らく犬種としては「ワイアー・フォックス・テリア/WIRE FOX TERRIER」なのではないかと思います。英国産の古い犬種で、少なくても18世紀には「フォックステリア」と呼ばれ、キツネ狩りに愛用されていたようです。その後混血が進み、現在の名前となり世界中で愛されるようになりました。性格は友好的且つ積極的で、怖いもの知らず。
現代の英国でキツネ狩りは禁止されていますが、1920年代頃には貴族のスポーツとして多く行われておりましたので、現役の猟犬をモチーフとしたのかもしれません。
数少ないジェントルマン・アクセサリーのなかで、もっともさりげなく目立ちにくいだけに、こだわりを持つ方が多いカフリンクス。
そこにアンティークのひとしなを加えることで、更なるこだわりの装いとなることでしょう。
カフリンク愛好者の方、そして犬を愛する方にもおすすめの、稀有なアンティークアクセサリーです。
◆England
◆推定製造年代:c.1920年代頃
◆素材:金属、樹脂、マザーオブパール
◆サイズ:約1.8×1.2cm 厚み約0.3cm(1個のフェイスの大きさ)
◆重量:5g(2個セットの重さ)
◆在庫数:1セットのみ(ケースは付属しません)
【NOTE】
*古いお品物ですので、一部に小傷や汚れ、変色等がみられます。詳細は画像にてご確認ください。
*画像のケース、その他備品は付属しません。
*上記ご了承の上、お求めください。
アイテムのご購入はショップにてどうぞ。
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Todd Lowrey Antiques
by d+A